みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
9.《ネタバレ》 孤独な男女の復活と再生の物語。 音楽と映像は印象的であるものの、主演二人の見た目が苦手かな。 だけどベルトルッチの作品って、映画を見てるなぁという感覚に没頭できる魅力がある。 この魅力ってとても重要で、テレビドラマの延長線の様な映画とは、全く非なる趣きだ。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2022-09-06 00:52:03) 8.自分で稼いだ金ならまだしも、親の金で好き勝手する14歳の弟とヤク中アバズレ感満載の異母姉の交流に嫌悪感のみ募る。ラストショットに「だから? 何?」としか思えない。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 3点(2019-06-09 15:57:37) 7.《ネタバレ》 スキー旅行をサボって少年が引きこもった地下室に、薬中の異母姉が転がり込んで――。反発し合っていた二人が心を通わせる過程に感情移入できないし、演じる二人からあまり魅力を感じない。孤独な魂が溶け合う肝心要のシーンで使われるオペラも苦手だし、ベルトルッチ監督の世界についていけず。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-08-28 22:25:22) 6.《ネタバレ》 イヤホンから流れるCUREの曲、クラスメイトの流れに逆らい肩がぶつかる・・・冒頭の数分間で、言葉少なに少年の内面や状況を説明しながらもすんなり入り込めていけるのが凄い。ボウイの曲など音楽の趣味が好みに合ううえ使い方がじつにうまいのです。じつは自分は閉所恐怖症というか密室恐怖症なので、地下室が舞台ということに多少の不安をおぼえながらの鑑賞でしたが、秀逸なカメラワークのせいなのか全く息苦しさを感じませんでした。姉が作家としての成功と挫折を話すシーンもなかなか良く、姉弟としてだけでなく人間どおしとして2人がふれ合えたような・・そこでなぜか、すがすがしい気持ちになった。 【ETNA】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-06-13 11:54:12) 5.《ネタバレ》 団体行動が苦手で学校でも浮いた存在である14歳の少年ロレンツォは、過保護で口うるさい母親から少しでも離れたくて、スキー合宿へと参加すると嘘をつき、いまは離れて暮らす父親の所有する地下室へと勝手に潜り込むのだった。数日間の孤独なバカンス、水槽に飼育された蟻の巣を眺めたり、好きな音楽を聴いたり、そんな自由気儘な生活を謳歌しようとした矢先、彼の腹違いの姉オリヴィアが「何処にも行き場所がないの。お願い、中に入れて!」と強引に転がり込んでくる。がさつで無神経なそんな彼女に、当然のように出て行くことを強要するロレンツォ。だが、オリヴィアが麻薬中毒から必死に立ち直ろうとしていることを知った彼は、そのアルマジロの皮のように硬い殻で覆われた孤独な心を少しずつ開いてゆく…。都会の片隅、誰も知らない暗い地下室での数日間に限定された姉と弟の屈折した交流を繊細に描き出す、巨匠ベルトルッチ監督の約10年ぶりとなる待望の復帰作。いやー、齢70を過ぎて、まだまだこんなに鬱屈した少年の心理を瑞々しく描けるなんて、さすがはベルトルッチですね。そんなブランクを微塵も感じさせない気品に満ちた青春ドラマの佳品でありました。舞台はほぼ薄汚れた地下室のみ、登場人物もほぼこの少年とその姉のみなのに、見事な手腕でもって構築された刹那的で深い物語世界に、最後までしっとりと浸ることが出来ました。最初はいけ好かない印象の姉が、実は夢破れた孤独な少女として少しずつ弟と心を通わせてゆき、次第に外の世界へと興味を向け始めていく自然な描写とか、もうさすがの貫禄。病のせいで、映画製作から遠ざかっていたというベルトルッチのこの10年間がつくづく残念でなりません。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-05-05 11:57:40) 4.《ネタバレ》 ベルナルド・ベルトルッチ10年ぶりの新作ということで、これは見逃すわけにはいきませんでした。一人の少年が転がり込んできた異母姉と地下室で一週間過ごす、ただそれだけの話で実にあっさり、さっぱりした小作品なんですが、見終わってなんともいえない感覚が尾を引きます。若者への、いや人間そのものへの大いなる賛美を感じる。ロレンツォは若い頃のマルコム・マクダウェルみたいな顔してるし、姉もココリコの田中みたいな顔で決して美男美女ではないのですが、なんという自然で瑞々しい演技。彼らの熱演、そしてベルトルッチの演出力に拍手。やっぱり、一番の見せ場はデヴッド・ボウイの曲に乗せて踊るシーンでしょうかね。一週間の生活で、ちょっとだけ成長し前向きになったロレンツォの気持ちが、最後のストップモーションで表現されます。 【あろえりーな】さん [DVD(吹替)] 7点(2014-01-09 16:31:15) 3.《ネタバレ》 なんてべルトリッチって素敵なんだろう!いくら抱き合っても、夫婦になっても、埋められない孤独を描いた巨匠の最近の作品は、なんと愛があふれてることか!「シャンドライの恋」は最近のベストだったが、またこんな素敵な作品に出会うとは!しかもどちらもベルトリッチ!異母姉弟の二人の時間。今までの映画だったら、大抵抱き合ったりして、二人だけの秘密を持つとか、虚構めいた創りにするところだ。(この虚構めいてるとこが増々観てる方は孤独を感じていくのだが・・)しかし、今の若者をよく見てる、この作品は・・。孤独な姉が最後、ヤクを吸うのか、もう冷や冷やした。けど彼らは空っぽ(に見える?)親たちと、共に共闘することで、強く連帯し、姉は血のつながった兄弟よりも、より姉らしくなり、人間関係に興味のもてない弟は、姉を立ち直らせた誓いのようなもの(うまく言えないが・・)をもつことで、大人になる。最近の若者は中々やる!そんな感じを持ってる小生には、この危うげのない思春期の冒険を描いたこの作品をとても愛おしく感じます。ベルトリッチ、最高! 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-12-31 06:25:36) 2.《ネタバレ》 冒頭の母に対する息子のいかがわしい言動に、おいおい『ルナ』の焼き直しかよと。母が運転する車に息子が乗ってる図やその背景からも『ルナ』をなぞってる。が、腹違いのお姉ちゃん登場で、ありゃ?今度は『ドリーマーズ』ですかと。といった具合にベルトルッチは過去の自身の作品を想起させる人物設定でもって観客を戸惑わせる。まだそこにいるのかと。久しぶりの再会だというのに何も変わらんのかと。しかしこの映画、センセーショナルな性描写もなければどこかの国の革命やら戦争やらが背景に潜むこともない。むしろ何も起こらない物語なのだ。ベルトルッチなのに。なのに面白いこれ如何に。他者との接触を拒み続ける少年の内側に姉という遺物が混入する。強い姉ゆえに拒めず、そして弱い姉ゆえに守ってゆく。その心理の移ろいの妙。地下室から度々出ざるを得ないときの冒険譚。デビッド・ボウイをバックに歌い踊るシーンの「映画的」としかいえないような現実離れした感動のシーン。物語的には何も起こらない数日ではあるが少年の人生にとっては決定的な数日となる。それを証明するのが今まで見せたことがない表情を切り取るラストカット。『大人は判ってくれない』(トリュフォー)と同じ手法だ。たぶんこれ以上に雄弁なラストシーンはない。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-06-06 17:39:22) 1.《ネタバレ》 主人公が蟻塚を買って地下に引き籠るという、蟻塚を見つめる主人公の視線と、 そんな主人公を見つめる観客の視線というところで、 最後のストップモーションが、見ているものは見られているで、 スクリーンという隔たりを一気に乗り越えてくるので、とても愛おしく泣ける。 無論、David Bowieの名曲"Space Oddity"のイタリア語版 "Ragazzo Solo, Ragazza Sola"(こんなものがあったなんて初めて知った)が 流れ、歌い出す瞬間なども、泣けてしょうがないわけだ。 歌詞の内容もさることながら、ふたりを撮らえるカメラの動きも良く、 ああ切ない、と思わせる見事な作りにまんまと泣かされる。 齢70を越え、車椅子に座っている写真を見たことすらあるベルトルッチが、 若者ふたりを主人公に据え、こんなにも潤った映画を撮ってしまうのだから驚嘆せざるを得ない。 それは若者が出ているから若々しく見えるのか、とは言え、巨匠の手捌きは熟練されているのだし、 なんともひとつで二度美味しいというか、若くもありながら成熟もされている映画だ。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-05-27 00:52:59)
【点数情報】
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