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1.  罪の声 《ネタバレ》 原作小説を読みましたので鑑賞しました。主人公の一人曽根俊也は、自分の声が犯罪に加担した罪の声だったことを突然知ることなります。全く記憶にない出来事に、良心の呵責とか罪の意識とか、そういうのとは違う「真実を知りたい欲望」「知らなければならない責任」「知りたくないという恐怖」を覚えます。その葛藤を星野源はしっかり演じていて。同じように利用された子供が二人いることを知り、寄り添いたい気持ちなった優しい男であることもすんなり理解できます。 原作は、忘れかけていた凶悪完全犯罪のルポルタージュとして大変興味深く、また過去の犯罪に利用された子供に着眼して創作された物語としても素晴らしいものでした。事件当時、脅迫電話に使われた例の子供の身を案ずるムーブメントはあったのでしょうか。 原作に対し映画はかなりスピーディーに取材が進み、さっさともう一人の被害者の聡一郎くんが登場して、ちょっと都合良過ぎるなと思ったのも束の間、この現在の聡一郎くんが素晴らしかった。つまり映画の方は事件のことよりも子供の物語を多く語る形になっていて、これはまた原作者が一番訴えたかったことだと思われ、その点は結果的に良かったと思う。 曽根さんはどんな人生だったんですか?と聡一郎に問われた時、答えられなかった曽根。曽根さんの今はあなた自身が掴んだものです、罪の意識を抱くべきはあなたではない、という阿久津。 望ちゃんの声が聴きたいと言って泣く母に、聞かせる声は犯罪に使われたテープの声。日本を震撼させた劇場型犯罪の裏に、一生を台無しにされた家族がいた、という仮定から作られた物語は、あまりにも切ないものでした。[インターネット(字幕)] 7点(2024-06-03 17:05:33)《改行有》

2.  シャイロックの子供たち 原作読んだので観てみました。落ちは原作と違ったけど、落としどころは同じというか、器用にまとまってる。まとめるのが上手。役者もそれぞれの持ち味をそのまま出していて、安心して見ていられるものになっていた。そのまんま過ぎて意外性が皆無という言い方も出来るが。混み入った話と多数の登場人物を丁寧に描くなら、やっぱり連ドラサイズくらいの方が良かったかなと思う。[インターネット(邦画)] 7点(2024-04-22 13:20:59)

3.  モリコーネ 映画が恋した音楽家 《ネタバレ》 映画と音楽を切り離せないものにしてしまったのが、モリコーネという人だったと思います。テーマ曲に限らず、映画のシーンにあてるメロディや効果音まで作っています。必ずしも納得した作品ばかりじゃなくて、映画音楽なんてやめようとずっと思っていて、それでも監督に求められる。そしてその映画の脚本を読むと、音が、メロディが、頭の中に湧き出し、手紙を書くかのように、紙に音符を書いてしまうんだとか。天才です。天才を超えてます。どんな偉大な監督だって人間だから亡くなることは避けられませんが、モリコーネ音が語る映画が今後生まれないのは、映画界の大きな損失でしょう。かと言って、AIに作らせようなんてなったら、モリコーネがきっと悲しむのでやめてほしいな。[インターネット(字幕)] 8点(2024-03-25 16:29:03)

4.  きみはいい子 《ネタバレ》 ストレスがストレスを産むストレス社会。やってはいけない事がどんどん増えていって、この世はもうストレス飽和状態。生きずらい世の中だから他人に関わらないようにするしかない。こんな事をずっとやっていて、それでいつ平和が訪れるのでしょうか。「親が子供を抱きしめて、ポンポンて優しくする。そうされた子供は親の真似をして他者に優しくなる。親が子供を可愛がれば世界は平和になる。親って凄い仕事だよ。」というようなセリフがあったけど、まさにそれに尽きると思う。ミクロがマクロを作り上げる平和の基本理論だ。3本のエピソードをがっつり絡ませるでもなく微妙に絡ませ、全体的に、というか最終的に子育ての意義を見つめ直すきっかけとなる、まとまった作品だった。中でも池脇千鶴演じるガサツで愚鈍なママ友の役どころが素晴らしかった。最初は背景に溶け込んでしまいそうなさり気ない演技で脇役に徹してた池脇さん、またその演出が凄い。最後は全部持って行った。ラストの岡野先生がどうなったのかが気になるが、虐待父に立ち向かう勇気を見せたのは確かだ。まずはその勇気が大切なんだ。[インターネット(邦画)] 7点(2024-02-25 17:04:53)

5.  SR サイタマノラッパー タケダ先輩のことカラダ心配かっけーっすマジリスペクトっすお前らもっとちゃんとしろよ分かってんだろでも間違ってるってことも YO-YO- 。嫌いじゃない。[インターネット(邦画)] 5点(2024-02-08 18:45:11)

6.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》  VFXに関して良い評判が多かったので、これは観なければと行って来ました。期待どおり、というかそれ以上の物を観させられ震えました。一方、人間の描き方については、主人公の性格が後ろ向き過ぎてイライラする、というような声も聞いていたので、おーこれが巷で有名な後ろ向きで演技が微妙な神木君か、確かに後ろ向きだねえ、と思いました。帰還兵って、金銭的補償とかは何も無いのでしょうか。ふらっと帰ってきていきなりホームレスみたいになって、憎まれ口をたたかれる。そりゃあきついでしょう。トラウマとか多くの人の死とか貧乏とかで、とにかく生きていたくなくなった訳です。金の為に危険な仕事に就き、過去のトラウマと再会するというご都合主義も、これは運命と受け止めます。今度こそアイツと戦って前に進むぞっってなって、砲撃の腕前も生かされます。銀座のアイツはとにかく絶望的に恐ろしく、戦争からは難を逃れた街並みが、無惨に破壊されます。それがアメリカの原爆が投下されたのと同じように、木っ端みじんなのです。ようやく戦後復興に向けて歩み始めた当時の敗戦国日本人と、平和にのほほんと日々暮らして大画面で映画を鑑賞している私たち現代人の前に、その絶望感が一気に押し寄せ、辛く悲しくなりました。せっかく戦争を終わらせたばかりなのに、まだこの国に大きな試練が与えられるのか。そこで立ち上がった元海軍兵と技術者、学者が奮闘します。先の戦争では、特攻だお国のためだと命を無駄にし過ぎた。戦闘機には脱出装置さえ装備されていなかった。今度は生きる為に戦おう。彼らにとってのゴジラが、得体のしれない怪物から、打倒すべき敵になりました。海神(ワダツミ)作戦も、現代のヤシオリ作戦と比較すると断然力業で、これまたかっこ良かった。東洋バルーンの人達も、好きでした。とまあ、ゴジラの凄みのある造形と、それが迫り来る恐怖感などはもちろん素晴らしい出来栄えでしたが、一般に微妙といわれる人間物語の方も、とても良かったと思います。昔の人って現代人とは違うんだから、きっとああいう喋り方してたんでしょ、って思えば。他にも書き尽くせばきりがない程ですが、三丁目にT-REXが突如現れたみたいな感じが、とても良かったです。褒めてます。[映画館(邦画)] 10点(2023-11-06 16:05:28)(良:2票)

7.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 原作も背景も日本ですが、キリスト教迫害時代の宣教師目線の物語なので、主人公がハリウッドスターです。この場合へんてこりんな日本と、片言の日本語を喋る日系アメリカ人が日本人役で出てきたりしても、まあしょうがないかと諦めることに慣れてしまっているのですが、その点においては全く心配することなく、むしろ日本の俳優さんたちが素晴らしく、日本人としてちょっと嬉しく思いました。物語の内容と同じく、完全アウェーな宣教師になっていました。 島原の乱と踏み絵の事しか知らない無知で無宗教の私などにとって、カトリック教徒の遠藤周作とスコセッシ監督が語る、宣教師と切支丹とそれを取り締まる幕府の役人の事を考える良い機会になりました。それは間違いなく諸外国からの侵略を恐れての一方的な宗教弾圧であり、悲惨な場面もたくさんありましたが、「なぜ神はここまで私たちを苦しめるのか」をキーワードに、神と信仰心についてまで考えることになります。キリスト教の教え「唯一神」つまり神は一人である、という考えと、「神」とは信じる心があってこそ、その一人一人の心にそれぞれ宿るものという、より日本的(仏教的)な考え方。どっちだっていいし、それは人によっても国によっても違う。それに気づいた事こそ、神を理解したという事なのでした。原作にはないラストシーンとの事ですが、スコセッシ監督の解釈であり、エンターテイメントとしても分かりやすくなっていて、良かったと思います。[インターネット(字幕)] 8点(2023-11-01 18:03:22)《改行有》

8.  街の上で 《ネタバレ》  下北に何年か住んでれば大体の人間が繋がっちゃうよねー、なんて冗談交じりの会話から作っちゃったような話かな、なんて思った。 縁が円になって繋がる。ちょい役の登場人物がそれぞれちょっとずつ交わる。そんなまさかという非現実的な出会いも、日常を切り取ったようなリアルな空気間ですんなり受け入れてしまうことができる。BGMは無く、絶妙な「間」のある会話、たまに噛んだりもして、それがリアルってもんだ。何も起こらないリアルもあれば、本作のようにいろいろあり過ぎるが何故かリアルに見えるものもある。実に巧い。で、冒頭のシーンとラストシーンもきれいに繋がる。4分の1欠けたちょっと苦くて甘いチョコレートケーキは、そのまま冷蔵庫に入ってた。あの日の続きを、何もなかったかのようにそのまま続けることが出来るささやかな幸せ。あの後おなか壊すかもしれないけど、それを覚悟で続きのケーキを食べたのは、雪ちゃんの懺悔なのかもしれない。[インターネット(邦画)] 7点(2023-09-19 13:28:24)《改行有》

9.  君たちはどう生きるか(2023) 《ネタバレ》  まず、御年82歳の巨匠が自らの集大成を総括した作品に対し、10点満点(もしくは5点満点)で採点すること、そしてこのような「考えるな感じろ」的な作品に対し、感想を文字化し可視化することが極めて無粋である事と知った上で、あえて書かなければならない。そうしないとこの作品を見た意味すら見失ってしまいそうな、そんなつかみ所の無い作品だったから。自分への覚書のようなものとして、書いておこうと思う。  ネタバレ厳禁をここまで徹底する要素が、果たしてこの作品にあったのか否かは疑問。あくまでも戦略だっただけのように思う。そもそもネタばらしをしようにも、あらすじなるものを簡単に言葉で語り継げるようなストーリーをまず持っていない。とりあえずは「感じろ」と。しかしその次の段階には、登場する全ての物に何かしらの意味が隠されている事を「考える」こととなる。メタファーにつぐメタファーの連続。そして過去作品のセルフオマージュの連続。この、メタファーとセルフオマージュの連続が、一見取り留めのないものの羅列として、退屈を感じさせてしまうのかもしれない。この作品、実は、感じろ、ではなく、考えろ、だった。  全ての鑑賞者の数だけ、解釈の数がある。監督の持つ戦争観、死生観、男女の在り方役割分担、アオサギとは、ペリカンとは、インコとは、そして13の積み木と跡継ぎ問題、産屋へ入ることが禁忌であるということ。  この作品に限らず、監督は常に、生きろ、と言う。生物は生きているか死んでいるかしかない。死んだ者は、食べられるか埋められるかしかない。生きている者は、生きるため産むために殺生をすることがある。イレギュラーケースとして、生きるか死ぬかの基準の中には存在しない行為、自分の頭を石で殴った自傷行為の事を彼は「悪意」と言う。彼が負傷のために刈上げた頭で真剣に武器を作る姿は、デニーロのタクシードライバーを思い出してしまった。捕らえられた女を救出するために命を懸ける男の話だ。男が女を守り、女は子を産む。この古臭い男女の役割分担という考え方が、現代では禁忌、ストレートには表現できないタブーとなっている。メタファーという鎧で自分を守りながらでないと表現出来なくなり、そのために分かりにくい面白くないと評価されるようになってしまう表現者。13の積み木(ゲド戦記を含む13作品)を積み終わった後は、許されるのであれば悪意の無い跡継ぎにこの場を渡してしまいたい。言葉をしゃべるが中身のないインコみたいな無責任な不特定多数の群衆どももいるこんな世の中だから、最新の注意を払って、自分と自分の周りの大切な人を守って、生きていかなければならないんだなぁ、と。どのように生きるか、という監督からの設問への、これはあくまでもほんの一回答、です。[映画館(邦画)] 8点(2023-07-18 15:51:56)(良:2票) 《改行有》

10.  七人の侍 《ネタバレ》 丁寧なストーリーと、とことんまでリアリティー求めるアクション。これを「素晴らしい」という賛辞以外にどう表現したらよいのでしょう。迫力の戦闘シーンは特に評価されますが、この作品の魅力はそこだけにあらず、ある意味青春群像劇のように一人一人のエピソードを順に、それぞれ決して長くはない尺ではありますが、描いています。それも野武士を迎え撃つという本軸から外れる事なく一瞬にしてその人となりを感じられるのです。脚本の上手さを認めざるを得ません。個性的な侍に対し、百姓たちはあくまでも「群衆」として一個の塊のようにぞろぞろと固まって行動する無個性の集団です。イメージは真面目で弱く守らなければならない存在というよりはむしろ、ひもじく、うじうじと不幸を顔に張り付け、保守的で、人間の根っこにある意地汚さもしっかり保守してるような群衆です。そして百姓と侍を繋ぐ△、菊千代という存在。演じる三船敏郎にはとにかく花がありますねぇ。どんな役をやっても、ここでは下品なノラ犬みたいな偽侍で七人の内の一人に過ぎないのですが、どうしてもその際立つ花のオーラは消すことが出来なかったようです。少々鬱陶しいけど憎めないキャラクターをチャーミングに演じています。ところがやっぱり目玉は戦闘。敵の40騎は作戦ごとに一人ずつ数を数えながら消えていき、味方も一人また一人と死んでいく。決戦では泥臭く、豪雨の中文字通り泥まみれになりながら、あくまでも最初から最後まで一人ずつ一人ずつ(味方も含めて)朽ちていく。その演出がまた迫力と悲哀を併せ持っています。そしてそもそもが高低差のある土地を利用した戦策なので、走る騎馬隊とそれを追う見方の陣の動きが、左右にも上下にも縦横無尽に動き走りまくり、圧巻の戦闘シーンになっています。そういえばちょうど最近スピルバーグの「フェイブルマンズ」を見てきたのですが、そこで(黒澤監督も敬愛するという)ジョンフォードが言ってました。「地平線はどこだ」と。上にあるホライズンと下にあるホライズンを繋いだのがここでのロケーションなんだろうなぁなんて、フェイブルマンズの感想で書くべき事を、ここに書きたくなってしまいました。ジョンフォードから黒澤へ、黒澤から多くの映画人へと受け継がれて行く映画表現と映画愛、これを評価の+αにしてもしなくても、満点の作品です。どっこいそらそらさーっさ 百姓どもの勝ち、という悲哀のあるエンディングも全て、満点。[インターネット(邦画)] 10点(2023-03-16 15:40:58)

11.  凪待ち 《ネタバレ》 男泣きの人生だ。自業自得だとかツッコミどころとか、まあいろいろおありかもしれませんが、一人の男が転落して再生するという転結を描きたかっただけの物語なのだから、その過程なんてどうでもいい。この男がどうやって彼女と知り合ってどうしてギャンブル依存になってとかはどうでもよくて、とにかくドSに苦しめて落ちるとこまで落として、(仮にもアイドル慎吾ちゃんを)心も見た目もボロボロにしといて、それでも一筋の希望だけを頼りに生きていくしかないって話だから。不謹慎かもしれないが震災に例えて、それには理由なんて無くとにかく理不尽で不公平なもので、でもとにかく乗り越えるしかないってことなんだろう。何をやっても悪い方へ悪い方へ進み、それが嫌で自分で自分を痛めつけ、結果絞り出すように泣くしかない。観ていて辛くなる。一番ドSを感じたのは11レースの3-6のシーン。当たる?はずす?どちらにしても正解じゃないぞと思って観てたら、最高に最悪な結果。はい、百戦錬磨の鑑賞者ならこの結果はセオリーなんでしょうが、私はまだまだ未熟でして、普通に「そりゃないわ~(泣)」とどっぷり感情移入。もうあとはタイトルどおり、凪を待つしかない。海の底には震災で流されたピアノや自転車が沈んでいる。あぁ、やっぱそういう見方で間違いない作品なんだ、と思えるラスト。[インターネット(邦画)] 7点(2022-09-08 12:44:36)

12.  アルキメデスの大戦 《ネタバレ》 歴史的事実と実在の人物を配しているが、主人公やエピソードはフィクションであり、数学の力で戦争を止めようとするファンタジー として見るのが正しいのか。目的が最初からしっかり据え置かれていて分かりやすく、いろいろな困難を乗り越えてその目的(見積額の不正を暴く)を達成した。と、ここまでは普通のファンタジーです。そして最後まで見終えると、なかなかどうして、唸ってしまう所あり、です。軍人嫌いの計測オタク学生が、最後には何処からどう見ても軍人に仕上がっているし、美しく潔く散るために造られた、日本のそして日本人の象徴としての大和、この二つ(櫂=作られた軍人、大和=時代の勢いに乗せられた日本国民)が悲惨な歴史的事実を牽引してゆく事になる、という切ない物語なのでした。[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-10 11:02:03)《改行有》

13.  アヒルと鴨のコインロッカー 《ネタバレ》 原作未読で恥ずかしながら何の予備知識も無いまま鑑賞しました。ストーリーを想像できるような類のタイトルではなく、またその無味無臭のタイトルから、ゆるい若者たちの日常をポップに描いてます、みたいな事しか推測しておらず、そんなスタンスで見始めたら裏切られました。全体的に独特なユルさは持ちつつも、生命の尊さとか、同じ人種でも解りあえない価値観の違いもあれば、人種や言葉は違えどそれを超えた友情や心の交流はある、とか、こうやってありきたりな表現で文字にしてしまうと物凄く陳腐なメッセージ、それをどんでん返しありのストーリー展開で上手く、押しつけがましくなく表現していて。なかなかです。ボブディランなんかも、カリスマミュージシャンのアイコンとして、若者二人が出会うためのきっかけに過ぎないのかと思ったけど、重要なシーンで効果的に使われていて、映像化の成功を感じます。原作も読みたくなります。[インターネット(邦画)] 8点(2022-01-26 11:33:11)

14.  ゴジラvsコング 《ネタバレ》 面白かったです。ハリウッドが好む家族愛とかアメリカ万歳色は極力薄めに、本来の怪獣プロレスをきちんと魅せてくれてます。 そうプロレスです。宿命の対決はどちらが勝っても負けても嬉しくもあり寂しくもあり、〇勝〇敗〇引き分け。引退するまで続くのです。世紀の対決の最中に悪徳レフェリーが水を差したら、お前は関係ないんだ引っ込んでろとその瞬間ライバル同士がが結託する。どちらの推しかというのは観戦する上で重要ですが、コング推しの女の子のシーンとゴジラ押しの女子のシーンが交互に出てきて、どちらが悪だと位置づけず、あとはそれぞれ好みの問題だとフラットな目で見せてくれたのも良い。大人も子供も観戦できる格闘技です。[映画館(字幕)] 8点(2021-07-09 10:45:14)《改行有》

15.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 いや~、好きですねぇ。そう言えば劇場で二回と、地上波でも観たので、今回が4回目の鑑賞になりますかね、でも面白いんですよ。最初に見たときは難しいセリフをまあ良くもペラペラと話しますねと、聞き取れない=理解できない部分もたくさんありましたが、それでも日本国政府が巨大不明生物に果敢に立ち向かう事に感動しました。口からの火炎放射と背中からの光線によってビル群をぶった切っていく姿は言葉は悪いが神々しく、ヤシオリ作戦で攻められる姿は何だか可哀想で、やっぱり作り手の皆さんはゴジラが好きなんだなと感じました。何度も見る事により理解も深まり更に面白くなりますし、「有識者会議」なるものを少々揶揄した形などは見るタイミングによって当時は震災対策を皮肉っていたかと思えば、今回は正にコロナ対策を思わせる。この感じは法治国家のあるあるなんでしょうかね。いろいろ考えさせらる内容も気に入っていますが、やっぱり一番の見所はヤシオリ作戦です。在来線爆弾やビルの倒壊で攻め、数台のコンクリートポンプ車で寄ってたかってゴジラの口に血液凝固剤を投与する。可哀想だったけど超クールでした。米国プランの再開もあるという怖い余韻も残している所も秀逸です。[インターネット(字幕)] 10点(2021-05-25 14:43:30)

16.  疑惑(1982) 《ネタバレ》 あまり見ないジャンルの作品ですが、こちらの点数が高かったので。桃井かおりが炸裂してますねぇ。上手い下手ではなく、存在感が凄い。鬼塚球磨子という毒女を完全に自分のものにしています。他の出演者、柄本明、鹿賀丈史、小林稔侍、松村達雄、山田五十鈴、それぞれ皆さんちょい役ではありますが、味がある。とても自然で、まるでそこに実在している人物のように、演じるでもなく収まっている感じがいい。特に一番の見せ場、ワイン掛け合いのシーンはしびれました。事件が二人を呼び寄せ、それぞれ一人ずつ身内を失ったものの、特段何事も無かったかのように、二人はそれぞれの道を孤独にも強く生き進んでいく。そんな女たちのお話でした。[インターネット(邦画)] 7点(2020-09-07 18:01:35)

17.  恋は雨上がりのように 《ネタバレ》 女子高生が普通のおっさんに恋をした。怪我が原因で大好きだった走ることを辞めてしまった女子高生あきらが抱いた「恋心」のようなものは、思うに燃えるような、熱く焦げるような「恋」ではなく、出会った時のふとした瞬間自分の閉ざしていた心の隙間にするっと自然に入り込んできた、今までの日常とは全く無関係な人間の存在に対する目新しい感情、なんだと思う。でもたぶん、そのような感情もひっくるめて「恋」と呼ぶなら、女子高生が普通のおっさんに恋をした、ということになる。人を好きになるのに理由はいらないが、この年の差の場合理由は必要だとおっさんは言う。夢も希望も無い、空っぽの自分を好きになるなんて、とおっさんは言う。空っぽ?そんな事はない。二人ともちょっとだけ雨宿りをして、それぞれの夢と希望を思い出し、ゆっくりと歩きだす。恋愛映画というよりも、おじさんと少女のそれぞれの再生を爽やかに描いた群像劇のような作品でした。恋愛は成就しなくても、何とも後味の良い青春ドラマになってます。[インターネット(字幕)] 8点(2020-07-12 13:56:05)(良:1票)

18.  風の谷のナウシカ 《ネタバレ》 公開当時主人公姫と同年代の私は、御多分に漏れずにわかアニメファンとなり、優しくチャーミングで勇敢な主人公のヒロイックな部分に持っていかれ、その姫が実は伝説の救世主(想像されていたのは男性)だった!なんて、何とファンタジーなレジェンドなんでしょうと興奮したものでした。その頃から現在に至るまで、なんどめだナウシカと言っては何度となく我が家のテレビ画面にもそのお姿を伺う事となりました。が、私の心が薄汚れてしまったのでしょう、CMの度に席を立ち、トイレに行ったり台所に行ったりと、姫様の勇敢なお姿を真剣に拝見したのは、超お久しぶり。当時の自分が抱いた感想とはちょっと違った目で見れたように思えます。腐海や虫たちがとても美しく、大蟲が愛おしく感じられ、改めて素晴らしい作品だっだんだなあと再確認出来ました。そして今となっては、原作本、大人買いしちゃおうかな、と思います。[地上波(邦画)] 9点(2020-03-18 19:16:31)

19.  凶悪 《ネタバレ》 原作未読。読みたくなります。誰も知らない三つの殺人。上申書殺人事件を基にしたフィクション。冒頭のケンちゃんや日野、五十嵐の理不尽な死は主に映画版オリジナルの創作のようだ。時系列が行ったり来たりしていて、二回目三回目の視聴で全体像が繋がりました。この創作の殺人三件を冒頭に置くことによって、より告発者須藤の残虐性を念押ししたかったのだろう。実在の「先生」はこの作品のリリーよりもっとサイコパスで、クソらしい。リリーもかなりヤバいですが。つまり実在の事件と比較して須藤はより凶悪に、「先生」はマイルドに(あれで)アレンジされているらしいです。だとすると、私は原作の方に興味が湧きます。この映画版においての拾い物は、須藤の内縁の妻役、松岡依都美。この人の演技がとてもいい。[インターネット(邦画)] 6点(2018-06-22 10:06:05)(良:1票)

20.  本能寺ホテル 《ネタバレ》 主人公が本能寺の変の前日にタイムリープしてしまう。さあどうする。そういう話で、ただそれだけなんだけど、いかにもフジテレビの、例の奇妙な、お話なんだけど。ここは一丁無理やりいろいろ考えてみようと試みる。京都の美しい家屋は、現代も戦乱の世も美しいまま、ちょっとしたタイムリープなど諸ともしない佇まい。普通の女子である主人公はひょんな事から、選択肢がたくさんあり過ぎて迷ってしまう現代から、生活する=生きることという至極シンプルな時代へ投げ出される。そこで、魅力的なパワハラ上司とそれに怯えつつも畏怖の念を忘れない部下という、過去の日本人の人間関係に触れ、自分がいかに平和ボケした現代人であったかと思い知るも、この平和ボケだって先人が積み重ねてきた思いや行動によってようやく築かれた産物であるんだなと。信長は「写真」から未来が太平の世である事を読み取り、歴史を変えることなく散って行ったのだなぁと。うん、無理やり考えてみると、なかなか面白かったとも言える。[インターネット(字幕)] 7点(2018-02-22 19:37:12)

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