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プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123456789
投稿日付順123456789
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81.  ジョアンナ 《ネタバレ》 ジョアンナちゃん自体はメッチャ可愛いすね。演じてるのはジュヌビエーブ・ウエイトという女優さんですが、ルックスに関しては率直に同時代の他の方々と比べても相当にハイレベルだと思いますし、ファッションも凝っていてカラフルで中々上等です。ただ、演技に関しては相当に微妙、とゆーか、あの声で成立する演技とゆーのがそもそも極度に限定されてきてしまう、という感じでしょーかね(損な、とゆーか、ピーキーな、という感じの声ですね)。もう一点、頻繁に登場するどーみてもカツラなあのクルクルモッフモフの髪型は一体どーいう意図なのでしょう?あーゆうのが実はスウィンギングなのでしょーか?知識無いので誰か教えてください(私にはむしろロココ調にも見えましたが)。 内容の方は、正直かなり薄っぺらいですね。特にお話は終始散々に漂流した挙句、全然意図してなかったゴールに辿り着いてる、という様にも見えます。だとすると、それこそスウィンギングな60'sのカウンターカルチャー的価値観を描くことの方がより重要なテーマだとも思うのですが、正直ソコもイマイチ伝わってこないのですよね。その点のキモはおそらくジョアンナの奔放さ、つまりはフリーセックスな恋愛遍歴の描写にあるのだろうと思うのですが、当時の人々にとってはだいぶ衝撃的であったとしても、現代の私が観た限りではそーでもない(=キョウビもはやフツーな風に見える)というコトかとも思われます。ちょっとトゲが抜け落ちてしまった映画、なのかも知れないと思いました。[DVD(字幕)] 5点(2021-07-29 01:23:10)《改行有》

82.  フォーリング・ダウン 《ネタバレ》 なんとゆーか年を喰うと、あまり怒ったりしなくなりますよね。いや、私も怒った「フリ」とゆーのは(必要に迫られるので)しょっちゅうやってますが、根本的に感情に流されて行動すること自体がすごく減るとゆーか。まあ、理屈抜きで感情に任せて行動した所為で散々痛い目を見てきた、という「学び」故なのだとは思いますケド。 ド初っ端から素っ頓狂にブチ切れてオッ始まるので、もっとシンプルな(そしてイカレた)アイデアのスリラーかと思ったのですが、一枚重層的なのが、周囲の世界がイラつく事象に満ち満ちているという状況自体はよく見るとマイケル・ダグラスもロバート・デュヴァルも大して変わんない、というコトに見えます。もちろん、適度に器が広くて穏便に対処してゆけるデュヴァルの方には大いに共感してゆくワケです。終盤、嫁さん相手にキレてる「フリ」をしたシーンなんか個人的には最高でしたね(その後は一発マジギレしちゃってますが)。 ただ、作品として奥行きが在るからイイのかとゆーと必ずしもそーではなくて、マイケル・ダグラスの側のお話(=大人気なくキレちゃうコトの一種の爽快感)とゆーのはイマイチ盛り上がってゆかないとゆーか、最初が一番な尻窄みの様にも思えます。結局のトコロ、本作はスリラーではなくてブラック・コメディなのでしょーね。結論的に私個人としてどちらが観たかったのかと言えば、ダグラスの暴走が果てしなくエスカレートしてゆくという(どこか笑える程度の)アクション・スリラーだった、という様にも感じます。シンプルなアイデアはシンプルに、とでも言いますか。[DVD(字幕)] 7点(2021-07-22 08:57:37)《改行有》

83.  追想(2017) 《ネタバレ》 なんか結構、一見は「下世話」なハナシだと言ってよいだろうと思いますね。シアーシャちゃんとゆーのは爽やかでフレッシュでスマートな美人ではありますが、ちょっと色気とゆーのはまだちゃんとは備えてもいない、という印象で、ただその意味ではある種のハマリ役でしょうし、それはこーいう内容を意外にもごくごくマジメに・真摯に描いてゆくという実際の作風からも適切なキャスティングだったと思います。 重ねてですが、描かれる「事象」自体は非常に下世話なトコロを、こーいう妙にマジメな雰囲気に纏め上げるとゆーのは地味に演技・演出ともにかなり難易度が高いと思います(特にエロっぽさをごく抑えて、その一方でそこにリアリティを共存させるとゆーのが)。ただし本作、そこのクオリティがまず非常に優れていたと思いますね。色々と微に入り細を穿って事細かに考え抜かれたシリアスな展開運び・仕上げが素晴らしかった、なんつーかソコはもはや精密機械の様な映画だとすら思います。その部分にはまず中々ユニークで高度な見応えがあったなあ、と感じましたのですね。 ドラマとしては後半の展開がやや大袈裟すぎるとも思いましたが、ラスト付近の余韻はこれまた中々でした。描かれる「若さ(若気の至り?)」の爽やかビターな味わいがかなりグッドな良作青春恋愛映画だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2021-07-14 21:32:14)《改行有》

84.  ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢 《ネタバレ》 ダコタ・ジョンソンてこんなに可愛かったケ?と思ったのですが、ダコタ・ファニングと勘違いしてました(でもつい最近『サスペリア』のリメイクとかでも観たハズなんですケドね…)。 お話の方は、音楽プロデューサーを目指す若い女の子の割とシンプルなサクセス・ストーリー、ですが、結論から申し上げますと、やや悪い意味でまろやか過ぎる、という感じなのですよね。主人公の当初の状況も結構恵まれてる方だと思いますし、彼女自身にもそこそこ才能がありますし、これも才能ある人材にも偶然にも簡単に出会えてしまいますし、そもそもいま仕えてるボスとゆーのもやや落ち目とは言え全然立派な歌手ですし、人間的にも実はごく立派な人物だし、という。 似た系統の映画の例でゆーと、『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープみたいにブッ壊れてないし、『ジュディ/虹の彼方に』のレネー・ゼルウィガーみたいに凄まじいドン底でもないし、あと成長物語ゆーても『ワイルド・ローズ』のジェシー・バックリーみたいに元がヒッドいポンコツ(人として)て訳でもないし…という感じで、それらと比較してパンチ・キレ・或いは起伏(アップダウン)が感じられない、とでも言いますか。これでラストも少し出来過ぎとも言える様な展開で軟着陸してってまう、となると、ちと歯応えとゆーのが物足りないかな、とも思いますのよね。 ただ、まろやかなのはそれはそれで利点でもあるかと思います。ノーストレスでノンビリホッコリな映画を観たい!(+可愛いコが出てればなお好い!)とかいうシチュエーションなら、全然使い道はあるかと。音楽映画だけあって使用楽曲はかなりセンスの好いのが揃ってまして、その意味でもリラックスして観てゆける気はしますしね。[DVD(字幕)] 6点(2021-06-30 22:36:38)(良:1票) 《改行有》

85.  ズーム/見えない参加者 《ネタバレ》 ゆーて私も、ここ一年は毎日の勤務時間の半分以上がZoomでの打ち合わせですからね。その意味ではやっぱ親近感とゆーのはありますですよ。複数端末で参加しててハウリングさせる、なんてのも(当然のよーに)やったことありますしね。 リモートなホラーとしては個人的には三作目、その三作を手が込んでいる(=カネ掛かってる)順に並べると、『アンフレンデッド』→『真・鮫島事件』→今作、という感じになるだろうか(『真・鮫島事件』はアレはアレで相当にチープですケドも)。とは言え手が込んでれば好いというワケでもなく、『アンフレンデッド』は様々なツールが入り乱れ、異常に手数が多くて観ていてメチャクチャ疲れてしまったのだし、それに比べると今作は全編Zoomのみなので格段にシンプルで観易いことは観易い。ただ今作、コンセプトは『アンフレンデッド』を引き継いでいるというか、これも全編Zoomの画面上のみで進行するという作品なので、観易い一方で『アンフレンデッド』で弱点にも感じられた「カメラがチャッチいからショック描写に迫力が出ない」という部分もこれまた継承してしまってる、とゆーのも事実かと。 しかし、ま~見るからに低予算ですよね(ほぼ自主制作レベル)。Zoomの画面なんだから別にエーやん!と言わんばかりのクソ低画質に、そもそもが68分という短尺ながらラスト10分は更にどーでもいい(ちょっとだけ怪異な)メイキング風映像だし、これに1900円払うのはちょっと勿体無いという気がする。短い分密度が濃いというワケでもなく、B級ホラーよろしく前半半分は完全に「捨て」で殆ど何も起こらないし、後半は多少マシになるとは言えショック描写もこれまたチープ極まりなく、結論的には許容範囲を少し下回って地味すぎる、という感じですね。結局やはり、完全リモートだと(諸々の事情で)あまりホラー的にインパクトのある描写を盛り込めない→どの描写も似た様な感じにまろやかになって決定的に抑揚・盛り上がりを欠く、というコトかとも思われます。 その意味では、やはり全編リモートというのは結論的にはキビシイ、というコトが分かってきたかとも思いますね。あくまでリモートな状況を(前半で)活かしつつ、後半は別の展開に上手いコト繋いでいく、とゆーのが肝要かと(その意味では『真・鮫島事件』とゆーのは思ったより好く考えられていた、というコトかもと)。もう一点、やはりインドア(自室)で世にも恐ろしいショック描写を描く、とゆーのは相当に難しく、結局高度にユニークなアイデアが必要になる、というコトですかね。こーいうの一見低予算でもつくれそうなのですが、そこから天下を取りたいのなら普通のホラー以上に才能と努力と閃きが必要だ、とゆーことにも思えますですね。[DVD(字幕)] 3点(2021-06-30 20:07:03)(良:1票) 《改行有》

86.  007/カジノ・ロワイヤル(1967) 《ネタバレ》 まあでも、昔の007って今時点に比べたら格段に軽~いノリで(少なくともロジャー・ムーア時代くらいまでは)、ソコと今作との「落差」とゆーのは、確実に今我々が007シリーズに抱くモノと今作とのソレよりは小さかったと思うのですよね。だからあくまで今作は豪華キャストのお祭り騒ぎとして(目くじら立てずに)軽~く観るのが正しいのだと思います。少なくとも、こんなカルト的にイカレポンチな作品だと思って「構えて」観るのは、当初の意図からは外れていると思うのです。 とは言え、特に終盤は本当に本当にやりたい放題で、軽く観たとゆーても流石にどーかと怒りを覚える人が(少なからず)居るとゆーのも重々承知です。ただやはり好いと思われる点、極上にシブいデヴィッド・二―ヴンや、底抜けに滑稽なウディ・アレン、そしてゴージャスな美女の大盤振る舞い、と、見所は決して少なくありません。暇潰しor話題づくりには完全に十二分かと(ただ一点だけ、女性陣は確かに美人揃いなのですが、ちょっと似たよーな見映えの人ばかり…とゆーのは少しだけ残念にも思いますケド)。[DVD(字幕)] 5点(2021-06-29 20:39:13)《改行有》

87.  ゾンビ特急“地獄”行 《ネタバレ》 クリストファー・リー、ピーター・カッシングのダブル主演ということもあり、60年代か或いは50年代ものだと思っていたら、なんと1972年の作品なのでした。とすると全体の質感はチョイ古臭すぎますし、特撮のクオリティもチャチすぎますね。何つーか『ウルトラQ』の拡大版でも観てるかのよーな(特急列車と変な類人猿の取り合せは『地底超特急西へ』のエピソードに酷似してますし)。 それっぽいシーンが無くはないので『ゾンビ特急』とかいうタイトルになってますが、本作はゾンビものと言うよりは系統的には『遊星からの物体X』に近い方ですかね。モンスターの能力自体は、紅い眼で見つめるだけで乗り移れるor殺せる(殺した相手は実は操れる)という強力なものですが、正直その能力もあまり生かしきれておらず、かつショックシーンは終始殺されて白眼剥いて血涙流してる犠牲者のアップの一点張りですし、あとSFなのに科学的考証の部分がかなり珍妙・荒唐無稽なのと、矢鱈と登場人物が多くてとっ散らかったシナリオ、加えてラストもごく陳腐、と殆ど褒めるトコロが無いという有様です。アマプラでタダで観れたので別に損はしてないのですケドも…[インターネット(字幕)] 3点(2021-06-14 07:32:13)《改行有》

88.  ファウスト(1994) 《ネタバレ》 建付けとして『ファウスト』の構造を取り入れてはいるものの、基本的には監督のやりたい放題、という映画ですね(特に序盤は完全にそーですケド)。何しろメフィスト登場までにもエラい時間が掛かりますし、そこまでの描写にはシナリオ上の意味、というのも殆ど見い出せないのですから、こーいうのに馴れてない人にとってはかなり辛い映画だと思います。 やはり見ドコロはその独特な表現にあるかと思います。これはもう説明不要かと思いますが、ストップモーションアニメ・人形劇・シュールな演技、等々、その意味での面白さ・ユニークさはこれも十二分に備えている作品かと。個人的に注目していた「食事」のシーンは、今作時点ではさほど「悪趣味」でもなく、少しホッとしましたが(後続作品でのアレ、ワタシはかなり心を抉られるものですから)。 2018年の監督最新作『蟲』も、早く一般公開・DVD化されないかと期待しています。[インターネット(字幕)] 6点(2021-06-06 21:09:37)《改行有》

89.  カセットテープ・ダイアリーズ 《ネタバレ》 世代的にブルース・スプリングスティーンなんて殆ど聴いたコトないのだけど、不思議なものでいざ本作中で色々聴いてみると、彼の音楽が嘗て世界を「構成」していたということが確かに実感できるのだ(否、今なおそうなのかも知れないが)。純粋な音楽自体の性質もそうであろうと思うが、諸々と非常に高度な「普遍性」を備えるひとつの文化の結実ではないかと思う。その意味で、彼の音楽は観るひとの世代の垣根を取り払うオーソドックスさというのを本作に付与していると言える様に思う(意外と)。 内容も、80年代のイギリスにおける移民差別、というティピカルながら個別的である題材を取り扱いつつも、本質的にはこれも非常に普遍的なテーマを擁する作品だと感じた。差別される移民の不自由さと共に描かれてゆくのは、未だ「何者でもない」という全ての若者が抱える不自由、そしてそこから主人公が脱却してゆく成長の過程である。序盤に描かれる前者から、より普遍的な後者へと次第にテーマを掘り進めてゆくシナリオ構成が、誰しものより深い共感を可能にしている様にも感じられた。この部分も中々優れた、かつ手堅い仕事であるかなと。 もう一つ、無理解な親とそれに反発する子、というのも非常に普遍的な要素であろう。ジャベドの父親の価値観は、彼を苦しめた不自由さを生き抜くひとつの「知恵」でもあり、ただしそれは息子のそれとはあの時代のあの時点で相容れなかった、ということだと思う。人の価値観が時代と共に常に移り変わってゆく以上、これも絶対にどんな時代でも避けられない対立なのだろうと思うし、本質的にはどちらかがより「正しい」ということでもないのだろうと思う。それこそ「もっと自由に挑戦して生きてゆけ!(ジャベド)」「俺はただ平凡に暮らしたいんだ!(息子)」なんてことだって、個人主義が発展した現代なら然も起こり得る、とも思われるし。[DVD(字幕)] 8点(2021-05-15 11:24:37)《改行有》

90.  SF核戦争後の未来・スレッズ<TVM> 《ネタバレ》 結局のトコロ、本作が主張したいこととゆーのは、全面核戦争が起こってしまったら文明の復興は(少なくとも短・中期的には)困難だ(無理だ)ということなのでしょうね(それはある程度しっかりした科学的なシミュレーションでもそーいう結果が出ている、ということだったのかと)。その意味では、その「全面」という部分に関して、本当にそーいうことになってしまう可能性があるのかどーかを含めての一歩踏み込んだリアリティという部分には議論の余地があるのかも知れませんし、個人的にはもう一つ、事前の備えにせよ事後の事態収拾にせよ、もう少し「団結」してやれることとゆーのはないのか、と少しだけ疑問に思う面もありました。ただ、それは私の想定が甘すぎる、ということだとも感じています。例え現実的な対処方法が「人口の間引き」しかない状況に陥ったとしても、それを許容するだけの「逆」の意味での倫理観あるいはフレキシビリティというものを、もはや現代の人間社会は持ち合わせていないだろう、とも思うのですよね。 ある種、普通の映画とは「目的」が違う作品だと言えますし、だからこそ、鑑賞後感とゆーのも極めてユニークに超ネガティブです。単純にちょっと勉強・知識習得にもなりますし、一味違った作品としての観る価値とゆーのも確実にある映画だと言えるでしょう。[DVD(字幕)] 7点(2021-04-29 17:04:38)(良:1票) 《改行有》

91.  回転 《ネタバレ》 大昔に観たときは、率直によー分からん映画だと思ったのですね。それは、この映画を単純に幽霊映画・ホラーだと思って観ていたからだった、と思うのですが、今回、原作を読む機会があったのでそれを機に観直してみました。 そもそも原作と言うのは、幽霊がメインの要素である以上は間違いなく怪談の類いなのですが、その中でより注力して描写されるのは主人公の心理的葛藤、すなわち、思わせぶりな態度を取り続ける子供たちが実際に「黒なのか白なのか」という部分の疑心暗鬼、或いはグロース夫人との関係性(協調または敵対)の部分に生まれる緊迫感であり、そういった主人公の不安・不穏な感情を描くものとしては確実に(心理的)サスペンスという方が適切なのです。その観点からすると、非常に控えめな幽霊自体の描写、端的なデボラ・カーのヒステリックな感情表現、豪奢ながら寂寥とした屋敷や物悲しいオルゴールの音色が形づくる全体の陰鬱な雰囲気、結局白黒がハッキリしない不可解な結末、といった部分の仕上げ方・出来映えを勘案しても、確かにこれは比較的優れている・的確な方の文芸映画だと言えるのではないかと感じるのですね。 ただ、よく言われることですが「小説(原作)か映画か」という観点で言うと、今作は原作と比較すると実は色々随分と簡略化されている、という部分に若干の残念さを覚えるのも事実です。子供たちに対する主人公の猜疑心というものは、原作では非常に地味な描写の繰り返しによって(最初から最後まで一貫して不穏な空気に包まれつつも)極めて緩慢に形成されてゆくのであり、それが彼女の最終的な狂乱状態に説得力を与えるとともに、その長きにわたる「不穏さ」を味わう、という意味でのサスペンスの醍醐味を同時に生み出しています。が、映画の方は率直にそれが全体的に結構にアッサリしたものに変わっちゃってて、小説を存分に楽しんだ身からすると少しばかり物足りない、という感じなのですよ。 その意味で言うと、映画では特にグロース夫人との関係が非常に軽い描き方になってしまっているのがだいぶ気になります。ジェスルの幽霊がフローラにもグロース夫人にも見えなくて、結果フローラとの関係性が瓦解する場面というのは、同時に唯一の味方であったグロース夫人との協調関係が反転するという点で小説ではココイチ衝撃的な場面だったと言えるのですが、映画ではそれが残念ながらそーいうものにはなっていないのです。そういった部分も含めて(前述どおりかなり上質な映画化だとは言え)やや原作の持つ「ウリ」というものが分かり難くなっている映画、だとも言えるかと思うのですね。 とは言え、全体としてはまま悪くない出来だと思います。私の本当のオススメは小説の方ですが、こちらも決して観て損も無いかと。暇なら是非。[DVD(字幕)] 7点(2021-04-29 09:49:38)(良:2票) 《改行有》

92.  海底47m 古代マヤの死の迷宮 《ネタバレ》 ダイビング中で酸素が無い+サメ、という前作から引き継いだ優れた状況設定に、今作では海底洞窟の暗さ・狭さという不快要素も加わり、更にスリリングなシチュエーションになっている…ハズなのですが、なんでしょう、どーも緊迫感が維持されないというか、あまり盛り上がらないのですよね。登場人物が多いので(主人公のパーティだけで4人もいます)ショック描写の量は前作より増えていると思うのですが、総じてちょっとワンパターンで単調、ということかとも思われます(サメの襲撃シーンもそうですし、グロ描写もやや手控え気味かとも)。それでも終盤にかけては色々と工夫もあり、そこまで我慢できればそこからラストまではそこそこ面白く観れるのではないでしょーか。個人的には前作の方が好きです。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2021-04-19 18:36:51)(良:1票)

93.  コードネーム U.N.C.L.E. 《ネタバレ》 刑事もののバディものとゆーのはしょっちゅう見聞きしますが、スパイもののバディものとゆーのはちょっと物珍しく感じますね(流石にワタシ、元ネタのドラマの方は全く知らんもんで)。そしてこれも元ネタ由来というコトのよーですが、ワリと全編に渡ってコミカルさを強く押し出したという感じの作風で、ソッチの面は終始結構面白く観てゆけるのですが、その分、アクション展開の方を大いに盛り上げて派手にクライマックスいっちゃうよー!という感じでは全くないのですよね。個々のアクションには相当に面白いものも散見されるのですが(オーラスちょい前のカー&バイクチェイスは、撮影からナニからかなり斬新で率直にスゲェなコレ!と思いましたよ)、特にその後の終盤は正直あんまり盛り上がらずにアッサリと終わってしまった感があり、スパイもの、というアクションスリラージャンルのその部分に対する一般的な期待値から鑑みれば、スリルもカタルシスもやや物足りない、といっても過言でないよーに思います。 ただ、キャストが総じて非常に見映え美しい方々で構成されており、ソコは敵も味方も実に素晴らしく魅力が引き出されていましたね。ただただ美人とイケメンというだけでなく、ヘンリー・カヴィルは伊達男、アーミー・ハマーはクールでニヒル、アリシア・ヴィキャンデルはキュートな小悪魔、エリザベス・デビッキは凍れる美貌の大悪魔、とキャラクター・個性も彩り好く、各々の見せ場もバランス好く、かつルックス的には揃って全盛期とも言えるグッド・コンディションだったかと思います(加えて、衣装やメイクという面の見映えの方も十分以上なクオリティだったかと)。この豪華キャストのベストなルックスを残すべく(見映え重視で)製作された、という意味では、さほど退屈もせずにそこそこ面白く観てゆける程度の出来はある、というコトも含めて、地味に小さくない価値を持つ作品なのかも知れません。[インターネット(字幕)] 6点(2021-04-09 23:39:44)《改行有》

94.  マイ・サマー・オブ・ラブ 《ネタバレ》 身の上に「ワケ」の在るふたりの女子。彼女らがめぐり逢い求め合うひと夏の恋の物語、と思いきや…かたや本気、かたやは全てがつくりごとのO・A・SO・BI。非常にシンプルな「ガール・ミーツ・ガール」と見せかけて、実は非常にシンプルな「不均衡な恋」のお話、という。コレを彩るはエディット・ピアフの『群衆』。乱痴気騒ぎの挙句の失恋を歌い上げた名曲が添えられれば、思い返せば徒花の如き女同士の情交も昼夜の語らいも、ただ真夏の夜の夢、というコトなのだろう。正直「アレは何だったんやねんなお前!」とゆーのが私の感想の第一位。 とは言え、主演の女優さん2人は中々に爽やかで、かつ中々にエロくて好かったすね。中盤は思ったよりもだいぶんエロかったですし、この監督にしては珍しくハンディカム多用によって臨場感・生々しさの方まで鮮烈で。個人的には前述どおり、根っこのトコロで呆気無さすぎて拍子抜けてまうやろー!なタイプの話ではあれど、暇潰しには十分使えるかとも(尺もサックリですし)。[DVD(字幕)] 5点(2021-03-31 22:01:14)《改行有》

95.  レディ・マクベス 《ネタバレ》 フローレンス・ピューの初主演作になるのでしょうか。若いのに実に可愛げの無いふてぶてしい様相がかなりのハマリ役だと言ってよいでしょう。思ったよりも生々しいセックスシーンを含めた彼女の演技は力強さや冷たさ・キレを兼ね備え、それが本作に唯一と言ってよい「観る価値」というものをつくり込んでいる、というのは間違いの無いトコロかと思います。 しかし、話の内容はもはや陳腐、と言ってよいレベルのシンプルさ、加えて、フローレンス演じる主人公の「悪」としての存在にも、何というか「凄み」というものが感じられないのですよね。要は、彼女は自分の劣情の赴くままに場当たり的に悪行を犯してゆくだけであって、そこには知性というか手管というか、手に負えない厄介さというものが感じられないのですよ。なのに結局、最終的に彼女の勝利に終わるこのお話というのは、サスペンスとしてはもはや不可解と言う他の無いチープさ、だと言って過言ではない様に感じています。 善にせよ悪にせよ、それをそれと在らしめるものは「力」なのだと思っています。その裏付けのない悪というものは、ただ空虚ですね。[DVD(字幕)] 5点(2021-03-08 00:29:41)《改行有》

96.  エンゼル・ハート 《ネタバレ》 この作品、最後まで観るとコアなオカルトものなのですが、つくり自体はハードなサスペンスの雰囲気を強く醸し出しています。かつて初見時はサスペンスとして引っ張って結局オチはそっちかよ!となってしまったのが正直なトコロで、ちょっと肩透かされたというか少しモヤっと観終わった記憶があったのです。 しかし今回再見すると、オドロオドロしくもギリギリのラインでサスペンスに踏みとどまっている全体の空気感の恐怖・怪奇とリアリティの両立の具合が中々に高度な仕事なのだなあと感じたのですよね。オカルトとしても、悪魔に魂を売り渡すも更に恐るべき儀式でその悪魔から逃れようとする、というオチの部分は非常にユニークで面白いアイデアだと感じますし、巻き起こる陰惨な事件の数々も内容・描写ともに凄みと迫力が十二分です。やや展開運びにメリハリを欠く様にも思いますが、終盤は盛り上がりますし、観て損するということもない作品かと。そこそこオススメ。[DVD(字幕)] 6点(2021-03-03 19:00:20)《改行有》

97.  惹かれあいの法則/恋の法律 《ネタバレ》 ジュリアン・ムーア、ピアース・ブロスナンとそこそこ大物が出てるワリに、かなりパッパラパーなポンコツラブコメです。中盤、酔っ払ってノリで結婚しちゃいました!以降は、正直なぜそれがそーなってゆくのかが何から何までサッパリ分からなかったすよ(殊にジュリアン姉さまの感情の流れとか)。このジャンルで観終わって頭の中が?で埋め尽くされる、というのも、率直に中々オツなもんですね(嘘)。 まあでもワタシ、ジュリアン姉さんも結構好きなんですよね。知的美人な姉さんがビシッと決めた弁護士姿は中々素晴らしかったですし、それはブロスナンも同様です(極上にシブい)。この2人が好き!死ぬホド!という人なら、観てもギリギリ損はしないかも知れませんね。[インターネット(字幕)] 4点(2021-02-17 22:18:34)(良:1票) 《改行有》

98.  父の祈りを 《ネタバレ》 法廷もの・冤罪ものとしてはシンプルな筋で、基本的な部分は分かり易いしラストも十分に盛り上がるので、その時点で間違い無く良作だとは言えると思います。私も序盤から話に簡単に引き込まれ、ラストまでハラハラワクワクしながら一気に観終われました。 ただ、私は勝手にこのお話をジェリーの成長物語として観ていたのかもしれません。その観点からすると、意外とその部分はそんなに分かり易くもない、というか、特に父親が亡くなった後にジェリーが人間的に変化する、という側面は思ったホドは分かり易く描かれているワケでもないかと感じました。もう一つ、弁護士のピアースとの関係性もあまり掘り下げられてはおらず、そこら辺の人間や人間関係の描かれ方にはあまり深みというものを感じ取れませんでした。前述どおり総合的に良作であることは間違い無いと思いますが、人間ドラマとしては少しだけ浅いかもと。 とは言え、前半は父親のピート・ポスルスウェイトの落ち着いていながらも毅然とした様子が非常にグッドだし、彼の亡くなった後半も、代わって今度はデイ=ルイスとエマ・トンプソンの演技の質の高さが映画の緊張感を素晴らしく維持していきます。重ねて、総合的には良作だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2021-02-09 23:59:53)《改行有》

99.  蜘蛛の巣を払う女 《ネタバレ》 映画としての質感は多少似通っている様には思いますが、重々しいサスペンス・スリラーだった前作とは大きく異なる比較的単純なアクション・スリラーだという点からしても、お話としてはあまり続編であることに意味があるよーにも思えません。なので、その面の繋がりに価値があるのは当然キャラクターというコトになるのでしょうが、これとて俳優も総変わりしてますしキャラ設定・雰囲気自体もいくぶんの調整が入っている様にも思われ、正直あまり続編を観れた喜びを感じる部分を見出せませんでした。そのクセ、根本的な部分の設定は前作を前提として話が進むので(リスベットとブルムクヴィストの関係性とか特に)、結局前作を観ている人にとってはややガッカリしそうな設えなのに、観てない人にも不親切、というチグハグな作品だと感じられます。一番根本的な部分のマーケティング・コンセプトが非常に雑、というか(とは言え、監督・キャストを続投させられなかった事情がある中で、何が一番正解に近かったのかはよく分からないのも事実ですが)。 一点だけ、前作のマーラ・リスベットには迫力や凄み・クールさも然ることながら、どこかに若さ・幼さだとかガーリーな雰囲気を感じ取れた、そこがまた好かったと思っているのです。今作のクレア・フォイには残念ながらそーいう要素が皆無でしたね(年齢設定自体もやや年嵩になってるよーで)。当初主役に検討されていたのはアリシア・ヴィキャンデルだそーで、そっちだったらまた大いに違った作品に仕上がっていたのではないか…なんとも思いますね。[ブルーレイ(字幕)] 4点(2021-01-25 18:51:26)(良:1票) 《改行有》

100.  ドラゴン・タトゥーの女 《ネタバレ》 ハードな雰囲気は中々なのですが、肝心のサスペンス部分の純粋なクオリティはあまり高いと思いませんでした(結構在り来り)。かなり長尺ですが、雰囲気の良さもあってそれほど退屈もせずに眺めてはゆけるのですけど、そーすると尚更内容の物足りなさが際立つなあ、というのも事実で。個人的には率直に、やや期待外れだったと言っちゃいたいです。 要は、内容よりも実は更に肝心なリスベットの出来映え自体が、これも私にはイマイチ嵌らなかったということだとも思います。確かに非常にユニークかつ演技自体の質も最高レベルの優れたキャラだとは思うのですが、個人的にはそこまで魅力的(=このキャラだけを目当てに160分もじっと観てゆけるホド)だったかと言われると少し疑問が残る、というコトですかね(あくまで個人の好みの問題でしかないですケド)。 続編はしかも、そのルーニー・マーラは降板してるのですね…もうその時点で中々キツそうではありますが。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-01-18 17:11:17)《改行有》

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