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381. 遠い空の向こうに 子供がロケットで食べていこうと考えるなんて親としては当然反対するだろうと思う。あまりにも夢を追いすぎると思ってしまう。 現実に目を向けて真面目に働きなさいと親は考えるだろう。 しかしけっきょく一番大事なことは好きなことにチャレンジするということだと思う。 それが失敗しようが成功しようがとにかくチャレンジしたという事実そのものが大切なことではないだろうか。 最後にロケットに挑んだ少年たちの末路が紹介されたけど、そんなことはどうでもいいこと。 「私はそれを実行した」ということだけで成功失敗の有無に関わりなく、誇れる出来事じゃないか? 若いときの行動とは利己的なものではなくてこの映画の少年たちのように無謀と思えるくらい一途で純粋であって欲しいと素直に感じた。 成功すればそれは良いことだ。しかし大きな失敗を経験することも大事。 成功も失敗もしないで人生を終える人間に比べたら行動するということがいかに大事か分かると思う。9点(2004-11-21 20:58:08)(良:2票) 382. モーヴァン 《ネタバレ》 最初はトンデモ女だと思っていたけど、モーヴァンという女性にはリアリティがあるかもしれない。 恋人が自殺したのに驚きもせず、悲しみもせず死体を放置したまま夜遊びに出かけていくところなどは「異邦人」のムルソーを思い出させてそこで興味を持った。 また恋人が葬儀代金として残したお金を通帳から引き出してスペイン旅行に行くなど、一貫してモーヴァンにはモラルがないが、だからといってこの女性が良心というものが欠けている悪党にも思えない。 異常者にも見えない。 自分の心のままに行動しているように見える。 しかし多くの人間は神さまを信じないまでも何か見えない力というものを信じていて、それを恐れそれが良心を形成したり欲望の抑止力となる場合があるがモーヴァンにはそれがない。 だから彼女を見て虚無主義者だと感じる人もいるのかもしれない。 モーヴァンという女性の見方はさまざまだと思う。 ハリウッド映画のように娯楽的要素のまったくない映画だけど、感性に訴えかけてくるような作品。 それと主人公のモーヴァン役の女性はクールでタフネス、目が強く抜群の存在感だった。8点(2004-11-21 19:18:03) 383. ドーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 走るゾンビ以上に驚かされたのは人間たちの知恵の足りなさだった。ゾンビに囲まれたビルの屋上でSOSと壁にらくがきしていたが、そんな原始的なことをせずに携帯電話を使って助けを呼べばそれまでだ。 それに携帯電話を持っているなら向かい合うビルにいる人間とチェスするときも、わざとらしく紙に文字を書いて意志の疎通をしあう必要もない。 まるでゾンビ並みに知恵が回らない人間たちに唖然とする。 そもそも情報化の今の世の中でこのような設定で映画を作ること自体にムリがある。 さらに知恵がないだけではなくてモラルも持っていない。 あのゾンビを笑いながら殺しあうゲームをしているときは気分が悪くなった。 ゾンビと同様に人間たちも非人間的だったということ。 さらにあのゾンビ化した女性から生まれた赤ちゃん。 恐る恐る赤ちゃんの様子を確かめようとする主人公の場面。もちろん観客は赤ちゃんがゾンビではないかと思いながら見ている。 そのときになんと健康な正常な赤ちゃんだったらその意外さに驚き、そして救われたことだろうか・・。結果は当たり前のつまらないものだった。 こういう何気ない場面を見て、つくづく監督は最初からすべてを皆殺しにするつもりだったのだろうと思う。 モラルも人間性もなく、「殺す」という行為を楽しんで眺めるためだけの映画。 まったく救いがたい。 ゾンビが走るのが良くないとか歩くのが良いとかそんなつまらないことを考える余地が無いほどくだらなさが目立った。1点(2004-11-19 20:52:30)(良:2票) 384. セイブ・ザ・ラストダンス 《ネタバレ》 たしかにストーリーは巧いと感じたけど、映画というよりはレベルの高いTVドラマという印象を受けた。 娘が母親を失ってハーレムという未知の世界に乗り込むという興味深い設定なのだからもっと「ハーレム」という世界を中心に見せて欲しかった。 娘のほうも、踊りはうまいのだけど自分の父親に対する思いを見せて欲しかった。 ただ黒人ばかりのハーレムの学校の雰囲気が少し分かっただけでも良かった。黒人と白人の恋愛の難しさばかりではなく、バレエとヒップホップというまったく違う価値観を持った男女が結ばれるというストーリーはやはり新鮮だった。 もう少し面白くできたような気がするだけに学園ものとして終わってしまったのが残念。7点(2004-11-19 20:30:26) 385. 幻の光 「誰も知らない」の監督さんが、徹底的に暗さを追及して作ったような映画でした。 場面は夜が多く、着ている服も全編を通して黒が多かった。 舞台の能登も「これでもか!」というくらいに暗く撮られている。 実際に北陸に住んでいる私としては空の色がとてもリアリティがありました。障子や畳も暗さを際立たせていたと思う。 波の音は集音マイクで拾いすぎ! あんなにもうるさくないし。 いろいろ突っ込みどころはありますがよく作ってくれたと思います。 海辺の町という美しい雰囲気とはかけ離れているけどタイトルの意味が「不吉な光を発する海」ということだから仕方ないでしょう。原作は「死」を強調した物語でしたが、映画は「生」を描いていたと思います。もちろんこれは映画ですからそれで構わないと思いました。[DVD(字幕)] 7点(2004-11-14 18:22:44) 386. 花様年華 まず観ている最中に気を抜くと意味が分からなくなってしまうので注意が必要です。 この監督さんは、簡単なストーリーをこねくり回して意味もなく難しいものに作り変えてしまう天才だと思います。[映画館(字幕)] 8点(2004-11-14 18:03:00) 387. 北京ヴァイオリン ヴァイオリンとは小手先の技術ではない!感情の表現だ!というヴァイオリンの先生の言葉が響きました。 それに対して主人公の天才少年はまったくの無表情で顔色はとても悪いうえに、活力というか精気がまるで見当たらない。これを見始めたとき、「この少年はやばいぞ!」と思ったものだけど、しだいに彼が自分の感情を表に出していくところが分かりやすくてとても良かったと思う。 父親の親バカぶりということで「シャイン」を思い出した人が多いみたいだけど私は「リトルダンサー」を思い出した。 才能ある子供を愛しすぎると期待で壊れちゃうこともあるけど、一歩ひいて後ろから見守る父親の愛し方が印象的。 特に最後は圧巻だった。 涙を流して演奏する少年のヴァイオリンから煙が!? おい、ちょっとそれはやりすぎだー!と一瞬思ったけど「勢い」というものは凄いものでそんなことなど吹き飛ぶほど感動してしまった。 疲れたときに見る癒し系映画の代表作なのでぜひ見て欲しい。 [映画館(字幕)] 7点(2004-11-07 21:04:29)《改行有》 388. デイ・アフター・トゥモロー 想像を絶する氷河期が訪れて世界が破滅するようなスケールの大きい映画なのに、普通のオオカミとデスマッチする姿をみて、こっちのほうが寒くて凍死しそうだった。1点(2004-10-23 15:59:53)(笑:1票) 389. シービスケット 一番大きな問題は、「馬も走りたがっているんだよ」という恐ろしい人間の勝手な思い込みである。 物言わぬ馬には当たり前だけど選択する権利はない。 もしシービスケットが喋られるならばこう言うはずだ。「俺は骨折したら殺される運命だ。バカな人間のロマンのために、いつも嫌々走らされているだけなんだよ!」 そしてシービスケットが一番嫌いなやつはトビーのはずである。「トビーよ、てめーの骨折と俺の骨折じゃ全然意味が違うんだよ!甘えるんじゃねー。ざけんなっ!このクソチビが!」と思っているはずだ。 馬から見ればすべての人間は自分勝手なのだ。 そうやって怒っているシービスケットをトビーは「この馬は気性が激しくて僕とそっくりだね♪」なんて勘違いしているのだ。 馬に求める夢、ロマン、希望。それはすべて人間の妄想である。 馬が喋られないことを良いことに、自己解釈しているのだ。 この映画を観て、競馬に夢だの、ロマンだのほざく自己中心型の登場人物たちをみて、「競馬」に携わる人間の「偽善」という醜悪なものを強く感じた。 簡単にいうと、「お前ら嘘つけ!」ということである。[映画館(字幕)] 0点(2004-10-11 12:22:05)(良:1票) 390. コールド マウンテン 《ネタバレ》 この映画を見終えて真っ先に実感したことは、主演している人々も、舞台となるコールドマウンテンの大地もすごく美しいということだった。この作品のテーマは「美」だと思う。 映像はとにかく最初から最後まで美しい。DVDでぜひ観て欲しい映画。 象徴的な美しさを誇るコールドマウンテンは、あのルーマニアで撮影された。 視覚だけでもあの冷たい空気が伝わってくるようであり、こういう感覚を「厳粛な美しさ」と言うのだと思った。 そしてその美しさを際立たせる俳優たちがいる。 特にジュード・ロウの存在。 感情を表に出さずとも、内に秘めてた熱い想いがひしひしと伝わってくる。 盲目の老人と会話を交わした場面では「10分間でもいいから俺はコールドマウンテンに戻って愛する人と一緒にいたい」と言ったセリフにはジュードの想いが表われている。 ラストはジュードの死。 今考えると、ジュードはその10分間(つまり一瞬という意味)を手に入れるためだけに、苦難の逃避行の道を突き進んだように思う。 ニコールキッドマンやレニー、ナタリーポートマンは、表面的な外見の美しさだけではなく、強さと厳しさを秘めた内面の美しさが目を惹いた。 映画は全編を通して透明感が溢れている。 コールドマウンテンと南北戦争に翻弄される人々の果敢ない美しさが絡み合っている。 ストーリーは普通だけど、視覚に訴えかけてくる映像美は圧巻だった。8点(2004-10-09 14:50:08) 391. ギャング・オブ・ニューヨーク . 7点(2004-09-29 20:57:23) 392. ファインディング・ニモ 普通だったらこんな魚のアニメ映画など絶対に観ないのだけどピクサーということで観た。 「ファイティングニモ」というタイトルよりも「ニモパパの大冒険」にしたほうが良いかもしれない。母親の死によって極端に過保護になってしまった父親が子供を助けるための大冒険を通じて、だんだんと気持ちが変化していくところが見所でした。 それとモンスターズインクではとても可愛らしい女の子が登場しましたがこの映画に出てくる女の子は悪魔のようでした(笑) おけらだってアメンボだってみんな生きてる、友達なんだ♪ という生き物の大切さを子供の皆さんに伝えるメッセージもあるのかもしれない。 7点(2004-09-26 11:19:56) 393. サウンド・オブ・ミュージック この時代でここまでのミュージカル作品を作った事は評価できると思う。 この映画を青年期に観た方はさぞかし驚かれたのだと思う。 それが今に至っても薄れることのない感動として記憶に残っているのではないだろうか。 それが高得点につながっている。 そういうことはあると思う。私も今観て感動した映画は、時がたって映画が格段に進歩しても色あせない思い出として残るだろうと思う。[DVD(字幕)] 8点(2004-09-26 10:59:33) 394. 裸足の1500マイル その当時の白人は黒人を人間として見ていなかったようです。 だから「黒人という非人間に育てられている白人の血をもった子供を救おう!」という差別発想からこのような悲劇が生まれた。 白人たちは親から子供を引き離しているなんて思っていない。 あくまでも「人間」を救おうとしているという思い込みが強烈です。 おそらく、動物から人間を取り戻すという感覚だったのでしょう。 それは現代の目から見ると理解しがたい差別だけど、これが現実。 これは誰が悪いかを問いかけている映画ではないと思う。 動かしがたい事実を伝えるための映画だと思う。 白人だけが悪いというのではなく、これが人間が過去に行ってきた真実。 信じがたい実話でした。[DVD(字幕)] 9点(2004-09-20 11:04:34) 395. モンスターズ・インク 《ネタバレ》 ガーーン! びっくりした! こんなにも面白いなんてショック。シュレックのほうが有名俳優を声優に起用して話題を集め、実際に面白かったけど、それで満足していた情報不足の自分にショックを受けた。 まさかそのはるか上をいくアニメが存在したなんて知らなかった。 ピクサー? それもはじめて聞いた・・。 私の場合、CGにびっくりするよりもこの物語のストーリーの秀逸さにびっくりした モンスターの世界では子供は毒のような存在で触っただけでも危険だという思い込みで怖がる設定に引き込まれた。 背中に子供の靴下をくっつけていたモンスターが消毒されるところは久しぶりに大笑い。 そしていつの間にか子供を好きになってしまった主人公モンスターにほろりとさせられたし・・。 あのブーが死んだと思い込んでしまったときの気絶したようなモンスターの顔の表情が最高! 親友のギョロ目モンスターもいい味だしている。 あのひとりボケひとり突っ込みは面白すぎる(笑) 2人が人間世界に追いやられて仲たがいしたところの描写をもっと見たかったと思う。 誰かも言っていたけどこの映画はセリフが分からなくても充分にストーリーが分かるし、顔の表情やしぐさだけでも感動できる素晴らしい映画。 危うくこの映画を見落とさなくて良かったと思います。9点(2004-09-18 09:21:41)(良:1票) 396. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ 2001年「騙されたと思って観てほしい映画」のN01。ビデオパッケージのキモイ姿のヘドウィグをみて観るのを控えている人が多いのでは? 最初はとにかく不気味。しかしヘドウィグがロックを通して自分の半生を語っていくうちに、だんだんとあのルックスが気にならなくなってくる。最後はしっかりと「頑張れ!」と応援している。 このような不思議な感覚はスピルバーグの傑作映画「ET」いらいだった。「愛の起源」という歌もスバラシイ。「彼女」はロック歌手でありながら、さながら歌う哲学者といった深みもあって見所は充分だった。 傷ついたぶんだけ彼女は哲学者に近づいたのだと感じた。心に染みわかって日本人には受けるはずです。 ヘドウィックがロックを歌うと情緒が出てくるのが不思議。[DVD(字幕)] 10点(2004-09-18 08:28:09) 397. アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 とんでもない保険会社だ(笑) 誰もが私利私欲で動いているエゴイストだが、それが軽いので嫌悪は覚えない。 それにバクスターの不器用な恋愛に共感した。心の底では絶対にハッピーエンドになることを望んでいたので最後は大満足。 自殺未遂をした男運のない女性を演じたシャーリー・マクレーンもとても好感を持った。 あのトランプをやるシーンが、もの悲しくていい。この映画はコメディだけど、主役の2人は常に哀愁を漂わせているところがとても印象的だった。 誰もがこの2人に幸福になって欲しいと思わせる映画だと思う。 この映画には、どんなに仕事が優秀で地位が高く名誉を持っていても愛されない人間は価値がないというメッセージが込められていると思う。 テストで100点をとってもお金をいっぱい持っていても、そんなのは目的ではなく手段に過ぎないと思う。 人はときどき本当の目的を忘れてしまうときがあると思う。 バクスターは最後に気がついた。 テストで0点をとってもいいと思う。目的は点数じゃない。苦労してもバクスターのように好きな人から愛される人間になりたい。10点(2004-09-12 12:38:41)(良:1票) 398. 道(1954) 《ネタバレ》 アルコール中毒の夫や暴力を振るう夫から離れられない妻は「私がいなかったらこの人は駄目な人なの」という言い分が多い。夫には自分が必要不可欠という思い込みだ。 ジェルソミーナを見ているとそれを強く感じた。 これは他者に必要とされることで、自分の存在意義を見出そうとしている人に多い。 自分自身に対する過小評価のために、他者に認められることによってしか満足を得られず、そのために他者の好意を得ようとして自己犠牲的な献身を強迫的に行なう傾向がある。 自立した男女の愛ではなく、支配したり支配されたりのドロドロの関係である。 ジェルソミーナの場合は愛するよりもとにかく愛されたかった人だと思う。 彼女の生まれ育った境遇を考えるととても同情を覚える。 一見、ザンパノがジェルソミーナを支配しているようにも見えるが実は彼女がザンパノを支配していた。「支配」という言葉はそのまま「依存」に置き換えてもらったほうが分かりやすいかもしれない。 ザンパノの暴力は増し、盗みを働き殺人を犯し、この先どうなるかと思ったが皮肉なことだがジェルソミーナから離れたことによって彼は変わることができたのだと思う。 この先2人が共依存の関係を続けていても救いはなかったはずだ。 ザンパノが失ったジェルソミーナをあそこまで嘆き悲しむことができたのは唯一の救いだと思った。 8点(2004-09-11 10:58:23)(良:1票) 《改行有》 399. 名もなきアフリカの地で 父親がどれほど迫害されても自分の生まれ育った町に帰りたいという気持ちは分かる。母親も人間の弱さが見られて良かった。 ユダヤ人という民族は祖国がないものが多いからこのような悲劇はたくさんあるのかもしれない。 ドイツに住もうがアフリカに住もうがどうせ祖国なんて私にはないのだからどこでも暮せるわという娘はユダヤ人らしいかもしれない。7点(2004-09-05 14:42:20) 400. リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い もし主役のションコネリーが、ジキル博士のクスリを飲んだら心臓発作で即死だろう。1点(2004-09-05 00:26:30)
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