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601.  担え銃 第一次大戦を背景にしたチャップリンの初期作。初期作とあってまだ「独裁者」のようなメッセージ性はなく、この頃のチャップリンのほかの作品同様単純に見ている者を楽しませようとしている作品。繰り出される数々のギャグにずっと笑いっぱなし。中でもチャップリンが木に化けて敵地に潜入するシーンは特に最高だった。ペーソスあふれる人間ドラマのチャップリン映画もいいけど、この映画のようにギャグ一直線のチャップリン映画もやっぱり好きだなあ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-12-21 16:18:11)

602.  21エモン 宇宙へいらっしゃい! 《ネタバレ》 「21エモン」は小学生の頃に放送されていたテレビアニメをよく見ていた。本作はその10年前に作られた初アニメ化となる劇場版で、テレビアニメ化を経ずにいきなり映画化してるのが珍しい。それをテレビアニメを見ていたころから四半世紀以上経ってから初めて見た。「ドラえもん」以外の藤子アニメ劇場版は短編か中編というのがお決まりなのだが、本作は一時間半の長編で、前半がエモンやつづれ屋の日常、後半がエモン、モンガー、ゴンスケの三人の宇宙旅行という構成でメリハリが利いているし、なかなか面白かった。エモンやモンガーのデザインものちのテレビアニメ版とは違うのだが、今になって見るとこのデザインのほうがしっくりくる気がする。(でも、テレビアニメを見ていたころに本作を見ていたらきっと違和感を感じていたはず。)宇宙飛行士を夢見ているエモンが実家のホテルつづれ屋の将来のこともちゃんと考えているというのは、だだの夢見がちな主人公というふうになっていなくていいし、その両方を両立させるようなラストのエモンの提案もいかにも藤子F不二雄作品らしい発想。つづれ屋を買収するためにエモンの宇宙飛行士という夢を後押しするというホテルギャラクシー社長のしたたかさがなんとも言えないし、その社長が自分の策略によって宇宙旅行に出たエモンに命を救われるという展開はちょっと皮肉めいて感じた。このクライマックスの伏線になっているウキキの木が朝日を見るシーンが印象に残る。このウキキの木のエピソード中にドラえもんがカメオ出演的に登場しているが、同時上映は「ドラえもん ぼく、桃太郎のなんなのさ」だったとのことで、このシーンは双方に同じカットが使われているとのこと。こういうお遊びは楽しくて好きだ。音楽を藤子アニメではおなじみの菊池俊輔が担当していて、一部で「ドラえもん」のBGMも使われていて久々にアニメでこの人の音楽を聴けたのが懐かしかった。エモンの声を演じる井上和彦が歌うエンディングテーマがあまり藤子アニメっぽくない気がするのだが、それが逆に良かった。企画当初は本作の後にすぐテレビアニメ化の話もあったようだが、今になって実際本作を見た後に考えると、それが流れてしまったのがちょっと残念に思う。[DVD(邦画)] 7点(2019-12-10 18:35:11)

603.  狂った果実(1956) フランス・ヌーベルバーグの監督たちに大きな影響を与え、辛口の映画評論家として知られていたフランソワ・トリュフォー監督が絶賛したという中平康監督のデビュー作。日活の青春映画というと明るくはつらつとしていて健全な印象が強いので、本作には明るさがなく、暗くドロドロとした展開なのはある意味ではすごく新鮮だった。が、ストーリー的には退屈とまではいかないものの、あまり面白さは感じられずに終わってしまった感じ。この年、「太陽の季節」でデビューして2作目の映画出演にして早くも初主演の裕次郎がこの頃から抜群の存在感を発揮していて、既にスターのオーラがムンムン出ているのがちょっと驚かされる。津川雅彦も「ろくでなし」を見た時と同じく今とはまるで違った印象だけど、やっぱり二人とも中年以降のほうがいいなあ。衝撃的なラストにプラス1点。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-11-28 00:29:56)

604.  学校Ⅱ 前作同様いい映画だと思うけど、実際に養護学校に通ったことのある身からすると教師を美化しすぎのような気がしてやや違和感を感じた。西田敏行演じる教師の娘役が歌手デビュー前の浜崎あゆみだったのは後で知ったのだが、今と違ってけっこうかわいいのに驚く。ところで彼女がこの役に抜擢されたのは「釣りバカ日誌」の主人公 浜崎伝助(西田敏行)に関するネタだったのだろうか?。(いや、それはないな、さすがに。)[ビデオ(邦画)] 5点(2019-11-27 19:35:48)(良:1票)

605.  刺青(1966) 増村保造監督の演出は冒頭からいかにも増村節全開で、背中の刺青がものすごいインパクトを放っている若尾文子がここでも悪女役を熱演しているのだが、何か物足りない。宮川一夫の撮る映像の美しさや大映らしい西岡善信の美術も素晴らしく、完成度としては申し分ない出来の映画なのだけど、どうもこの若尾文子演じる主人公お艶にイマイチ魅力が感じられなかった。さっき書いたように若尾文子は見事な熱演ぶりであらためてこの女優にはこういう役がよく似合うと思いながらも同時にどこか違うと思ってしまった。まだ若尾文子が悪女を演じる作品はそんなに見ていないような気がするが、同じ増村監督とのコンビ作での悪女役なら「妻は告白する」の滝川彩子のほうがずっと魅力を感じる。増村監督の時代劇としては「好色一代男」に比べるとずっと彼らしい作品になっていただけに、この点だけは本当に残念だった。[DVD(邦画)] 6点(2019-11-26 23:51:22)

606.  戦艦大和 《ネタバレ》 「男たちの大和」などで参考文献としてクレジットされている吉田満の「戦艦大和ノ最期」を映画化した新東宝の映画。戦後八年という時期に製作されていて、大和を扱った映画としてはおそらくこれが最初の作品になるのだろう。実際に大和の副長だった人物が関わっていて、それだけで重みを感じるし、艦内の様子や雰囲気などもリアルに再現できているのではと想像できる。前半は出撃前の乗組員たちの人間模様を描いた群像劇になっているが、やはりそれも大和を扱った後年のほかの作品では意外とあまり見ないような感じで、少し違う印象を残している。それぞれのエピソードを深く掘り下げているわけではないのだが、やはり胸に迫るものがある。とくに、アメリカ出身の乗組員がいたことには驚かされた。彼の境遇を考えるとなにかやりきれない気持ちになってしまうのだが、彼にかけられる「たまたま生まれた場所がそうだっただけ」という言葉に救いを感じる。出航シーンなどの乗組員たちの落ち着いてどこか達観したような様子も実際はこうだったのかもと思えるもので、かえってリアルだ。大和のセットなどは明らかに書割と分かる部分もあって、今から見るとしょぼいの一言なのだが、後半の沈没に至るまでの特撮はけっこうがんばっているように感じた。この後半では、前半で乗組員たちの人間模様をたっぷりと見ていたおかげで、彼ら(とくに学徒兵を中心に。)がいかに死んでいったかが丹念に描写されている分、やはり悲壮感を感じずにはいられない。全体としてはドキュメンタリータッチの印象が強いものの、やはり、ドラマとしてよく出来ているからこそこの後半の壮絶さが活きているのだと感じることができる。製作当時(同時期には「原爆の子」なども作られていた。)は、大和の資料も少なかったと聞くが、その中で作られた本作はそれだけで意味がある作品だと思うし、やはり、原作者である吉田満(実際に大和に乗っていた人で、本作に登場する吉村少尉のモデル。)はじめ、本作に関わった全員に大和の悲劇を後世に伝えようという気持ちがあったことがひしひしと伝わってくる。今から見れば地味な映画かもしれないが、やはり、歴史的に考えると貴重な一本だ。[DVD(邦画)] 7点(2019-11-23 23:10:56)(良:1票)

607.  錆びたナイフ 《ネタバレ》 裕次郎主演のアクション映画。たぶんそんなに面白くないだろうと思ってあまり期待してなかったが、そんなにつまらなくはなく、まあまあそこそこ面白かった。裕次郎のほかに小林旭と宍戸錠が出ているので、日活三大アクションスター豪華共演という感じがしなくもないが、まだ二人ともそんなに知られてなかったのか裕次郎の引き立て役に終わっているという感じ。杉浦直樹が毒饅頭食べて死んだり、黒幕の男が座頭市みたく仕込み杖を武器に使うあたりは現代劇なのに時代劇を思い浮かべてしまい、つい笑ってしまった。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-11-23 15:37:47)

608.  舟を編む 《ネタバレ》 辞書編集という地味目の題材で、見る前は少し不安もあったのだが、見始めるとそれが興味深く、最後まですんなりと面白く見ることができた。また、主人公のマジメ(松田龍平)が自分の意見がうまく言えないようなもどかしい人物なのだが、辞書編集という仕事を通して生きがいを見つけ、変わっていくさまがとても感情移入できるし、主人公の周りの人物もみんな個性的で面白く、それも本作を飽きずに面白く見られた要因ではないかと思うし、松田龍平をはじめ、辞書編集部のメンバーを演じる俳優陣が全員ハマっていたのも良かった。笑いどころも多く、中でもマジメが惚れたかぐや(宮崎あおい)に宛てて習字でラブレターを書いているのにはすごく笑ってしまったが、見ていて同じ三浦しをん原作の「ウッジョブ 神去なあなあ日常」でも強烈な告白シーンに笑ってしまったので、原作を知らないながらここで同じ原作者であることを強く感じた。異動前に西岡(オダギリジョー)が自分の体験から考えた「ダサい」の用例も思わずクスっと笑ってしまう。ただ、15年間の出来事を描いているためか、マジメとかぐやの恋愛やタケ(渡辺美佐子)の最期などもっとじっくりと見たかった部分もあったのは確かで、その辺は原作やアニメだとどうなんだろうと感じてしまうのも事実。演出としては平凡な印象があるが、松本(加藤剛)が亡くなるシーンを直接的に描かなかったのは正解だったと思う。一つの辞書を作るのには細かな作業と長い年月が必要ということがよく描かれていて、そのあたりを知るにはとてもいい映画だ。劇中に登場する猫の名前がなんとも松竹らしい。[DVD(邦画)] 6点(2019-11-10 21:59:25)

609.  ルパン三世 1$マネーウォーズ<TVM> 《ネタバレ》 テレビスペシャル第12作。今回は敵である銀行頭取が女性であることがやや斬新に感じるし、その頭取が戦争を利用して金儲けを企んでいるところなどは妙にリアルに感じる。ルパンとのラストの対決もみごたえがあり、女は殺さないがだからと言って容赦はしないというルパンのキャラクターがよく出ていて、テレビスペシャルほかの作品ではここらへんがブレているものもあるのでテレビスペシャルではけっこう貴重かもしれない。ただ、ルパンとこの頭取の対決は確かに面白いのだが、ほかのゲストキャラの印象がイマイチで、ナビコフなんかはわりと好きそうなキャラクターだっただけに少々勿体なく感じた。登場人物を絞ってルパンと頭取の対決をもっと全面に出しても良かったと思うのだが、30分枠なら可能でも90分のスペシャル版だとほかにいろいろ要素を入れる必要があり、難しいのかもしれない。(でも、今回の五右衛門が宗教にハマるエピソードは削ったほうが絶対良かった気がする。というか、五右衛門いつもこんな感じだし。)それを考えるとやっぱりテレビスペシャルよりも週一レギュラーの30分アニメのほうが良いなと感じてしまう。[DVD(邦画)] 6点(2019-10-26 23:18:26)

610.  海底軍艦 《ネタバレ》 小学生の頃、マンダ目当てに見たが、出てきてすぐに凍ってしまい、あまり活躍しなかったのが残念。ストーリーも戦争とか絡んで小学生(当時の自分が頭悪かっただけかもしれんけど。)が見るにはちょっと難しかった。でも轟天号はやっぱカッコよかった。[ビデオ(邦画)] 6点(2019-10-16 08:58:26)

611.  富士ファミリー2017〈TVM〉 《ネタバレ》 シリーズ第2作。前作が良かったので見る前は少し不安な面もあったが、そんな心配はなく、むしろ前作を見ているのもあって最初から安心して楽しむことができた。今回も富士ファミリーの面々の日常がコミカルに描かれているが、その笑える中にも前作同様に人間の不器用さや弱さがサラリと、でも、しっかりと描かれているところにこのシリーズの良さがあるし、とても見ごたえのあるドラマになっている。今回、笑子ばあさん(片桐はいり)が幽霊のナスミ(小泉今日子)に聞いた生まれ変わりの合言葉である「おはぎちょうだい」が物語のキーワードになっていて、この言葉がそのまま今回の「生まれ変わり」というテーマにつながっている構成だが、それがなんとも心地よく、見ているうちにこの何でもないような言葉を聞くだけでこちらもなんだか元気に、そして前向きになれる気がしてくる。今回も笑子ばあさんは面白く、冒頭から笑わせてくれていて楽しいのだが、老人クラブで戦時中に白い飯を食べていたと自慢した男(鹿賀丈史)とけんかになった数日後に二人で富士山の見える公園でおにぎりを食べているシーンは思わずしんみりウルっときて、非常に良いシーンだった。また、その直後に炊飯器を開けた鷹子(薬師丸ひろ子)が「炊き立てのご飯ってきれいだな。」と言うシーンを入れるのも印象的で、演出としてもうまかったと思う。その鷹子が有名な占い師になった中学時代の友人(YOU)に再会し、昔のわだかまりを解くエンドロール直前のシーンも良い。また、今回はナスミと新人幽霊(羽田圭介)のやりとりも描かれているが、その会話の中にもサラリと胸にくるような言葉が多く、これも心に残る。そのナスミの分のおはぎを前にした笑子ばあさんの独り言も本気でナスミのことを心配しているのがよく伝わってきて切ない。誰かに必要とされることの大切さや、生まれてきたことのありがたみといったメッセージをストレートに発しているが、今回もそのメッセージがじゅうぶんに伝わり、見て良かったと思えたし、自分はこういう人情喜劇がやっぱり好きなのだろうと感じた。もうドラマとしての続編はないかもしれないが、できればまたやってほしい。見終わっておはぎと炊き立ての白いご飯が食べたくなったことを最後に記しておく。[DVD(邦画)] 8点(2019-10-14 14:40:06)

612.  富士ファミリー〈TVM〉 《ネタバレ》 薬師丸ひろ子と小泉今日子、それに片桐はいりの共演にミムラと高橋克実も出ているというこのキャストだけを見れば「あまちゃん」や「梅ちゃん先生」が浮かんでしまうが、もちろんこの2本の朝ドラとは全く無関係なNHKの正月ドラマ。実は木皿泉脚本ドラマを見るのが初めてだったのだが、素直にとても面白かった。富士山のふもとにある小さなコンビニを舞台に、そこを経営する家族の人間模様を描いた人情喜劇で、笑える中にも人間の弱さや孤独といったものをサラリと描いていて、深みがあるし、生きている、ここに存在していることの素晴らしさを感じさせてくれる。そのメッセージがやや直接的すぎる気もするが、じゅうぶんに胸に刺さり心に残った。登場人物の中ではやはり笑子ばあさん(片桐はいり)が面白く、冒頭の食卓を囲んだ富士ファミリーの面々との会話や、幽霊になったナスミ(小泉今日子)とのやりとりが笑わせてくれるのが楽しい。でも、やっぱり、笑子ばあさんとマツコロイド(元は日テレのバラエティー番組に出てきたアンドロイドらしい。)のやりとりが上記のメッセージも出てきて印象深い。鷹子(薬師丸ひろ子)に20年以上同じ日にプロポーズしている雅男(高橋克実)が、ほかの人と結婚するので新居をコーディネートしてほしいと鷹子に頼むのも見え見えなのだけど、それが逆に安心して見ていられる。さっきも書いたが、本当に面白い、見てよかったと思えるドラマだった。続編もあるようなのでそちらも見てみようと思う。[DVD(邦画)] 8点(2019-10-06 23:33:01)(良:1票)

613.  未来のミライ 《ネタバレ》 アカデミー賞ノミネートで話題になった細田守監督の新作。まず、既に指摘されてる方もおられるが、主人公の4歳児の声が不自然で違和感を感じてしまうのが残念で、しゃべり方もなんか子供らしくない。この4歳児 くんちゃんが妹 未来が生まれたことにより、赤ちゃん返りで駄々をこねるシーンが多いのだが、それがちょっと不快に感じる。そんな彼が未来を受け入れるまでが主題のようで、それが主題なら「クレヨンしんちゃん」のひまわり誕生直後のしんのすけが赤ちゃん返りするエピソードのほうが良かったと思えてしまう。(実際、そのエピソードはすごく感動した覚えがある。)また、「未来のミライ」というタイトルでありながら、未来からやってきた未来の存在感が薄く、このタイトルにも違和感を感じずにはおれない。「おおかみこどもの雨と雪」や「バケモノの子」のように話を詰め込みすぎていない分は良かったが、いまいち何が言いたいのかよく分からない映画で、結局今回も面白くなかった。本作は細田監督に子供が生まれたことをきっかけに作った映画だそうだが、ひょっとして細田監督は自分の子供の可愛さを本作を見る人にも分かってもらおうという意図だけで作ったのかもしれない。だとしたら非常に押しつけがましい映画だと感じる。見る前は自分にも4歳と生後4か月の甥っ子がいるので、少しは身近に感じられるかと思ったが、ダメだった。[DVD(邦画)] 4点(2019-09-30 17:32:24)

614.  ルパン三世 ルパン暗殺指令<TVM> 《ネタバレ》 ファーストシリーズの初期の監督だったおおすみ正秋監督を迎えたテレビスペシャル第5作。さすがにファーストシリーズのような渋さはないが、いつものテレビスペシャルに比べればある程度はハードボイルドを感じさせる作風で、作画もきっちり丁寧に作り込んでいるあたりにおおすみ監督のこだわりのようなものを感じられるし、テレビスペシャル最終回の予定で企画された作品でのおおすみ監督の起用にも最後に原点回帰を狙おうという製作側の意図が感じられる。しかし、次元とゲストヒロインの過去の因縁が描かれているのだが、その話にもう少し深みが欲しかったところでそこが物足りないし、そもそも「ルパン暗殺指令」というタイトルなのに次元が話の主軸になっているのはなんとなく違和感があるのも本当のところ。敵であるジョン・クローズを演じる野沢那智はこの間見た「生きていた魔術師」では役者の無駄遣いに感じてしまったが、本作ではハマっていてこの人らしい悪役演技が楽しい。(まったく関係ないが本作放送の翌日に劇場公開された「クレヨンしんちゃん」の劇場版第1作「アクション仮面VSハイグレ魔王」の悪役であるハイグレ魔王の声も野沢那智だ。)それにルパンが山田康雄なのでこの二人の共演を見ているとクリント・イーストウッドやマシリトの新旧対決に見えるという少しマニアックな楽しみ方もできる。冒頭のルパン専任捜査を解任された銭形がルパン、次元としんみり酒を飲むシーンは妙な味があって良いし、印象にも残る。ルパンも銭形も声が弱々しく、そのうえ、ルパンと次元が序盤で「老後の計画」とか「年を取った」とか言うので演じる声優たちのことをリアルに考えてしまった。とくに山田康雄に関しては既に最晩年に近く、(この翌年に放送された「燃えよ斬鉄剣」が遺作。)この頃から体調が良くなかったんだろうなと考えるとこの序盤は見ていてつらいものがあった。[DVD(邦画)] 6点(2019-09-29 19:34:35)

615.  ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間― 1話15分ほどの短編3本で構成されたスタジオポノックのオムニバス映画。米林宏昌監督の「カニーニとカニーノ」。行方不明になった父親を捜しに行くカニの兄弟を描いているが、セリフが全編カニ語という本作オリジナルの言語というのがユニークで面白いし、それでいながらもちろんストーリーもきちんと理解できるつくり。「メアリと魔女の花」で感じたようなジブリっぽさも本作ではあまり感じなかったのも良かった。それに映像も美しい。ただ、主な登場人物だけが擬人化されたふうで、その他大勢のカニは普通のカニなのは気にならないでもなかった。でも、「メアリと魔女の花」よりはぜんぜん面白かったと思う。百瀬義行監督の「サムライエッグ」。卵アレルギーの小学生男子と母親を描いているが、三本の中ではいちばん身近に感じられる。アレルギーの怖さがリアルに描かれていて、アレルギーを持つ子供を持つ家庭の日常がよく伝わってくる内容になっているためか、アレルギーとは無縁の自分が見ても胸にくるものはあった。確かに無防備な部分もあるのだが、学校での食物アレルギーの授業などにも使えそうな作品にもなっていると思う。山下明彦監督の「透明人間」。透明人間を題材にした作品だとSFを思い浮べるが、この作品は誰にも相手にされず、周囲から孤立しているような男を透明人間に例えているようで、主人公のデザインもそのまま透明人間に描かれている。そんな男の孤独が描かれているのだが、これまでの2本と違って大人向けな感じで雰囲気も良く、三本の中ではこの話がいちばん良かった。全体的に3本とももう少し長く(30分くらい)しても良かった気はしないでもないが、ポノックはいきなり下手に長編を作るよりも、まずはこういった短編をいくつか作っていって期が熟したあたりでまた長編を出せばいいと思う。「ポノック短編劇場」と銘打っているので、シリーズ化もあり得るかもしれない。[DVD(邦画)] 6点(2019-09-21 23:32:59)(良:1票)

616.  ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密<TVM> 《ネタバレ》 今回はモロッコを舞台にしているが、ルパンがヒロインであるララと砂漠をラクダに乗って移動するシーンは絵柄もよく、印象的だったし、流砂での二人のやりとりも良かった。女性キャラクターの露出シーンが多いのも、子供に媚びず、あくまで大人向けのアニメを目指しているようで、今回、テレビスペシャルのシリーズの監督では今のところ唯一脚本にも参加している杉井ギサブロー監督はファースト以前のアニメ化企画段階に参加していたとあっていつものテレビスペシャルとは傾向の違う作風も納得。でも、全体的なストーリーとしては物足りない部分も多いのはいつものテレビスペシャルと同じ感じなのである意味安心。五右衛門と同門のオカマの殺し屋である貞千代を野沢那智が演じているが、やっぱり最初にアニメでこの人の名前を見たのがハイグレ魔王だったせいか、洋画の吹き替えではブルース・ウィリスやアル・パチーノのイメージがあるのに対して、アニメだとこういう役がよく似合うイメージで、この役もよくハマっている。ルパンの声がクリカンに代わって間もない頃の作品のためか、ルパンが物まねをするシーンが多いのも、シリーズ的には少し違和感があるものの、まだクリカンもスタッフも試行錯誤の中でクリカンらしいルパン像を作っていこうというのがよく見えて興味深い。昔リアルタイムで見た時はララを演じる久川綾が歌う主題歌をバックにララが踊るエンドロールがものすごく印象に残ったのだが、やはり今見ても今回はこの部分がいちばん印象に残る。(2018年11月8日更新)[DVD(邦画)] 6点(2019-09-20 23:09:59)

617.  あ、春 《ネタバレ》 相米慎二監督による松竹のホームドラマ。確かに相米監督の映画としては息抜き的に手がけた感があり、ほかの相米監督の映画で感じられるような力強さや癖の強さといったものがなく、オーソドックスな松竹の人情喜劇的な色合いが強い。ストーリーは死んだと聞かされていた佐藤浩市演じる主人公の父親(山崎努)が突然現れたことによる騒動を中心に、登場人物たちの日常を淡々と描いていて明らかに地味なのだが、それが心地よく、最後まで飽きることなく見ることが出来たし、素直に好きなタイプのいい映画だと思う。しかし、あまり見たというわけではないのだが、相米監督の初期作である「セーラー服と機関銃」、「魚影の群れ」に比べると丸くなりすぎているような気もしてやや物足りなさを感じるのも事実といえば事実。ところで、相米監督のこの映画の前作である「夏の庭」と同じく人間の死をテーマにしていて、偶然かもしれないし、考えすぎだとは思うが、今にして思えば相米監督はこの頃から自らの死というものを意識していたのかもと勘ぐってしまう。キャスティングに目をやると、「夏の庭」に出演していた三國連太郎の息子である佐藤浩市が次作である本作で主役を演じているのは面白いし、富司純子、藤村志保という東映、大映のかつてのスター女優が共演しているのも見どころの一つ。父親を演じる山崎努も良かった。[DVD(邦画)] 6点(2019-09-18 17:36:45)

618.  木枯し紋次郎 関わりござんせん 《ネタバレ》 中島貞夫監督による菅原文太主演の映画「木枯し紋次郎」シリーズ第2作。中村敦夫のテレビシリーズで映像化していなかったエピソードを描いていた前作に対し、オリジナル脚本となっているらしい本作では、紋次郎(菅原文太)と生き別れの姉(市原悦子)の再会を軸にしたストーリーとなっている。この市原悦子扮する姉なのだが、これがいかにも市原悦子という感じのキャラクターになっていてすごくハマっていて、とても印象に残るし、また、そんな市原悦子が演じるからこそ、逆にこの姉の悲しみや哀れみが演じる市原悦子の演技から感じ取れるのがよかった。紋次郎と知り合ったもう一人の男(田中邦衛)とのエピソードもうまく絡めてあって、ドラマとして面白く、個人的には前作より良かったと思う。冒頭からなにか虚無的な雰囲気が漂っていて、それだけで紋次郎の孤独さが伝わってくるのだが、最後に紋次郎が斬った敵の一言が、それをさらに強調してそのまま終わるというのがなんともいえない余韻を残していて、良い。文太紋次郎はこれで終わりなのだが、後年、菅原文太がテレビシリーズを手掛けていた市川崑監督の映画に何本か出ているのは偶然かもしれないが興味深く、市川監督の映画で菅原文太と中村敦夫の共演見たかったとつい思ってしまった。それから、実現しなかった菅原文太と市原悦子の「東京家族」も本作を見たらどんな映画になっていただろうとも考えてしまった。[DVD(邦画)] 7点(2019-09-13 22:42:34)

619.  秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン 《ネタバレ》 「秘密戦隊ゴレンジャー」の劇場版で、テレビシリーズのブローアップではないオリジナル作品。それだけあって舞台である四国・松山でロケをしているなどテレビシリーズと比べて少し豪華な印象。キレンジャーが二代目だったり、火の山仮面マグマン将軍の次の幹部であるゴールデン仮面大将軍が出ていて製作時期も分かりやすいものの、今まで見たテレビシリーズのブローアップ版に比べてそれほど楽しめなかった。登場する怪人に必殺技であるゴレンジャーハリケーンがきかないという設定なんだけど、タイトルの爆弾ハリケーンの繰り出し方も普通で別にタイトルに持ってくる必然性がないように感じた。二代目キレンジャー 熊野大五郎はテレビシリーズでは初代の大岩に比べてあまり印象に残っていないキャラだが、この映画ではメンバー中でいちばん存在感が薄いように思う。好きな人には悪いんだけど、やっぱりキレンジャーは初代の大岩がいい。[DVD(邦画)] 5点(2019-09-11 21:49:33)

620.  木枯し紋次郎 《ネタバレ》 「木枯し紋次郎」といえばテレビシリーズをちゃんと見たことがない(「帰って来た木枯し紋次郎」は鑑賞済。)自分でも中村敦夫(それに上條恒彦の主題歌。)というイメージがあるのだが、テレビシリーズがヒットしていた最中に東映で作られた本作は、テレビシリーズとは無関係の作品のようで、菅原文太主演の中島貞夫監督作。このころの東映には珍しい時代劇だが、もうこのころには任侠映画に陰りが見えていろいろ模索してた時期なのかなと思って見たりした。内容はテレビシリーズに配慮して原作の中でテレビシリーズで映像化されていないエピソードを映画化しているとのことだが、スケールの大きな噴火シーンや、カメラワークなどに映画らしさを感じるものの、ストーリーとしてはなんかありがちな時代劇という感じで正直それほどでもない感じで、どこかテレビ時代劇のような感じもしてしまうのが事実。菅原文太演じる紋次郎はニヒルな存在感が漂っていて、それほど悪くはないと思う。でもこれはさっきも書いたように中村敦夫のテレビシリーズをちゃんと見たことがないというのも影響しているのかもしれない。(いつかちゃんと見てみよう。)その紋次郎と盃を交わす男を演じるのが小池朝雄というのがいかにも分かりやすいが、やはりこの人の時代劇における悪役はいつもハマっている。ヒロイン役の江波杏子が二役を演じているが、そのことをオープニングのクレジットで明記しないほうが良かったのでは。文太紋次郎はもう一本あるようなので、そちらも見てみよう。[DVD(邦画)] 6点(2019-08-31 22:53:00)

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