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プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

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721.  ザ・バンク -堕ちた巨像- 《ネタバレ》 主人公が戦う相手であるところの悪の組織が「銀行」、ってのが、なかなか不思議な設定でピンと来ない部分もあるのですが、実在した銀行をモデルにしてるもんだから(これをちょっとモジっただけの劇中の銀行名からも明らか)、仕方ないっちゃあ仕方ない。というより、そういう社会派っぽい複雑な背景を匂わせることで、複雑な事件の解明よりも、「何が起きるかわからない」という雰囲気作りに軸足が置かれており、これがサスペンスとアクションにうまく繋げられています。国際犯罪らしく、舞台が世界各地を転々とするのも見どころ。 冒頭の車内でのミラーを介したやりとりによる不穏な空気、事件の証人の突然の死。これまた突然ナオミ・ワッツに襲いかかる犯人のクルマ。中盤の暗殺シーンなど、狙撃の描写自体の緊迫感だけにとどまらず、事件を二段構えの構造で描くことで、事件の謎の深さ、悪の根深さ、みたいなものも感じさせます。 そして何と言ってもあの、美術館における壮絶極まりない銃撃戦。それまでの静かな緊張感との対比、まさに空気が一変、いや、激変。その修羅場の中でも、映像アートが淡々と流れていて、対比を際立たせます。 正直、社会派作品に対する期待をもって本作を観てしまうと、あまりしっかり整理されておらずに肩透かしの印象を持つことになるかも知れないですが、むしろ、社会派の枠組みだけを利用して、巨悪の持つ不気味さを描いている点、「上手い」と言ってよいのではないでしょうか。 エレベータ内のシーンでは、カメラが主人公たちを正面から捉えたその奥には鏡があって、背中から鏡に映った彼らの前には(そこにあるはずの)カメラではなく、「エレベータの閉まったドア」が確かに存在している。こういうのも、なかなか心憎いです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-21 17:48:52)《改行有》

722.  ホワイト・ラブ 百恵さんと友和さん共演の「10作目」記念、なんだそうで、それがどれくらいおめでたいことなのかは私にはよくわからないのですが、とりあえずオメデトウゴザイマス。 初期の文学作品路線よりは、「らしい」役柄になってるし、スペインロケ敢行で異国情緒は盛り込まれてるし、もちろんちょっとドキドキのシーンもあったりして、いや、さすが、10作目記念だね、と、心にもないことを言ってみたりしつつ。 待たせているタクシーの運転手にクラクションを鳴らされても、あるいはCMの撮影現場だか何だかでツマミ出されかけても、どこ吹く風とマイペースを貫く友和さんが、百恵さんには振り回され気味で、そういったあたりの演出が、「らしさ」をよく出しています(それにしてもアレは、CMの撮影なのか?モデルのオバチャンはセリフ付きで演技しているが、それを撮影する岸田森が覗いているのは普通の写真用のカメラ?)。 後半はいよいよスペインロケ。クライマックスには牛追い祭りが登場、猛牛の群れから逃げ惑う人々の中に、百恵さんの姿、いや彼女の服とカツラを身に着けて凄まじい勢いで全力疾走する代役のオッサン(?)の姿が。もしかしたら単に、全力疾走のオッサン(?)の牛追い映像が先にあって、ドラマ部分はこれと似た服を百恵さんに着せて撮影したのかもしれませんが。いずれにせよ、なかなか不気味ではあります。しかし、その後に続くのは、さらに輪をかけて笑撃的な、オドロキの展開。いや、笑っちゃダメなんですよ、ホントは。 それにしても、もう少し可愛げのある子役はいなかったんですかねえ。ただただ、痛恨です。[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-11-15 06:37:18)《改行有》

723.  ゴールデン・チャイルド エディ・マーフィって、映画で良いコンビなりトリオなりが組めるといい味出してるんですが、単独だと薄っぺらい感じしかしなくって、どうもパッとしない。だもんで、売れ出した80年代にして早くもスランプに入っていたような印象が(一体何がどう星の王子なんだか。ブツブツ・・・)。 あと、80年代と言えば特殊効果の発展著しく、コマ撮りはゴーモーションの導入でよりスムーズな動きとなり、映像の大胆な合成も可能となり、他にも特殊メイクにアニマトロニクス、CGも少しずつ導入されて、もはやSFX表現できないシーンなんて無いんじゃないか・・・とか思ってたら、あれよあれよという間に発展したCG技術にすべてが呑み込まれてしまい。 80年代ってのは私の10代とほぼ重なるので、体感的には結構長かった気がしてしまうのですが、改めて振り返ると、アッという間に現れ、消えていった、妙な時代だったんだな、と。 というワケで、パッとしないエディ・マーフィが、主演と言いつつグダグダで、何をするでもなくただお寒いギャグを連発し、そこに、いかにも80年代でゴザイマスという特殊効果が、あまり脈絡もなく盛り込まれた映画、それが本作。だから、相当レベルにハズしまくってる印象は拭えないんですけどね。 でも、そういうデタラメさ、自由さが、なんか80年代らしいなあ、とか、何とか。[CS・衛星(吹替)] 6点(2020-11-12 21:18:46)(良:1票) 《改行有》

724.  アルゲリッチ 私こそ、音楽! かつて天才少女と呼ばれたアルゲリッチだけど、このドキュメンタリ作品の「撮り手」である彼女の娘にしてみれば、そんなのは自分の生まれるずっと前の話。若き日のアルゲリッチがプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番をガシガシ弾いてる映像が挿入される。一方では、すっかり貫禄満点にお成り遊ばした今のアルゲリッチがリハーサルでショパンのピアノ協奏曲第1番を弾いてて、これまでさんざん弾いてきて隅から隅まで知り尽くした曲だろうに、まだ何かを模索して「わからんわからん」を連発してる。 娘にとって、どちらが、アルゲリッチの姿、なのか。 おそらくはどちらもがアルゲリッチであって、しかしそれ以上に、「自分の母」としてのアルゲリッチの顔が、そこにある。実の娘でないとなかなか撮れないような、私的な表情の数々が、印象的。 なので、本作、音楽ドキュメンタリというよりも、家族の姿を映像として気まぐれに切り取ったような、個人的な感触の作品となってます。ただ、自分の母親が、特殊な立場の人間であった、というだけ。だから馴染み深い母でもあり、どこか不可思議な面を持つ母でもあり。 別府アルゲリッチ音楽祭に招聘され、新幹線の車内でチラシ寿司をパクつくのも母なら、和風の宿で思い出を語るのも母、そして演奏前にナーバスになっているのも、母の姿。 特殊と言えば、3人姉妹がみな、父親が違っていて。母娘4人が揃うと確かに皆、それなりに顔立ちは似てるけど、長女は明らかに東洋系の血を引いているし、次女はむしろシャルル・デュトワに気の毒なくらいソックリだし(笑)。三女が一番、母親の若い頃に似てますかね。そしてこの3人娘の中心に、かのアルゲリッチが、居る。 奔放な母の姿の一方では、いかにも生真面目な父・コヴァセヴィッチの姿もそこにあって。この組み合わせがこれまた、不思議なんですな。 音楽を聴く我々からすればどこか、演奏家ってのは演奏するために生きてるんだ、みたいな無意識の思い込みがあるんだけど、でもこうやって、通常人とはいささか異なれど、彼らには彼らの生活があり人生があり、家族がいる、というアタリマエの事を見せられると、なーんか、しみじみとしてしまいます。 ところでアルゲリッチと言えば、私にとっては、学生の頃に買ったバッハのCD(トッカータ ハ短調、パルティータ第2番、イギリス組曲第2番)が、今もって愛聴盤でして、彼女らしい録音ともバッハらしい録音とも言えるのかどうか、と思いつつ、やっぱりこの演奏の魅力には逆らえず、名演奏だと思っております。とか言ってると、本作の最後にもバッハが流れるのですが、演奏は彼女ではなくコヴァセヴィッチなのでした。ははは。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-12 20:21:52)《改行有》

725.  ワイルド・ストーム どうして何の関係もないこの作品に、「ワイルド・スピード」をパクったような邦題を付けてるんだろう、と思ったのですが、そういやワイルド・スピードの第1作の監督が本作と同じロブ・コーエンなんだっけ、と、今、気づきました(ワイスピ第1作なんてもう、色んな意味で、あまりに「遠い過去」なもんで・・・)。 という、いかにも安そうな邦題の作品ですが。まず冒頭、ハリケーンの被害により父を失った兄弟。やがて大人になった彼らのうちの1人は、ハリケーンの研究者らしきことをやってたりなんかして、ああ、きっとコレ、亡き父の弔い合戦のごとく、2人が巨大ハリケーンに立ち向かうオハナシなのだな、と思っちゃうのですが、これがどうして、さにあらず。2人が立ち向かう相手は、廃棄処理前の使い古しの札束を狙う強盗団。超巨大ハリケーンが迫る中、その暴風や気圧差をチャッカリ利用して、強盗どもを蹴散らすオハナシでして、冒頭のエピソードが見事なまでに、どこにも繋がっていないんです。 さらに、強盗団が侵入するこの施設、警備員がいっぱいいるんだけどあえなく、ほぼ全員、彼らにつかまっちゃう。で。強盗どもは彼らを檻みたいなところに閉じ込めたはいいけれど、どうも彼らのことを持て余し気味、というより、映画の脚本家自身が、彼らの存在を持て余し気味で、妙に扱いが悪い。もうちょっと何とかうまく、彼らもストーリーに絡ませてあげられなかったものか、と。ただ一人、とっ捕まらなかったオネーさんだけが、例の2人と一緒に、敵に立ち向かう。 悪党どもとの戦いと、迫りくる超巨大ハリケーン。なにせ超巨大過ぎて、「んなアホな」という現象を例のごとく次々に巻き起こしたりもするけれど、とにかくこの「豪華2本立て・いや豪華じゃないけど合わせて一本」、という趣向が、うれしいではないですか。 暴風+札束、とくれば、きっとお札が風にのって撒き散らされるシーンがあるんだろうな、と誰しもが持つ期待も、しっかり裏切ることなく、お札はもちろんのこと、色んなモノを風で吹き飛ばしてみせてくれます。 アクションとスペクタクルのつるべ打ちに、もう、お腹いっぱい。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-11-09 21:22:16)《改行有》

726.  女帝 春日局 《ネタバレ》 どういうワケだか、この十朱幸代という女優さんには、「タイガー炊飯ジャー」のイメージしかないんですけどね。その彼女の主演作。 確か、NHK大河ドラマによる春日局ブーム(?)に乗っかった作品ではなかったっけ。となるともう、例によって例のごとく、東映の岡田社長が「パクれ」という指示を出したとしか思えなくなってしまうのですが、とりあえず本作では、家光の乳母である春日局が実は彼の実の母親でもあった、という設定で、将軍三代目の世継ぎ争いを盛り上げます。 なにせ映画の冒頭が、関ケ原後の小早川秀秋、なんていう、誰もが知ってそうで知っていないトリビアから始まるもんで、興味津々。炊飯ジャー以外の十朱幸代には違和感しか感じられないものの、それを補って余りあるドラマが展開されます。タイトルは「女帝~」ですが、実際は女帝になるまでのオハナシ、エピソード0、春日局・ザ・ビギニング。 彼女を手籠めにして家光を孕ませる家康(つまり秀忠と家光は兄弟ということですな)、スケベさと貫録が同居したこの役柄は、まさに若山富三郎ならでは。年老いたヨボヨボ感を出しつつも、ラスト近くで春日局と対峙する際にスクっと立ち上がる姿などは、ちょっと惚れ惚れします。 往年の東映時代劇を偲ばせる大がかりなセットも見どころですが、さらに、映画の要所要所に配置されて印象的なのが、蝋燭の炎。蝋燭こそがこの映画の隠れ主人公、と言っても、よいのでは。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-02 21:48:03)《改行有》

727.  テキサス このテの役を演じさせるんなら、アラン・ドロンじゃなくってやっぱりジュリアーノ・ジェンマだろう、と思っちゃうのですが、きっと、ジェンマはマカロニで忙しかったんでしょう。アラン・ドロンがヒマだった訳でもないとは思うけど。 でも、暇つぶしに出演したんじゃないか、と言いたくなるくらい(あるいは、これこそジェンマにうってつけの作品だと言いたくなるくらい)、テキトーな映画です。 だから、見始めてしばらくは、こらアカンのちゃうか、とか思ってたんですけどね。 それがもう、見てるうちに、すっかりハマってしまって。いや、面白いんだこれが(笑)。 なにせ、展開が早いというか展開がデタラメというか、5分後にはオハナシがどうなっているかわからない、5分前にはオハナシがどうだったか思い出せない、という状況。 エロいとまでは言わないけれど、多少はお色気も散りばめていて、先住民の娘の着ている先住民服が、もう完全に、太腿の横にスリットが入りまくったチャイナドレス状態。こんなの、アリかよ。もちろん、アリです!? ディーン・マーチンとの噛み合わないコンビぶり、本当にどうでもいい四角関係、我々も負けてはならぬとウケ狙いに走るコマンチ族。ここまでデタラメでホントにいいのか?と思ってたら、まさかまさかのズバリと決まるラストのオチに、意表を突かれて。 いや、参りました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-11-02 20:25:56)《改行有》

728.  フィフス・ウェイブ 《ネタバレ》 宇宙人侵略モノ、としてはちょっと変則的に攻めてみた、つもり、らしいのですが、これがまたナンともカンとも。 冒頭、すでに侵攻が始まっているらしく、サバイバルの「現在」が描かれ、そこから過去に遡ってこれまでの経緯を手際よく描く、という構成ですが、「手際がいい」と言うよりは、単なる横着のようにも感じられてしまう。単に経緯をかいつまんで説明しているだけで、かつての平和な日々、平和な家庭が失われる哀しみは、これといったエピソードも伴わずに、ただ主人公の号泣のみに押し込められてしまう。ここでただ泣いてみせたって、何の意外性も無い訳で。こういうのを見せられるとつい、所詮は演技、現実世界の悲劇には到底太刀打ちできないよね、と思っちゃう。フィクションの悲劇を「かいつまんで説明」してもらっても、何の感慨も起こりません。 で、その後がさらにヒドい。軍隊が出てくるのはいいけれど、その背景もロクに描かれず、「我々は何でも知ってます」という説明口調に終始して、すべてがウサン臭いことこの上無し。これじゃあ何だか、宇宙人と戦っていると言いながら実は、真相は〇○が△△だったりしてね、ウヒョヒョ、とか冗談で思っていたら、何と本当にそれが真相だった、というオチ。これには逆に驚かされました。トホホ。 そんでもって物語は、ほどほどのところで終わって、評判良かったら続編作るかもよ、例によって3部作とかにしちゃうかもよ、という流れ。いや。無理でしょ。[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-10-31 02:30:59)《改行有》

729.  風立ちぬ(1976) 堀辰雄の「風立ちぬ」を映画化。ってアレ、こんな話だっけか。 いや、戦前に書かれた小説ですから、戦時下が舞台の訳がありませんね。そこは映画化におけるアレンジ。 それにしても、三浦友和・山口百恵コンビの文芸路線も4作目ですか。見事に同じようなことをやっていて(特に、前年の『絶唱』と何が違うんだろうか)、ある意味、感心させられます。 それに、これだけ悲しげなオハナシを、これだけ悲しげに描いている(はず)なのに、これっぽっちも泣けそうな気がしない、というのも、これもある意味、感心しちゃうのでした。[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-28 21:45:35)《改行有》

730.  ザ・スクワッド 冒頭、あまりカタギのようにも思えない連中がクルマに乗ってどこやらに向かってる。と、実は彼らは刑事で、まさに手入れに向かっているところだった、というオープニング。 で、劇画調のタイトルがあって、続くシーンではこの刑事どもがあまり中身の無さそうな会話をポンポンとかわし合っている。 何だか、タランティーノみたいな事をやりたいんだろうか、なんて思っていると雰囲気が一変して、刑事のリーダー格らしき初老のオヤジ(ジャン・レノ)の不倫めいたロマンスとなる(「めいた」は余計ですかね)。 映画の中に色々な要素を詰め込むのは結構だと思うんですが、なにせその一つ一つが、どうも踏み込みが足りず、しかもどこか既存の作品のパクリっぽい感じがして。 やがて街中での銃撃戦となって、それなりに気合が入ってはいるけれど、既視感は拭えず、さらに敵の連中がいかにもアリガチなマスクを被っているもんだから、既視感に追い打ちをかけます。「とりあえず見よう見真似で色んな要素を少しずつ齧ってみました」的な、主張の弱さ。 何となく感じるのは、感傷的なジジイのロマンスと激しいアクションとを同居させてみました、ってコトなんでしょうけれど、その点での意外性の前に、そもそも関心が大して湧いてこない、というのが正直なところではあります。[CS・衛星(吹替)] 5点(2020-10-28 21:23:58)《改行有》

731.  日本沈没(1973) 最初の方で小松左京さんが登場するシーン、なんだかやたらニヤつきながら画面を横切っていた、という印象があったんですけれども、今回、久しぶりに観てみたら、意外にニヤついてなかったなあ、と。そういや左京さんはもともとがこういう顔立ちなのであった。 中盤には監修の竹内均先生ご本人が登場しますけれども、かつてテレビでよくお姿を拝見していた頃の印象からは、たしか声がもう1オクターブくらい高くなかったっけ、とか思っちゃうのですが。もしかして歳とともにだんだん声が高くなっていって、ついにあのエキセントリックな境域に達したのでしょうか? まあ何にせよ、竹内先生の解説はさすが、とてもわかりやすいですね。 ・・・ってのはいいんですが、本作、映画全体がどうも解説くさくなってしまってるのが、ちょっとかったるい。SFであると同時に社会派作品、でもあるのでしょうが、成り行きの描き方が、どうも事務的、とでもいいますか。もうちょっと藤岡弘(、)には活躍して欲しいところで、小林桂樹の暑苦しい顔と丹波哲郎の暑苦しい存在感でこの尺を乗り切ろうとしても、ちと長すぎる感。 もちろん特撮の方は東宝作品だけのことはあって、そして中野昭慶氏だけのことはあって、ミニチュア撮影の粋を凝らし、さすがに気合が入ってます。人間が火だるまになるスタントも交え、なかなかのスペクタクル。 だけどやっぱり、沈む日本列島全体をそのまんま俯瞰で描写してみせるのは、何度見ても、無理があるなあ、と思っちゃいます。そんな映像を出すよりは、誰もが知っている日本各地の名所を水没させてみせるようなシーンを描いた方が、効果的ではなかったのかな。 ラストシーンは、とてもイイんですけどね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-24 03:58:37)《改行有》

732.  ボーダーライン(2015) 麻薬組織と捜査官との戦いを描いた作品、なんだろうけれど、主人公のエミリー・ブラントが終始、蚊帳の外に置かれたような立場であるのが、この作品の一風変わったところ。だもんで、ストーリーがあるような無いような。だけど、ひたすらヤバい、ということはヒシヒシと伝わってきます。そして、実は、思ってたよりもさらにヤバかった、という展開に。 作品にモヤモヤとしたつかみどころの無さみたいなものがある分、クライマックスはなかなかに衝撃的です。 ベニチオ・デル・トロの存在がやたら不気味で、まるで、深奥からこちらをのぞき込んでくるような表情。闇に引きこもうとするような、あるいは逆に光をはねつけるかのような。 終盤近く、部屋にいる彼の後ろのキッチンに灯りがともっていて、その分、手前にいる彼の表情には影が差しているのだけど、彼が主人公の方に近づいてくるとき、それはより明るい側へと歩み寄っているにも関わらず、彼の纏う闇はさらに色濃くなっていて、その表情もまたさらに闇に閉ざされる。 日常と闇の世界との境界、というものを象徴的に描いたような作品でした[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-23 21:30:54)《改行有》

733.  イコライザー2 1作目みたいな夜の雰囲気というか、あるいは黄昏の雰囲気、そういうのはあんまり無くって、そういう意味じゃ特徴が薄れた作品になったように、前半は思ってしまうのですが、クライマックスは嵐の中の死闘となって、俄然、盛り上がります。わざわざこんな嵐の中で戦わなくても、と思えば思うほど、盛り上がるもんです。 あと、今回の作品で重要なテーマとなるのが、知り合いの若者との交流。こういう、主人公が強すぎる映画は、代わりに危機に陥ってくる人間がどうしても必要になるのですが、その人物を魅力的に描いてくれると(その人物自身が魅力的かどうかはともかく、主人公との交流を魅力的に描いてくれると)、物語も魅力的になるもんです。 最後に残された、壁面の絵。ちょっとやり過ぎじゃないかね~と思いつつ、やり過ぎくらいが、ちょうどいい。[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-10-21 21:51:46)《改行有》

734.  ザスーラ 『ジュマンジ』の続編と言ってよいのかどうか、宇宙冒険モノに置き換えただけの同工異曲、ハッキリ言ってそのまんま。いや、『ジュマンジ』の面白さが、事件がドンドン積み重なって騒動が加速度的に広がっていく点にあったことを思うと、この『ザスーラ』はその点はやや弱いんですけどね。 でも、それでも面白いのが、この映画。二番煎じの作品すらこれだけ面白くしてしまうなんて、つくづく『ジュマンジ』って、偉大だな。ドウェイン・ジョンソン主演のヘンな続編の存在を差し引いてもなお、偉大なんだなあ。 で、この『ザスーラ』ですけれども、ゲームの駒を進めるだびに古ぼけたカードが飛び出してきて、その安っぽい感じと、その後登場する、ロクでもない「何か」とのギャップが楽しくって。その「何か」はいつも、外からやって来る。何がやってくるのかというワクワク感。いきなり展開するSF的世界。ただ、実際にはそのSF世界にはどこか安っぽさが漂っていて、チープさという点では、実はあの古ぼけたカードともシンクロしているような。 で、ゲーム開始早々から、騒動全開。舞台となっている邸宅を、ひたすら破壊しまくる。いきなりこんなに壊して、家が持たないのでは、と心配になるくらいに壊しまくり、しかも破壊はどんどん加速する。このペースで破壊が進むと、映画の途中で家の外観は元の形状を全く留めないであろう、という予想とは裏腹に、どういうワケか、家は外観を保ち続け、だけど破壊もまた容赦なく進んでいき、際限のない破壊と、それを受け止め続ける、宇宙空間を漂う邸宅。ハッキリ言えば、デタラメなんですけどね、しかしそのデタラメさが実に痛快。 宇宙飛行士の正体、なんかも、ほとんど説明を放棄したような強引さで、でも納得させてしまう。このヤンチャな勢いの良さは、『ジュマンジ』に勝るとも劣らない、と言ってよいのでは。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-21 21:22:26)《改行有》

735.  日本ダービー 勝負 実在の調教師をモデルに、彼の半生記を描きつつ、日本ダービーの歴史そのものも描く作品となっています。実在の人物をモデルにしているとは言っても、主人公の名前は少し変えられており、オハナシの方はおそらく相当変えられていることと推察されます。 この主人公を演じているのが三橋達也、ってのが、東映作品にしては珍しく、頑固一徹の調教師を演じつつ、彼の盟友役の若山富三郎と丁々発止のやりとりを見せてくれます。 しかも彼の弟子が高倉健であったり菅原文太であったり、彼の息子が梅宮辰夫であったり、と、今見りゃ脇役陣がえらく豪華。いささか収まりが悪い。高倉健の奥さん役には、いつのまに結婚したのやら気が付いたら藤純子。細かいコト抜きに、じゃんじゃん時代が進んでしまう、大味な作りになってます。 ところどころに挿入される競馬の映像が、過去に行われた実際の日本ダービーの貴重な映像なのか、それともそれっぽく見せてるだけのニセ映像なのか、ワカリマセンけれども、これという演出もなくレースの様子をロングで捉えた映像だけでは、あまり迫力が伝わらず、もどかしいところ。 で、さらに本作の奇妙な点が、時代が下って現在(1970年)の日本ダービーが近づくにつれ、最近のレースの模様ばかりが紹介されて、主人公のことはほったらかし同然となってしまう。何だコレ、伝記映画かと思ったら、「今年の日本ダービーに乞うご期待」という、壮大な前フリ、壮大な宣伝だったのか、と、ちょっと唖然としてしまいます。 ま、別にイイんですけどね。イイんですけど、でも、あまりに唐突に映画が終わるもんで。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-19 21:40:37)《改行有》

736.  ベイビー・ドライバー 主人公が音楽を聴いてるだけで、実際には歌わない、口パクだけのミュージカル。その音楽に乗って、カーアクションがテンポよく繰り広げられます。主人公は銀行強盗をクルマに乗せて逃がすだけの仕事なので、強盗シーンなども描写が省略され、とにかくテンポよく進みます。コインランドリーの洗濯物たちも、映画の中で踊ってる。 ただ、次に狙う郵便局へ下見に行くシーンでは、沢山の監視カメラが映されたりするものの、主人公と一緒に下見に行った少年に瞬時に状況を把握させることで、下見シーンを大幅に省略してしまう。確かにテンポはいいけれど、さすがにちょっと、味気ない。映画でちゃんと描写されない警備なんて、あって無いようなもの。観てて、どうでもよくなってきちゃう。 おそらくは、後半、主人公の彼女が事件に巻き込まれてしまうのか・・・という部分を中心に描かんがために、他の部分を省略しているのかも知れないけれど、それにしては、ここに至ってなお、もうひとつハラハラさせてくれないのは、どうしたもんだか。 あと、アクションを音楽とシンクロさせるのはいいけれど、銃撃戦の銃声まで音楽に乗せると、ここまでシラけるものか、というのは、ちょっとした発見でした。銃撃戦が台無し、といっても過言ではないですな。思えば、チャイコフスキーが「1812年」においてラ・マルセイエーズとともに大砲を鳴らす場面で、4拍子の音楽に3拍ごとの砲声を重ねたのは、さすがというべきか。[地上波(吹替)] 6点(2020-10-04 15:16:11)《改行有》

737.  極道の妻たち 最後の戦い 《ネタバレ》 岩下志麻の関西弁がヘンだ、という声がどうしても出てくるんですけれど、そして実際、一作目の時はどうしてもそういう印象を持ってしまうんですけれど。しかし、彼女が主演に復帰した、このシリーズ第4作。やっぱりみんな、この独特の関西弁を、待ってたんじゃないの?と思えてくる。 この不思議なイントネーションで発せられるセリフは、彼女がいくら演技しようと、無感情なセリフと化してしまうのですが、そもそも彼女が演じるこの姐さんに、常人の持つ感情など不要。彼女には常に迷いがなく、常に自分がこれからすべきことを熟知している。まさに、極道界における神のような存在ですな。 夫役の小林稔侍は、刑務所に入っている間こそ、まるで鶴田浩二のような趣きを感じさせるのに、娑婆に出てくると二流、三流感が出てきて、これもいかにも小林稔侍らしい、というか。 かたせ梨乃は、ええと、これは、一体どういうイメージなんですかね。ははは。迷彩服って・・・。 岩下志麻が刀を自分の足の甲に突き刺す場面は、名シーンと言っていいでしょう。抜き身の刀を突きつける小林稔侍、その彼とのやり取りが上半身の動きで描かれる中で、突如、刃が足元に向かう意外性と、その衝撃。 ただ、足を大怪我しちゃったもんで、肝心のクライマックスで動きが悪くなっちゃう、という代償を払うことになりましたが。 ラストシーンでは(なぜか)背後から警官隊に乱射され、これはクライマックスで活躍できなかったお詫び、ということでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-04 14:40:41)《改行有》

738.  依頼人(1994) 《ネタバレ》 少年が森の中で、今にも自殺しようとしているオッサンと出くわし、マフィアが上院議員を殺してその死体をどこに隠したかを聞いてしまう。この冒頭のサスペンスとヤな感じに満ちた演出で、いきなり、我々を映画に引きこんでくれます。このシーンに限らず、子供の視点が、映画にうまく生かされています。 で、少年が死体のありかを知っているらしい事にFBIが気づき、何とか少年に喋らせようとするものの、話せば家族にマフィアの魔の手が及ぶ恐れがあり、少年は女性弁護士の元を訪れる。 なんでこんなにFBIが悪役にされて邪険にされなきゃいかんのか、ってなトコロでもあるのですが、なにせそれを演じているのがトミー・リー・ジョーンズとかJ・T・ウォルシュとか、いかにもコワそうなオジサンたちで、そのコワそうなオジサンたちが和気あいあい捜査をしているのを見ると、さらにコワそうに見える。もうこれだけで、邪険にされるには充分でしょう。 スーザン・サランドン演じる弁護士も、優秀さ一点張りではなく、彼女なりの暗い過去を持っていたりして少年とのやりとりにドラマをもたせ、彼女と少年、なかなか絶妙の凸凹コンビぶり。 死体を探しに少年がボートハウスに侵入すると、どういうワケかドアの内側に南京錠が掛かっていて、オイオイ何のためのカギだよ、誰がどうやってこのカギをかけたんだよ、ってなトコロでもあるのですが、これ以上に「内側から鍵がかかっていること」を一目瞭然に我々にわからせる演出は無いワケで、だからきっと、これで、いいんです。 ラストもちょっと粋で、いいですね。[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-10-03 17:51:24)《改行有》

739.  アパッチの怒り なんでも、もともと3D映画として作られたとかで、なるほど、だからやたらと岩だのナイフだのがカメラに向かって投げつけられるワケですな。 白人の価値観を受け入れ、白人と融和を図るのが良い先住民だ、という物語自体が、製作当時の時代の限界と言えばそうなのかも知れないけれど、はたまた白人の俳優が肌の色を塗って先住民の役をやるというのも時代の限界なのかも知れないけれど、それにしても、ロック・ハドソンが妙にこの役にハマってます。やや白人に都合のよい人物像とは言え、異文化の存在らしい得体の知れなさはしっかり感じさせるし、無表情かつ精悍な顔立ちが、意志の強さを感じさせもします。やはりここには確かに、先住民側からの視点で描いただけのことはある、新たな世界が広がっています。 アクションも、岩場を転がり落ちるような危険なスタントもあったりして、しっかり見せ場を作ってます。無理に3Dにしなくても、充分ですな。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-10-03 17:23:09)《改行有》

740.  片目のジャック かつてマーロン・ブランドとカール・マルデンが銀行強盗を働き、マーロン・ブランドのみが取っ捕まって、カール・マルデンは彼を見捨てて逃亡した。数年後、マーロン・ブランドは脱獄するが、向かった先で出会ったカール・マルデンは、保安官となっており、妻と義理の娘との3人で幸せに暮らしていました、というオハナシ。 だったらそれでいいやんか、何で結局モメてしまうのか、いまいちよくワカランような気もするけれど、よくワカランから面白い、ような気もします。 で、さらにマルデンの義理の娘とマーロン・ブランドが恋仲になってしまう、というドラマ展開。なんだかこうなってくると、西部劇というより、古代ローマとかを舞台にした史劇でも見ているような気分になってくる(ついでに「ムチ打ちの刑」なんてのが出てくるから、さらにその気分に輪をかける)。 この物語の題材が、西部劇に向いているのか、どうなのか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-03 17:00:47)《改行有》

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