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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 幻の湖 《ネタバレ》 カルトでおバカな映画は数あれど、90年以上の歴史を持つ東宝映画の中でも屈指の地位にある本作は、おバカ映画として観るにはちょっとハードルが高いんですよね。世に数多あるおバカ映画は上映時間が長くてもせいぜい90分、ところが本作は2時間40分も尺がありますからねえ。自分は結果的に三回に分けて鑑賞しましたが、やっぱこれが正解、通して観たら終いには精神状態が不安定になりかねないヤバさがありました。 日本映画の歴史にその名を刻む大脚本家である橋本忍の三作目の監督作なりますが、どうしてこんなことになってしまったのか溜息が出るばかりです。そもそも本作のプロットが生まれたのは、『八甲田山』のロケ現場でブナの木に話しかけた(?)ときに一枚の絵が脳裏に浮かんだのがきっかけだったそうで、もうそこからどうかしています。『八甲田山』という一種の映画的な狂気が渦巻いていた撮影現場に身を置いたことで、すっかりその狂気に憑りつかれてしまったんじゃないでしょうか。一応シナリオは纏め上げたけどさすがに「こりゃあ、あかん…」と自信喪失して製作中止も考えたけど、プロジェクトとしての進行は止められなかったとのこと。東京と琵琶湖畔で二回も尺をとって延々と見せられるマラソン追跡劇は有名だけど、普通は端折るだろうというような車の移動に尺を使ったり随所に冗長極まりない描写が多くて、橋本忍の監督としての力量にも疑問符がつきます。ヒロインの南條玲子も1,600人のオーディションを勝ち抜いてデビューとなっていますが、あまりに素人じみた演技で驚きます。まあ現役女子大生がヌードも披露のソープ嬢役でデビューというのもちょっと可哀そうですけどね。宇佐美彰朗にマラソン指導させたのはいいけど、もっと演技指導に力を入れてください(笑)。とにかくこのヒロインがどう考えてもメンヘラ女としか見えないのが致命的です。 この映画のキャラたちは薄っぺらくて行動にリアリティが無さすぎるところは致命的。雄琴でソープ嬢をしている米国の情報機関員(?)の女なんかが登場しているのがその代表格。でも唐突に始まる戦国時代編には、北大路欣也や関根恵子をはじめ大物俳優がキャスティングされているし、現代編と比べてしっかり演出されてはいます。芥川也寸志のサウンドトラックも無駄に格調高いんですが、彼はこの映画がこんな珍作になるとは予想してなかったんじゃないかな。 やっぱいちばんズッコケるのは、ヒロインが愛犬の仇を琵琶湖大橋上に追いつき「シロ、勝ったよ~」と歓喜してからの敵討ち、たぶん予備知識なしで映画館で鑑賞していたら自分は発狂していたと思います。そのあとの科学考証でたらめな宇宙遊泳のシーンなんて、このバカバカしさと比べたら可愛いもんですよ。[CS・衛星(邦画)] 1点(2025-03-10 21:47:47) 2. ランボー 《ネタバレ》 シルベスター・スタローンと言えばロッキーかランボーかというぐらいランボーのキャラ・イメージが強いけど、第一作がスタローンが主役に決まるまでのゴタゴタは色々あったみたいです。ランボー役候補だった男優は、イーストウッドに始まりジェームズ・ガーナー、アル・パチーノに加えてなんとダスティン・ホフマンまで、彼らすべてに断られた挙句にスティーヴ・マックイーンには受けてもらえそうだったけど、彼の死によっておじゃんに。おまけにトラウトマン大佐役もカーク・ダグラスにオファーするけどこれも失敗。当時ヒット作に恵まれてなかったスタローンに決まったのは、プランBどころかプランFぐらいだったみたいです(笑)。たしかにこの第一作はその後のランボー・シリーズと大違いで、けっこうカタルシスには遠い暗いストーリーなので、ドル箱スターたちに断れまくったのは納得できます。 たしかに言えるのは、このベトナム帰還兵のジョン・ランボーという男は、PTSDだかなんだか知らいないけど何が目的で暴れたのかは理解不能です。もっともランボーが保安官に眼をつけられて逮捕されるのもまったく理解できない、米国の田舎では地元民じゃない人間というだけでしょっぴけるというのも衝撃。ストーリーはここからノンストップで進行してゆくので息もつけないけど、考えて観ればおそろしく単純なお話ですよね。終盤ではガソリン・スタンドごと町の中心部を吹っ飛ばすし、いくら元グリーン・ベレー隊員と言ってもあれだけの武装警官に囲まれれば射殺されちゃうでしょ。でも80年代スタローンのアイコンとなったM60機関銃を腰だめで撃ちまくる姿を見せられれば、こいつなら一個師団相手でも生きのびそうな迫力に圧倒されます。またこの映画は、主要キャラには男性しかいない男臭いお話でもあります。原作小説ではランボーはトラウトマン大佐に射殺されて終わるそうですが、完全にPTSD発症で廃人のようになって連行される本作のラストも、なんだかなあと言う感想になっちゃいます。 米国では興業的には失敗作となりましたが、スタローンが乗っ取ったような形で続編が撮られてヒット・シリーズになるとはこの時点では誰も予想しなかったでしょうね。でも自分はアメリカン・ジャスティスの権化と化した不死身のランボーよりも、孤独に苦しむ本作のランボーの方が好きです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2025-02-25 22:57:40) 3. ウォール街 《ネタバレ》 今やウォール街ヤリ手投資家のアイコンともいえるゴードン・ゲッコー、彼は別に証券マンじゃないけどこの映画が公開されてからこのマイケル・ダグラスのスタイルや話し方をまねる証券マンや投資銀行家が、未だにウォ―ル街では絶えないそうです。彼にとっても唯一オスカーノミネートを果たして主演男優賞をゲットした当たり役、他の映画でビジネスマンを演じるとどうしてもゴードン・ゲッコーの影を見てしまうという困った影響すらあります。ゲッコーの「強欲はGood、社会を発展させる源で正義である」という哲学は、あまたいる大物投資家たちの決して口にはできない本音、ウォーレン・バフェットだって心の中ではそう思っているはず。 オリヴァー・ストーンの父はウォール街の仲買人だったそうで、ハル・ホルブルックが演じたキャラには父親が投影されているみたいです。きっと株屋の息子だったストーンにはどうしても撮りたい題材だったんじゃないかと思います。ブラックマンデー直前のウォール街の証券会社の雰囲気は、今となってはレトロとしか見えないPCの画面や証券マンたちの営業活動など業界に身を置いた人には懐かしくなるでしょう。ゲッコーとバドがやったことはインサイダー取引と相場操縦、そりゃあSECに眼をつけられるのは当然至極でしょう。バブルに浮かれまくっていた日本ではインサイダー情報を使って稼ぐのが会社から評価されるできる証券マンで、「インサイダー取引ってなに?それって美味しいの?」ぐらいの意識しかなかったのが今から考えると恐ろしい。チャーリーとマーチンのシーン親子の共演は泣かせるところだけど、この親子のストーリーはちょっと類型的な感じは否めなかったかな。まあとにかくこの映画はマイケル・ダグラスの一世一代の名演がすべてだったと思います。 意外なことに本作はアカデミー賞およびゴールデン・グローブ賞においてマイケル・ダグラスの主演男優賞しかノミネートがないんです。もちろん彼は両賞ともゲットしましたが、面白いことにゴールデン・ラズベリー賞の最低助演女優賞でダリル・ハンナが受賞しているんです。実は同一作品で両賞ともに受賞した部門が出たのは、この映画だけなんですって。[CS・衛星(字幕)] 8点(2025-02-04 23:06:38) 4. マネキン 80年代を代表する(のかな?)ラブコメのひとつなのに、今まで観てなかったのは自分でも不思議なくらい。あの名曲“Nothing's Gonna Stop Now”が本作の主題歌だったことも知らなかったぐらいです。「批評家からは酷評されたのに、これほど大衆に愛された映画も珍しい」といわれるぐらいで、確かに脚本やストーリーテリングのイージーさはまるで中坊が妄想をシナリオにした様な感じですから(笑)。まあ女性のマネキンを見てドキッとしたり惹かれる経験は、男の子なら誰しも大なり小なりあるもんですからね。80年代ですから当時はやりのMTVのミュージック・ビデオを長編化させたような雰囲気は、もう懐かしい限りです。アンドリュー・マッカシーもジェームズ・スペイダーも若々しいし、キム・キャトラルのキュートぶり(この時すでに31歳だったというのも驚き)も目の保養だけど、今じゃこの人たちも立派なおっさんやおばさんになっちゃったのは感慨深いところがあります。この映画をSFというのはちょっと苦しいけれど、やっぱ80年代SFラブコメには外れなしですよ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2025-01-19 21:49:32) 5. 俺たちは天使じゃない(1989) 《ネタバレ》 1955年のオリジナルも昔に観ているけど、これは全然別物といった感じです。まず短いシークエンスながらも、脱獄に成功するまでの刑務所の生活が怖い。隊列を組んで作業に向かう囚人たちの姿は、まるで『メトロポリス』の地下世界みたいです。カナダとの国境に面しているという設定である川沿いの町は、修道院も含めてなんとすべて一から造ったセットなんだというから驚き。デ・ニーロとショーン・ペンという二大演技派の競演は見応えがあるし、二人の組み合わせは19年後に撮られた『トラブル・イン・ハリウッド』の二作しかないので貴重です。ペンの演技スタイルというとキレやすい粗暴なキャラ(実際の本人もそうらしい)というイメージがあるけど、悪事は働くけどちょっとオツムが弱い根は善良なキャラを演じるのも上手い役者で、私は本作の若き日のペンは最高の演技だと思っています。考えてみれば、ハリウッドの三大名優、デ・ニーロ、ジャック・ニコルソン、アル・パチーノのすべてと共演してるんですよね、ダスティン・ホフマンとは絡みがないのはちょっと残念ですけど。いちおう舞台はNY州の北部の町という設定なんですが、アメリカにあれほどカトリック教会の影響が強い町があるなんてフィクションとはいえちょっと信じられないぐらい、まるでシチリアあたりのお話みたいです。かなりカトリック臭の強いお話だけど、さすがに名脚本家デヴィッド・マメットだけあってサスペンスを盛り込みながら上手くまとめています。ラストの橋上でのデ・ニーロとペンのハンド・シグナルだけの別れのシーンは、ちょっとジーンときました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-12-31 22:09:06) 6. ダイナー(1982) 《ネタバレ》 登場人物たちがウダウダと無駄噺に明け暮れる、いわば元祖”タランティーノ・スタイル”とも言える作品。このジャンルはまさに本作から始まったと言っても過言じゃないでしょう。同じ80年代に流行った『セント・エルモズ・ファイアー』などのような所謂ブラッドパック映画と同じくくりにされることもあるが、はっきり言って全然別物。ブラッドパックものとは違って舞台や登場キャラにはキラキラ感はないけど、それを補って余りあるリアル感に満ちているのが特徴。実生活でも若いころの犯罪的な武勇伝を“ヤンチャ”と称して自慢するおっさんがいますが、この映画で描かれるような何者でもない若者の何事もないが突っ張った生き方こそが本来の“ヤンチャ”なんじゃないでしょうか。登場人物たちはせいぜいいたずらをして留置場で一泊するぐらいが関の山、決して規律に縛られる生き方はしていないが誰もが経験した様な青春の一コマです。本質的な悪人と呼べるキャラが誰もいないストーリーでもあります。 時代設定は1959年のクリスマス、考えてみればこの当時の20歳前後の世代はベトナム戦争に巻き込まれる一つ前の世代で、大戦後の米国が最も社会的にも幸福だった時代だったと思います。本作でケヴィン・ベーコンが印象に残りますが、やはり一番輝いていたのはミッキー・ロークだったと思っています。やっぱ彼の紆余曲折の多いフィルモグラフィ中でも代表作は本作のブギー役だったと思います。このころのロークはそりゃモテないはずがないじゃん、と羨みたくなるほど男の色気が迸っています。賭けグルイで負けを取り戻すために親友の妻エレン・バーキンを誘惑するのかと思いきや、寸前で踏みとどまって逆に夫婦仲を修復させようとする本質的に優しい男でした。また本作の良いところは、すでに製作から40年以上経っているけど”彼らのその後の物語”風の続編めいたものが撮られてないことじゃないかと思います。やはりそこも今でも多くの人に愛される作品となった要因なのかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-12-22 22:33:49) 7. 花嫁はエイリアン 《ネタバレ》 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』がもちろん代表格だけど、80年代SFコメディは40年後の現代でも観ていて愉しくさせてくれるから嬉しい。この映画も冒頭のトム・ジョーンズからしてバブル時代のうきうきした雰囲気が伝わってきます、そりゃあ音楽担当は『バック…』と同じアラン・シルヴェストリですからね。男やもめのどん臭い科学者というのはダン・エイクロイドお得意のキャラですが、やっぱコメディエンヌとしてのキム・ベイジンガーの魅力がもっとも堪能できるのは間違いなく本作でしょう。このころの彼女はその美の絶頂期だったし、ウエディングドレス姿も含めて彼女の色んなファッションも眼を愉しませてくれます。あとエイクロイドの13歳の娘もなかなかキュートで良かったですね。この映画ではストーリー云々に突っ込むのはそりゃナンセンスですよ。愛すべきおバカなストーリーのラストで、円盤からステファニー王女軍団が現れて主人公の弟ロンがロールスロイスごと宇宙に旅立っちゃうのには笑わせていただきました。こんなおバカな終わり方のコメディ映画は、滅多にお目にかかれないでしょう。こういうノリのコメディ映画は、もうハリウッドでは製作されないのかなあ…[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-11-20 22:14:15)(良:1票) 8. モンスター・パニック 《ネタバレ》 ご存じロジャー・コーマン製作のモンスター・ホラーだけど、さすがに彼がむかし量産していたZ級ドライブイン・ムーヴィーとは違って80年代ともなればぎりぎりB級に近いC級程度には仕上がっています。ヴィック・モローやアン・ターケルといったそこそこ知名度がある俳優も使っていますし、若き日のジェームズ・ホーナーや駆け出しのころのロブ・ボッティンまでスタッフに名を連ねているんですから、若き才能者を見出して搾取する彼の目利き力はたいしたものです。でも監督の女性とはかなり揉めたみたいで、彼女が拒否したおかげでヌードやレイプまがいのシーンは助監督などが追加撮影したんだって。あわや監督が名を出すことを拒否した場合に使われるアラン・スミシ―名義になるところだったけど、コーマンが追加撮影などにかかった費用を負担しなければ認めないと突っぱねたそうです。そのうえアン・ターケルからもクレジットから外してくれと言われる事態、準主役キャラの俳優がそんな要求をするなんて聞いたことがないです。 主役のロブ・ボッティン謹製モンスターは、サケの成長促進のためにDNAをいじった小魚をシーラカンスが食べて半魚人化したという代物、なんで北米太平洋沿岸にシーラカンスがいるんだよ!ってのは置いときます(笑)。でも40年以上前にDNA操作をネタにするとはその先進性は褒めてあげたいが、説明がDNAとウイルスを混同していてこれは失笑でした。こ奴はロブ・ボッティン作だけあってけっこうなグチャグチャぶり、砂浜でビキニ女を襲った際にはわざわざ裸に引ん剝くので「こいつはエロ半魚人か」と突っ込んでいたら、なんとレイプしていたことが後に判明、妊娠させてラストにエイリアン丸パクリの出産と相成りました。ラストではモンスター映画お約束のフェスティバルでの惨劇となりますが、かなりのスプラッター映像で気合いが入ってます。でも半魚人自体は全然強くなくて、ライフルでバンバン撃ち殺されてしまうのがちょっと哀れ。 まあこれじゃ監督が逃げ出したくなったのは判る気がします。そして違う人が監督したエロ・グロのシーンが明らかにタッチが違うのが判りますよ。[CS・衛星(字幕)] 3点(2024-11-11 20:47:13) 9. ミステリー・トレイン 《ネタバレ》 “何も起こらない映画”の名手ジム・ジャームッシュ、初期作にはそんな称号が相応しかった作風が“大した事じゃないけど何かが起こる”風に変わってきた中期の作品です。メンフィスのホテルに泊まった三組の登場人物たちの一夜の体験を時系列をずらして群像劇として見せるというのはもうジャームッシュ版の『パルプフィクション』ですけど、タランティーノが撮る五年も前の映画なんですよね、これはタランティーノがパク…いや多大なる影響を受けたと言っても過言じゃないでしょ。バブル全盛期だった日本からJVCが出資したので永瀬正敏と工藤夕貴がキャスティングされたのかもしれませんが、二人は日本語で演技して他のアメリカ人俳優とはほとんど絡みはないけど、なんか二人のセリフ回しが(とくに工藤夕貴)拙く聞こえちゃうんだよな。やっぱ外国人を起用してその母国語で演技させると、監督には外国語なのでセリフ回しのニュアンスあたりには理解が及ぼないんだろうな。二人はしっかりエッチまでしてくれるけど、工藤がタバコを吸って永瀬に口づけしてその紫煙を長瀬が吸い取って吐き出すところは他に観たことない斬新なシーンでした。さすが『コーヒー&シガレッツ』のジャームッシュ、タバコに関しては拘りがありますね。二話目でニコレッタ・ブラスキにインチキなエルヴィス怪談で怖がらせてケチな寸借詐欺を仕掛けるトム・ヌーナン、なんせあのトム・ヌーナンですから怪談噺よりお前の存在自体がよっぽど怖いわ(笑)。そして三話目のスティーヴ・ブシェミたちの酔っ払いトリオの愚行には笑わせていただきました、こういうシチュエーションを演じさせたらスティーヴ・ブシェミはやはりピカイチです。 ①ホテルの宿泊代が一部屋22ドル②ジョー・ストラマーが酒屋で注文した酒代が22ドル③そして三人がホテルで割り当てられた部屋が22号室、この映画ではやたらと“22”という数字が出てくるんですよ、こういう拘りというか遊びがちりばめられているところがジャームッシュらしいところなんです、まあ意味不明ですけどね。あと、メンフィスからローマへの直行便は有りません、この人は『ストレンジャー・ザン・パラダイス』でもフロリダの田舎空港からブダペスト行きの直行便を飛ばした前科がありましたっけね(笑)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-31 21:09:51) 10. 探偵マイク・ハマー/俺が掟だ! 《ネタバレ》 考えてみれば、原作は読んだことないしマイク・ハマーが出てくる映画と言ったら『キッスで殺せ!』しか観たことないし、確かに『キッスで殺せ!』のハマーとはかなりイメージが違うところはあります。でもどちらも助手がセクシーな美女だという共通点もあるし、製作された時代の違いはあるけど妙にエロに力が入っているところも似ているかな。原作が出版されたのが40年代ですから設定や時代背景は当然アップデートされていて、マイク・ハマーはベトナム帰還兵でなんかよく判らんが軍やらCIAが絡んだ陰謀に巻き込まれるというお話しになっとります。何が起こっているのかよく判らない説明不足気味なストーリーテリングはハードボイルド映画のお決まりなのですが、アーマンド・アサンテのマイク・ハマーがあまりにカッコ良いんでそんなことあまり気になりませんでした。私立探偵にしては珍しく愛銃がブローニング・ハイパワー、こいつは弾倉に13発も詰め込んでいる軍用拳銃で、そりゃ戦闘力は強めです。愛するペットは熱帯魚なんだけど、外出するたびに何匹か死んでしまって嘆くのが可笑しい。彼アーマンド・アサンテはイケメン過ぎて主役スターを喰っちゃうのか脇役で使われることが多い俳優だが、こうやって主役を張ると改めていい役者だなあと再認識させられました。B級ながらもテンポがよくアクションもキレてるし良作だと思います、ただ難点としてはいろいろ詰め込み過ぎて判りにくいストーリーだったということかな。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-19 21:58:20) 11. 戦争の犬たち(1980・アメリカ) 《ネタバレ》 未読だが、原作は緻密な背景描写とフォーサイス自身が係わった闇社会の武器取引をリアルに落とし込んだいかにも彼らしい作品らしいが、本作はそのドンパチ要素以外をかなり端折っているので、成功した映像化とは言い難いらしい。どこまでが明かされているのかは真偽不明だけど、本作の様な独裁者打倒のクーデターをアフリカで実行しようとしたなんて、こんなぶっ飛んだ作家はもう現れないことでしょう。 監督がジョン・アーヴィン、これが劇場映画デビューでこの人は後に『ハンバーガー・ヒル』や『プライベート・ソルジャー』などの戦争映画の良作で名を残す人です。やっぱ本作ではクリストファー・ウォーケンの存在感が光っていて、彼を引っ張ってきたのは脚本のリライトに係わったマイケル・チミノだったそうで、やっぱこの頃はウォーケン&チミノは名コンビというか腐れ縁だった感じですね。彼がこの映画で使用するまるでおもちゃみたいなグレネード・ランチャーXM-18は実在の銃なんだそうでですが、確かチャック・ノリスもなんかの映画で使っていた記憶があり、出てくるとB級映画っぽくなるのは困ったもんです。端折り過ぎてクリストファー・ウォーケンのクーデター計画が判りにくいしロマンスめいたエピソード余計だったとしか言いようがないけど、サクサクとストレスなしに観れるのは良いんじゃないかな。フレデリック・フォーサイスの作品は、どれも映画化するには尺が最低三時間は必要ですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-08-30 23:33:41) 12. 炎のランナー 《ネタバレ》 自分は前回の東京オリンピックのゴタゴタで、巨大ビジネスと化してしまったオリンピックというお祭り騒ぎにすっかり嫌気がさして興味もなくしてしまったので今回のパリ・オリンピックはいっさい観てもいないが、ここで100年前の同地でのオリンピックを振り返ってみたいと感じて本作を観返してみました。 ハロルド・エイブラハムとエリック・リデルはもちろん実在のメダリストだけど、この映画の中では二人のアウトサイダーと大英帝国とのそれぞれの係わりを興味深い対比で見せてくれます。エイブラハムはユダヤ人移民の出自でリデルはスコットランド人の長老派教会の宣教師、両者とも大英帝国のエスタブリッシュメントからすればイングランドに飲み込まれた異邦人なんです。ハロルドは裕福な家庭で育ちケンブリッジに学ぶ頭脳の持ち主だが、レースで勝つことでユダヤ人というハンデを消したいと熱望する男。英国はロスチャイルド家が爵位を得たりベンジャミン・ディズレーリが宰相に昇りつめたりしているが、ユダヤ人を差別はしないが区別はするというのが英国社会の本音、要は利用できるものはとことん利用しますけど…という感じです。エリックは早く走れることは神が与えてくれた能力で、これを活かして神の御業を称えたい、というコチコチのキリスト者。両人とも、自己の信条をエスタブリッシュメントが求める国家や大学に対する忠誠のためには絶対に曲げないタイプ。対して真のエスタブリッシュメントの一員であるリンゼイには走ることは彼にとって遊びの一つであり、オリンピックでも何の気負いもなく400m走の出場権をエリックに譲る。この三者の生き方の違いを上手に脚色した素晴らしい脚本だと思います。 それにしても100年前のオリンピックの素朴なところと言ったら、100年後と較べると町内会の運動会を見ているような感じです。あとこの大会の参加は44国・地域だったそうですけど、異様なほど有色人種の選手が観れずまさに“白すぎるオリンピック”という感じです。日本はもちろん参加してましたし開会式のシーンではトルコの国旗もチラッと見えましたが、まだアフリカやアジアはほとんど列強の植民地だったころなのでしょうけどね。でもトラック競技で黒人選手がまったくいないというのは、現在の視点ではちょっと異様な感じがします。アメリカ選手団の練習風景では、一人だけ黒人選手がチラッと映りましたけどね。 今やあまりに有名なヴァンゲリスのテーマ曲や海辺を走る映像はもはや映画遺産といって良いでしょう。やっぱ本作はスポーツがテーマの映画としては最高峰なのかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 9点(2024-08-21 23:05:37)(良:1票) 13. ミッション 《ネタバレ》 これは史実ではあるんだけど、“ローマ法王の斬りこみ隊”の異名を持つイエズス会がなんでカトリック国であるスペインとポルトガルから弾圧を受けたのかが正直良く判らん。これには色んな事情があったんだろうが、大航海時代を迎えて世界を二分するかのような国力を蓄えた両国にとって世俗の問題に口を挟むローマ法王の存在が邪魔になってきたってことなんでしょうか。新教勢力もどんどん拡大していたし、たしかに17世紀以降になるとカトリック=ローマ教会の影響力が爆散していったのは否めないでしょう。物語の語り手となるイエズス会の弾圧命令を伝えに来訪した枢機卿が、神父たちや村民の虐殺をまるで第三者のように傍観するだけの無力な存在なのは象徴的です。 まるでヴェルナー・ヘルツォークの秘境もの映画を見せられた様な壮絶な映像には圧倒されます。とくに二度も見せてくれる滝落ちシーンは息を飲まされます。このシーンは途中からは人形が使われていますが、それでもスタントマンたちからはあわや拒否されそうになったとか、そりゃ無理もないですよね。今作のデ・ニーロは目立たないというか表に出ない抑えた演技に終始していますけど、それでもジェレミー・アイアンズとのコラボには感慨深いものがあります。ロバート・ボルトの脚本は明らかにカトリック教会寄りですが、それでもジェレミー・アイアンズが劇中で何度も強調する“神の愛”には、ラストまで観ると疑問を抱かざるを得ないような構成になっているのは上手い。あくまでわき役でしたが、とても聖職者には見えないリーアム・ニーソンの最後の戦いでの活躍には胸が熱くなりました。音楽はモリコーネで、「自分の仕事の中で、この映画の曲がいちばん好きで誇れる」と生前語っていたぐらいで、たしかに素晴らしかったです。 しかし昔から住民がいる土地に攻め込んで勝手に領土を設定して線引きするスペインとポルトガルは、なんとも非道な国家だったとしか言いようがないですね。ほんと日本は早めにポルトガルやイエズス会と縁を切って大正解でした。その後両国とも急速に国力が衰退して世界に影響を及ぼさない存在に落ちぶれてしまったのは、ほんといい気味だとしか思えません。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-07-03 21:59:54) 14. 翔んだカップル オリジナル版 《ネタバレ》 そうか、これが相米慎二の監督デビュー作なのか。一作目からして相米流映画術が完成しているというか、その後もブレずに同じように映画を撮り続けられたのいうのがある意味尊敬に値します。また薬師丸ひろ子の初主演作でもあるけど、てっきり角川映画だと今まで思っていたけど実はキティフィルムの製作だったと知って今更ながらちょっとびっくり。だから相米慎二の好き勝手に撮れたわけでしょうね。アイドル主演映画なのに、薬師丸のアップが極端に少なくて引いたカメラアングルを多用するなんて、角川春樹なら許すはずないですからね。他の鶴見辰吾・尾身としのり・石原真理子も含めて皆まだ十代、相米に四人まとめて「ゴミ、ガキ」と貶されながらの演技は、薬師丸の主演女優人生のスタートに強いインパクトを与えたことは間違いないでしょう。また肌が合わない人には耐えがたいような相米演出の独特な臭みには、賛否が分かれたことんじゃないかな。クジラの風船がフワフワと漂うシーンなんかは、特にね。でも私は石原真理子の部屋に薬師丸が訪ねてきて鶴見と大喧嘩するところ、そしてラス前のあのもぐら叩きのカットなんかは、好きですねえ。できればあのもぐら叩きのところでバサッとエンドにした方が、ずっと良かったのにと思う次第です。[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-03-23 22:47:36) 15. バイオレント・サタデー 《ネタバレ》 言わずと知れたペキンパーの遺作、でもとてもペキンパーが撮ったとは思えないメタメタな出来。大体からして邦題から酷い、原題は『オスターマンの週末』なのだがもろに『ブラック・サンデー』いじり倒したような発想、「週末なんだからサタデーで良くね?」という感じで決めたんだろうな。ペキンパー自身はこのロバート・ラドラムの原作小説および脚本を嫌っていたそうですが、死期の迫った体調ながらもスケジュールだけはしっかり守って完成させたらしいけど、プロデューサーによっていろいろといじられた様な感はあります。いちおうペキンパー印のスローモーション・カットは健在ですけど、どうでもいい様な使われ方で全くどうしちゃったんでしょうかね?マスメディアがビデオ時代になってきている時世を反映して、ジョン・ハートがビデオカメラを通じて作戦を遂行してゆく設定は面白い。何を考えているのか判らない不気味さもイイですね。でもこの映画最大の敗因はとにかくストーリーが判りにくいところで、脚本が整理できていないのかはたまた原作自体に問題があるのか、多分編集段階でカットしすぎたのかもしれませんね。[CS・衛星(字幕)] 3点(2024-03-08 22:20:13) 16. ザ・フォッグ(1980) 《ネタバレ》 ジョン・カーペンターの初期ホラーとしては、本作がいちばんまとまっているんじゃないかと自分は思います。もくもくとまるで煙の様な海霧が町を襲ってきて中から亡霊が復讐に現れるなんて、もう王道の怪談噺なんですよ。すでに80年代になってスプラッター系のホラーが主流になりつつあるときに、グロさを抑えた演出で勝負しようとしたカーペンター親父の心意気を買ってあげようじゃないですか。と言いつつも、イマイチ脚本が判りにくいのと雑なところのも事実。亡霊たちはけっこう殺しまくってた印象があるけど実際は100年前に自分たちをハメた連中の子孫6人だけ、意外と節操がありますね(笑)。この映画ではヒロインと言っても良い様な三人の女性キャラ、ラジオのDJ=エイドリアン・バーボー、町長=ジャネット・リー、ヒッチハイカー=ジェイミー・リー・カーチスが結局なんの交差もなくただその晩に町にいただけという展開は失敗でしょう。少なくともジェイミー・リー・カーチスは必要ないキャラだったんじゃないかな、まあこれは元祖絶叫クイーンである母親ジャネット・リーを引っ張り出すための戦略だったのかもしれません。もっとも本作ではジェイミー・リー・カーチスは絶叫するシーンはなかったですけどね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-02-23 23:07:25) 17. セーラー服と機関銃 《ネタバレ》 およそアイドル映画とは思えない撮り方の映画、まさに相米慎二らしいと言えるでしょう。薬師丸ひろ子の登場シーンではブリッジしているうえにセーラー服のリボンがかかって顔が見えないし、やたらに望遠レンズや魚眼レンズまで使って薬師丸の顔が小さくしか見えない、アイドル的な女優が主演していてこれほどアップが少ない映画ってのも珍しいんじゃないでしょうか。それまでの角川映画の配給先だった東宝と揉めて東映に変えたという事情もあって、角川春樹がほとんど口を出さなかったというのも大きかったのかも。ストーリー自体はかなり荒唐無稽なんだけど、思った以上にヤクザ映画的なシリアスな撮り方だったと思います。やはり当時を知るものとして思い出に残るのは、この映画が公開された時の薬師丸ひろ子フィーバーの凄さで、まさに社会現象でしたね。そして彼女が歌った主題歌の大ヒット、作者来生たかおのデモテープを聴いた角川春樹は「こんな曲はクソだ!」と言ったそうで、ほんとこの人はセンスがない(笑)。いまやアイドルソングとして80年代を代表する名曲と評価が定まっているのにねえ。有名な「カ・イ・カ・ン」のシーンも、改めて観ると官能的ですらあります。薬師丸ひろ子は御存じのように今や大女優ですが、私の中では青春真っ只中の彼女が映像に焼き付いている本作が一番です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-01-28 23:26:21) 18. すてきな片想い 《ネタバレ》 80年代青春映画の巨匠であるジョン・ヒューズのデビュー作。本作で彼の作品の常連となるモリー・リングウォルドとアンソニー・マイケル・ホールが初めて起用されるが、やはりリングウォルドの発掘は大功績だったと言えるでしょう。たしかに彼女ほど同世代女性ファンから支持された女優は稀有で、ほぼ社会現象と言えるレベルでしたからね。この時彼女は15歳、まあ子役とは言えない年齢ながらも若くして脚光を浴びた俳優は伸び悩むというジンクス通りになってしまったのは、残念ではあります。 この映画は数あるヒューズ作品の中でももっとも下ネタがキツいという指摘は的確だと思います。現在のコンプラやポリティカル・コネクトネスの基準からすると、炎上必至と思われる内容があるのも事実です。一人だけ登場するアジア人キャラの扱いや、パーティでのジェイクの言動がいわゆるデートレイプを容認しているようなところなどです。まあ他愛もないコメディなんで目くじら立てるなとも言えるのですが、確かに中国人留学生の描き方はちょっと度が過ぎているって感じます。だいたいからして、全部観たとは言わないけど、黒人がキャスティングされたりストーリーに絡んだジョン・ヒューズの映画が記憶にないんですよね。アジア系とはいえ有色人種が登場するだけでも珍しいとも言えますかな。[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-12-20 21:39:02) 19. 首都消失 《ネタバレ》 原作は未読ですが小松左京のSFはシミュレーション的な手法で書かれているのに、ほとんどお涙頂戴といった家族愛メロドラマになってしまってもう観るに堪えない。まず、首都圏が異常な雲のようなバリアに覆われて通信途絶、中に閉じ込められた2000万人余りの安否さえ全く不明なのに、大阪ではサラリーマンが昼休みにバレーボールに興じ浜名湖ではウインドサーフィンで遊んでいる、そんな緊張感がないなんてあり得る?となりますよ。雲の壁の端では宗教団体や群衆が集まって大騒ぎ、屋台まで出てまるでお祭り状態。センスのない歌謡曲みたいな曲をがなっている盲目ロックシンガーまで登場してくると、もう観るの止めようかと真剣に考えましたよ。一介の電機メーカーが造った超音波なんだか知らないがメーサー光線砲みたいな装置をふそうトラックに乗せて突っ込むクライマックス、もうこの脚本はどういうセンスなんだよ!と殺意すら覚えてしまいました。あと関西TVがスポンサーだからとうぜん忖度があったはずなのにこれでもかと見せつけてくれるTV局のマスゴミぶり、この当時のマスコミはマジでこれがカッコいいと思ってたんでしょう。 あとこれは小松左京自身の認識の問題でもあるけど、東西冷戦中の日本国の立ち位置に関しての被害妄想的な捉え方は困ったものです。雲の中に閉じ込められて国家機能がマヒしたからと言って国連常任理事会で日本の主権を停止して信託委任するなんて、いくら何でもそんなバカなと言いたい。仮に大震災が襲って東京が壊滅して政府首脳が全滅したとしても、統治機構は別の地域で臨時にしてもすぐに立ち上がることでしょう。小松左京の世代は敗戦トラウマが根っこにあるので、深層心理としては日本はアメリカの自治領に堕ちてしまったという意識があるんでしょうね。21世紀の現在となって振り返れば、日本は決して傍観者ではなく東西冷戦のプレイヤーの一員だったと解釈できるのにね。[CS・衛星(邦画)] 3点(2023-12-05 22:55:05) 20. 恋しくて(1987) 《ネタバレ》 いやぁ、何度観てもホロリとさせられる80年代青春映画の金字塔、ジョン・ヒューズでないと書けないストーリーです。日本人には想像つかないようなアメリカの高校生活、生徒たちがグレードはともかくとして普通に自家用車を運転している、自分らの頃は自転車がせいぜい、原付で通学する奴もいなかったな。エリック・ストルツが演じるキースは現代日本で言うところのいわゆるキモオタって感じでしょうけど、イケメンすぎて実感がないですな。この超鈍感男や男依存体質のリー・トンプソンを始めあまり感情移入できないキャラばかりが登場するので、メアリー・スチュアート・マスターソンがあまりにいじらしくて可哀そう。ストルツとマスターソンの関係は幼なじみみたいなものなんだろうけど、あそこまで彼女の心情に気が付かないなんて、この男ゲイなのかとすら思えてきますよ。今は怪優的な立ち位置の名バイプレーヤーであるイライアス・コティーズがやばいパンク高校生を演じていますが、彼にも当たり前ですけど若い頃があったんですね。ストルツの父親(『ビバリーヒルズ・コップ』のタガート刑事です)も息子に自分の主張を押し付けるだけの頑固おやじのようでいて、最後にはいい親父だったことを見せるところはベタですけどやっぱいいよね。泣きながら歩くマスターソンをストルツが追いかけるラストは、まさに感動の名シーンです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-11-12 23:26:27)(良:1票)
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