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タイトル名 |
ゴジラ(1954) |
レビュワー |
クリムゾン・キングさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2006-01-30 01:38:19 |
変更日時 |
2006-02-01 04:03:17 |
レビュー内容 |
日本が世界に誇る怪獣王ゴジラ。今でこそ何も考えていないような作品になってしまっているけど(決して嫌いではない)、オリジナルはそれらとは一線を駕した、別格の存在であった。特撮の部分でみてみると、戦争終結後9年足らずだというのに、ここまでの臨場感を出しているという事にまず驚かされる。東京が火の海と化す場面などは実に見事であり、娯楽映画を見たいと思っている者にとってこの崩壊場面は充分満足のいくものだと思う。殆どが戦争体験者であろう、エキストラの人々の逃げ惑う姿、これはもう、ただの演技だとは思えない部分がある。きっと、苦い思い出がフラッシュバックした人も居るのではないかと思ってしまう。しかし、本来の娯楽映画のような晴れやかな気持ちになれるかといったら、そうではない。それはラスト、日本中を破壊したゴジラが死ぬ場面。本来ならここで憎い化け物が死んで大団円となってもおかしくないところであるが、本作はそうではなかった。自らが核の被害を受け、出すぎた人間に対し警告の意を込めてやってきたにも拘らず、原因を作った張本人である人間によって滅ぼされるゴジラ。そして、自らの発明品が悪用され、人類を滅ぼす手段の一つとして加えられる事を良しとしなかった芹沢博士の選択。これらは、人間の愚かさ、そして倫理観のあり方を痛烈に語っていると思う。娯楽映画として、特撮映画として語られる事の多いゴジラであるが、初代の作品は、それだけで語るには、余にも重過ぎる内容であった。 |
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