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ALWAYS 三丁目の夕日 - ボビーさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ALWAYS 三丁目の夕日
レビュワー ボビーさん
点数 9点
投稿日時 2005-11-05 19:16:54
変更日時 2008-06-03 18:20:39
レビュー内容
“戦争”という痛みと悲しみの時代を生きた人々は、戦争を終え、心に夢や希望を抱いていた。現代のように便利な物は何も無いけど、その分、心にはいつだって優しさや温もりがあった。東京タワーの足元に広がる小さな街の隅っこでは、そこに暮らす全ての人々が家族のように身を寄せ合って、助け合って生きていた。幸せや喜びを共有し、日々の暮らしの中に何気なく転がるそれらを、いつも笑顔で噛み締め合っていた。何も無いからこそ人々は前向きに生き、瞳をキラキラさせ、助け合っていた。この映画の中の時代は、本当にそんな時代だった。タバコ屋のおばちゃんも家族を失ったアクマ(タクマ)先生も、いつもタバコ屋のおばちゃんにこけさせられていた何屋かわからないおじさんも、みんな輝いていた。この頃の日本は、きっと世界一輝いていたのだろう。みんな一生懸命生活が豊かになるように努力して、東京タワーやテレビや車を作っていた。だけど、人々はたくさんの物を豊かにしていく中で、いくつもの物や人の心を見落とし、捨て去ってしまった。ゴミ捨て場に置かれたドアの開いた冷蔵庫。氷を使って冷やした冷蔵庫。そして必要のなくなった氷と氷屋のおじさん。今に至るまでに日本は、そして世界はどれだけの心を見落とし、そして捨ててきたのだろう。物が豊かになればなるほど、なくしてしまう心の豊かさ。あの頃は世界一だった東京タワーは、今は世界で何番目なのだろう。誰も気にしない。意味の無いことなのだろうか。あの頃と変わらない高さで、変わり行く時代に取り残された東京タワー。時代の流れや文化の変化は誰にも止められないけど、なくしてはいけないという心さえあれば消えはしない。それが思いやりの心や感謝の心、そして愛するという心。エンディングでも流れていたけど愛は変わらないのだ。そして変えてはいけないのだ。この映画には今の日本には無いものがたくさんある。たくさんあり過ぎてここでは伝えきれない。やっぱり本当に大切なのは心の豊かさなんだ。この映画は心を温もりと優しさで一杯にしてくれる。止めどなく流れる涙の暖かさがそれを教えてくれた。夕日は明日も明後日も50年後も、きっと空と街を今日と変わらずオレンジ色に染めてくれるだろう。僕もいつまでも、いつも変わらない夕日のように輝いていたい。
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