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タイトル名 |
漫才ギャング |
レビュワー |
ボビーさん |
点数 |
0点 |
投稿日時 |
2012-01-11 18:25:11 |
変更日時 |
2012-01-14 12:44:01 |
レビュー内容 |
この作品は、ふつうに観れば映画っぽく撮れていると思います。こちらに投稿されている皆さんが述べられている通り、様々な要素がそれっぽい姿はしています。まずアクションですが、スローモーションと早回しを多用する事で、今流行のスピード感あるハリウッドっぽいアクションに仕上げています。そのアクションそのものを演出しておられるのが日本屈指のアクション監督である諸鍛冶さんということもあってか、ぽいです。また、この作品のそれっぽさの根源は当然脚本にあるわけですが、問題は大量にあります。まず上地さん演じる鬼塚ですが、彼の変化の物語は佐藤さん演じる黒沢に誘われ、引き受けた時点で終わりを迎えています。というのも彼は自らの生き方を変えなければならない状況に置かれた人物だったわけですが、それに背を向けて突っ返す訳でもなく爽やかに引き受けている時点で彼は成長を遂げてしまっています。終盤に決断を迫られる流れはありますが、彼はそれを深く悩みもせず決断し、ラストカットでは漫才をやってます。葛藤があるっぽいだけでそこに感情の抑制は皆無です。つまり、彼は最初の決断以降その軽いノリのまま、最後まで平然と嬉しそうに漫才をやり切っているわけです。また、二人を筆頭にこの作品には“とある何かをしなければならないが、それをすると大切な何かを失う”といった抑制された状況にいる人間、思い悩む感情は存在しないのです。まぁ、正直そんなことはどうでも良いです。この品川という人は、彼の立場上最もやってはならないことを平然とやってのけているのです。それがあるから、葛藤どうこうは次元を超えてどうでもよくさせてくれます。それは「漫才をなめるな」という事です。黒沢はずぶの素人である鬼塚とコンビを組みますが(それ自体馬鹿じゃないか?と思いますがそれも良しとして)、なぜか初めての舞台から“笑い”を取る訳です。人を“笑わす”という事は簡単ではないと散々黒沢に言わせておきながら、簡単に“笑わせ”ているわけです。その後も人を“笑わす”事に一切苦難することなく“笑わせ”続けます。つまり「人を笑わせることなんて簡単!」という流れの作品になっているのです。そこから理解できるのは、この品川という人が表面、絵面ばっかり洒落込んで中身が伴わせることに興味がないことを具体的に表しているのです。映画だけでなく、漫才すらなめています。 |
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