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タイトル名 |
永遠の僕たち |
レビュワー |
ボビーさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2012-01-16 02:18:09 |
変更日時 |
2012-05-24 17:22:52 |
レビュー内容 |
彼の寝転がる左脇に出るタイトル「Restless」眠る事がないというより、この作品における眠りが死であることから、死ぬ事がない、あるいは永遠という意味になるのかも知れません。(なるほど、タイトルの日本語訳はあながち外れではないですね)ノーイックにとってそれが「君はいなくならない」ということにも見え、ラストの微笑みが心に響きました。彼がスクリーンに登場した時点で彼が感じれていなかったのは、“死の実感”だと思います。「死んだら何もない、何の意味もない、ぼくはそこに何も感じれない」そんな悲痛な叫び声が抑制された画面からヒシヒシと感じられ、だからこそ彼は実感を得るために自らの周りに検死線を引き、偽りの参列を続けていたのだと思いました。また、そこに常にいるのがヒロシ。死、そのものである存在と死にまつわる軍艦ゲームをし、「お前には死者への尊重がない」と言われているのに実感を得られないノーイック。そんな時に出会うアナベルが抱えているのは“死の実感”そのものでした。その象徴がダーウィンです。=“神への反発”ではなく、日々を変化させたい願望と学び続け日々成長していたいという、まさに生きたいと願う実感そのものでした。本来なら、そんな彼女の嘆きや悔しさなどの葛藤を映画的に描いても良さそうなもんですが、それはもう乗り越えた壁として描いているところも好感を持て、なおかつそれがノーイックとのとてもわかりやすい対比になっており、すごく効果的に描かれています。実感を言葉や態度で伝えるのではなく、そばにいて愛し愛されることで自然と彼が実感して行く姿が本当に素敵です。特に、序盤で彼一人によって描かれていた検死線が彼の抱く漠然とある死への虚無感だったものが、2人で描いたことによって愛の象徴と生きている実感、そしてRestlessの比喩になっているようにも見え、心震えました。実感を得たノーイックがついに抱いた感情は、死の実感から来る喪失の予感です。この映画における唯一の涙がノーイックのそれなのです。だからこそ、ラストの微笑みも意味を成すのです。ノーイックの思い出す彼女はどんな時も微笑んでいた。だから釣られて笑ってしまう。きっといつまでも。まさにRestless。 |
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