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タイトル名 |
恐怖分子 |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2016-01-21 22:21:10 |
変更日時 |
2016-01-21 22:21:10 |
レビュー内容 |
冒頭、何らかの抗争事件が発生したらしいのだけど、その詳細は描かれない。ただ、そこに駆けつけるサエない刑事がいて、事件の写真を撮ろうとベッドを抜け出して来たジャニーズ崩れみたいな若いカメラマンがいて、現場から逃げ出そうとする若い女性がいて。はたまたその頃、サエない朝を迎えたサエない旦那とサエない小説家の妻がいて。その彼らが映画の進行とともに互いに関わり合いを持つんですけれどもそれが、不思議な位に空虚な繋がりなんですね。互いに連関し合っているハズなのに、みんなどこか、内向きにこもっていく。内へ内へ向かった挙句に、最後は「悲劇」が待つのだけど、映画はそこに至って、もはや事実の連関など有って無きがごとしといわんばかりに辻褄合わせを放棄し、にも関わらず、やっぱりあの「悲劇」はそこに転がっている、その衝撃。観終わった瞬間にこれほどゾッとさせる映画もなかなかないでしょう、それもその恐怖というのはまるで、我々が敢えて日頃気づかない「ふりをしている」恐怖を、突然突きつけられるような、怖さ・・・。 |
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