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タイトル名 |
穴(1960) |
レビュワー |
光りやまねこさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2005-01-15 21:53:51 |
変更日時 |
2005-01-15 22:53:57 |
レビュー内容 |
《かなりネタバレ》モノクロ映像が映し出す光と影の絶妙なコントラスト、のぞき穴から鏡を通して見る独特の緊張感、深夜の地下道に響き渡るコンクリートを打ち砕く音などなど…非常に印象的なシーンと効果音がいつまでも脳裡に焼き付く。たしかにあんな大きな音を立てて看守が気付かない、穴を掘った砂利はどうしたなど基本的なトコロで引っ掛かったりしなくもない。それよりもむしろ本作は、サスペンスフルな演出の妙と独特の雰囲気を味わうべき作品でしょうね。鏡の破片はいうまでもなく、薬のビンが砂時計になったりと着想が秀逸で、どんな小道具が飛び出すか最後まで興味は尽きない。脱獄囚5人の人物描写もきっちり色分けしており、刑務所長の存在もラストでは大きく生きてくる。そして何より実話を基にしているのが良い。原作者のジョゼ・ジョヴァンニ、ロラン役のジャン・ケロディ共に元囚人で脱獄の経験者。このように経験者は語るではないが、作品に生々しさと説得力を持たせる。脱獄物の傑作と言われるだけの根拠は充分にあると思いましたね。 |
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