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タイトル名 |
午後の五時 |
レビュワー |
sayzinさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2006-07-27 00:07:36 |
変更日時 |
2006-07-27 00:21:10 |
レビュー内容 |
これがどの程度サミラ・マフマルバフ本人の実力に拠るものなのかは判りませんが(個人的には父親の力がかなり大きいと思う)、とにかく、非常に良く出来た映画なのは間違いない。脚本が見事。帰国した難民に、主人公一家がその都度住処を追い出されてしまうことによって、全体は一種のロード・ムービーの形になっている(これがアフガニスタンの今の姿を縦断的に描き出す)。そして、ちょっとしたロマンスの雰囲気も漂わせながら物語が描くのは、女性が虐げられてきた地に芽生えるフェミニズムの意識。しかし写真屋(タリバン時代は禁制。即ち、彼の地では最も先進的、若しくは不信心な商売の代表)でさえ、女は家にいるのが当然という考え方。そう、女性を虐げるのは何もイスラム原理主義者だけじゃない。これは世界中の男性社会に共通する問題。やがて現実は死に行く者への弔いの詩の如く、女性の権利どころか、国全体を絶望で覆って行くのです、8点献上。 |
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