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タイトル名 |
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター |
レビュワー |
onomichiさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2025-01-14 22:56:06 |
変更日時 |
2025-01-14 22:56:06 |
レビュー内容 |
『アバター』は森、海、砂漠、山、極地と舞台を変えて続くらしい。『ウェイ・オブ・ウォーター』が期待以上に面白かったので、このサーガとても楽しみ。
『アバター』は既にストーリーテリングではなく、ストーリーの背後にある世界観の構築にこそ唯一無二性があると思う。世界観とは、スターウォーズやガンダム・シリーズに代表されるような、仮想世界としての独自の歴史や地理の詳細までが構築されるメタ的な世界のことを言う。そのプロットの意味性にこそ、世界観の本質がある。文化人類学的、反西洋主義、反人間主義的な思想において、『アバター』の世界観はエンタメの枠を超えて特筆すべきものであろう。元々『エイリアン』と対となる作品として『アバター』は製作されている。つまり、エイリアン側から見た人間による侵略の歴史。『駅馬車』の対となる『ダンス・ウィズ・ウルブズ』。イーストウッドで言えば『父親たちの星条旗』の対となる『硫黄島からの手紙』。
従来の人間主義/反人間主義という対の考え方から、ナヴィの家族を中心にした旧約的なサーガに世界観が移行しようとしている。森を出たアダムは家族を得て、生きるために罪を犯す。家族は一族となり、海から砂漠へ。原罪を抱えつつ、先の見えない世界、目的のない世界を見据えて、物語は駆動する。人間/反人間を一体何処に向かわせようとするのか? それは「精神」に向かうのか?その崩壊、歴史の終わり、最後の人間へと向かうのか? それとも、、、。新しい旧約としての大きな物語。そういえば、手塚治虫の『火の鳥』にもそういう話があった。こういう大きな物語は結局のところ巡りめぐるものか。 |
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