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タイトル名 |
ラストタンゴ・イン・パリ |
レビュワー |
onomichiさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2004-07-10 23:26:27 |
変更日時 |
2004-07-10 23:28:55 |
レビュー内容 |
絶望が引き寄せる孤独と絶望を希求するが故の孤独。孤独と孤独が紡ぐ性愛、その現実感が満たす孤独という名の救済と慰撫。「ラストタンゴ・イン・パリ」が描く男と女の恋愛劇には、マーロンブランドの強烈な個性に引き摺られながら、その醜悪さも切実さも含めて最後まで惹き付ける魅力があった。<と感じる人は少ないようだw> 最終的に男は恋愛を絶望からの帰還へと変化させるが、女にとってそれはあくまで現実からの逃亡に過ぎなかった。確かに本来的な孤独の意味、その「失われざるための愚かしさ」に囚われていたのは女の方であったか。女は何を求め、何を殺したのか、それは男が追いかけたものでは全くなかったことは確かである。男が逃れた狂気は既に女の側にあったのだ。しかし、男を殺したことによって急速に現実的問題に執心する女の姿は、陽気なラストタンゴが全く夢の如く思えるほどに、冷たい。あれは何だったのだろうか。マーロンブランドが醜悪にして、痺れるほどに最高の演技を見せた恋愛映画の傑作。 |
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