みんなのシネマレビュー
妻は告白する - 鉄腕麗人さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 妻は告白する
レビュワー 鉄腕麗人さん
点数 9点
投稿日時 2012-02-28 11:31:14
変更日時 2012-02-28 11:36:20
レビュー内容
映画の最終盤、若き若尾文子が雨に打たれずぶ濡れになった姿で愛する男の前に現れる。その姿は狂気的で、あまりに美しい。
撮影を重ねよほど感情を盛り上げて挑んだのだろうと思われたこの映画随一のそのシーンが、撮影初日に撮られたということを知りまず驚いた。そして、当時若尾文子はこの程度の映画を年間10本以上のペースで撮り続けていたというのだから、もの凄いとしか言いようが無い。

映画監督の西川美和がある誌面でこの映画を絶賛していたこともあり鑑賞に至った。成る程、物語の序盤から西川監督作の「ゆれる」を彷彿とさせる要素が多々あり、多分に影響されているのだろうと想像できた。

登山の最中に滑落事故が起こり、ザイル一本で宙づり状態になった3人の男女。絶体絶命の状態の中、中央に位置した女は自分の下のザイルを切断。当然、下方に宙づりになっていた男は落下し絶命。死んだのは女の夫、そして生き残ったのは女の愛人……。
故意か自己防衛かを争点にし、殺人罪に問われた女の裁判劇を中心に描かれる男女の愛憎劇、その濃密さが見事過ぎる。

序盤から終盤に至るまで、「妻の行為の真相」がつまびらかにされていく物語だとばかり思っていた。
実際その色彩は強く、望まない結婚を強いられた妻の鬱積と、そんな折に生じた横恋慕の対比がとても丁寧に描かれ、妻の「動機」が徐々に明確になっていく。

そして、ついに明かされる妻の真意。
本来ならこの時点での衝撃をもって映画が終幕しても充分に成立するものを、この作品はさらに真理を突き詰める。
結局、登場人物の中でもっとも何も分かっていなかった「馬鹿」が、もっとも重い業を背負う羽目になる顛末に、その「馬鹿」同様に呆然としてしまった。

この作品は、「夫婦愛」のまさに対極に位置する「夫婦憎」を描き付けた映画だと思う。
結婚をして3年目になるが、この映画を夫婦で鑑賞するのは非常にはばかられる。しかし、「恐いもの見たさ」という人間の本能故か、だからこそ逆にいつか夫婦で観たいとも強く思わせる。
そういうことをつらつらと考えていくと、「夫婦愛」と「夫婦憎」本来対極にあろう関係性は、実のところ表裏一体で一対のものなのかもしれないと思われて、一人で映画を観終わった後、既に寝静まっている愛妻の横でなかなか寝付けなかった。
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-11-25蜘蛛巣城67.55点
2024-11-16十一人の賊軍86.80点
2024-11-16モアナと伝説の海66.81点
2024-11-16ルックバック107.77点
2024-11-09ARGYLLE/アーガイル66.00点
2024-11-05猿の惑星/キングダム87.00点
2024-11-05ザ・クリエイター/創造者75.84点
2024-11-03ゴジラ×コング 新たなる帝国75.57点
2024-10-27がんばっていきまっしょい(2024)66.00点
2024-10-27インビジブル・ゲスト 悪魔の証明86.33点
妻は告白するのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS