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タイトル名 |
クライシス・オブ・アメリカ |
レビュワー |
鉄腕麗人さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2010-03-13 12:46:53 |
変更日時 |
2010-03-13 12:46:53 |
レビュー内容 |
前々からレンタルショップに行っては、パッケージを手に取り借りようか借りまいか迷った挙げ句、棚に戻すという行為を繰り返していた今作。 デンゼル・ワシントンとメリル・ストリープというある意味“間違いがない”キャスティングを見た時点で、それほど躊躇することはなかったろうと思うが、何か「不穏」なものを感じ取っていたのかもしれない。
「不穏」なんて言葉を使うと、なんだか物凄い駄作だと言わんばかりだが、決してそうではない。トータル的にはよく出来た映画だと思った。
ただし、終始とても“気持ちの悪い”感覚に覆われる作品だと思う。
アメリカの国家を揺るがす程の大陰謀に主人公のデンゼル・ワシントンが気付き、その黒幕がメリル・ストリープで、二転三転しながら巨悪に向かって対峙していくというような、「陰謀」を描いたサスペンス映画にとっては王道的なストーリー展開を想像していた。 しかし、実際に描かれた映画世界は、人間そのものの利害と精神の「闇」が広がり、端的に言ってしまうと、非常に悪趣味だった。
ただその悪趣味さが、そのまま映画に対する嫌悪感に繋がるということはなく、想像に対してアウトサイドな世界を見せつけられつつ、どんどんと引き込まれていく。 それは、「羊たちの沈黙」で禍々しいサイコサスペンスを“名作”として完成させてみせたジョナサン・デミ監督の成せる業だろうと思う。
演出の効果だろうが、多少編集のブツ切り感が目立ち、キャラクターの相関関係も粗いので、展開が伝わりづらいところもあり、完成度が高い映画だとは言い難いけれど、独特の見応えがある映画ではある。
メリル・ストリープの禍々しさが非常に怖い。 |
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