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ジャージの二人 - 鉄腕麗人さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ジャージの二人
レビュワー 鉄腕麗人さん
点数 8点
投稿日時 2009-08-14 01:35:23
変更日時 2009-11-25 22:21:36
レビュー内容
疲れ切ったお盆休み前の日。精神的な疲れを除きたい時にふさわしい映画だったと思う。

暑さを避けて、山荘での日々をジャージで過ごす父子には、それぞれ悩むところがあって、“避けて”きたのは、本当は暑さではなく、人生の中で生じる疲弊感みたいなものなのだろう。
でも、久しぶりに会った父子は、そういったもろもろの諸事情を敢えて話そうとはしない。ただただ、山荘でのスローな日々を繰り返していく。

その何でもない情景とか、父親と息子の絶妙な距離感が、とても染み渡ってくる。
それは決して特別なものではなくて、世の中の父子、特に父親と息子の関係性の中に普遍的に存在する“つながり”を感じるからだと思う。

敢えて言葉にしなくても、敢えて伝えなくても、「解消」するものはきっとあって、それを果たしてくれるのは、時間であったり、自然であったり、自分にとってベーシックな人とのつながりなのだと思う。

映画としては、なんと言っても堺雅人と鮎川誠の「息子-父親」関係の“妙”が素晴らしかった。二人の絶妙な間合いが、そのまま映画自体の間合いとなって、独特の空気感を生み出していると思う。

質の高い映画ということでは決してないけれど、理屈ではなく、観る者の気分を軽くする映画だ。そういう映画も確実に必要だと思う。
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