みんなのシネマレビュー
くもりときどきミートボール - 鉄腕麗人さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 くもりときどきミートボール
レビュワー 鉄腕麗人さん
点数 8点
投稿日時 2012-02-06 21:24:18
変更日時 2012-02-06 23:04:35
レビュー内容
たぶんこのアニメ映画のイントロダクションを見聞きした人の殆どが、今作の持つ「性質」を誤解したまま観たり、また敬遠してしまっていると思う。

イントロダクションを見ただけでは、“珍発明”によりありとあらゆる食べ物が空から降ってくるドタバタ騒動を描いた低俗な子供向け映画という印象を持ってしまうことは致し方ない。
そして、日本人の食文化に対する感覚からすると、“空から食べ物が降ってくる”というファンタジー性自体に、幾ばくかの嫌悪感を感じてしまい、より敬遠してしまうだろう。

しかし、実際にこの映画世界に描かれる「本質」は、決して低俗ではなく、また子供向けでもないと言える。むしろ、子供にはこの映画が持つシニカルなユーモアは理解しきれないと思う。

この映画が描くものは、「飽食」に対する問題意識を礎にした現代社会に蔓延する病理性への警鐘だ。
際限なく降ってくる食べ物に対してぞんざいな扱いを続けた人間たちに、食べ物自体が“災害”として襲いかかる。
もちろん、あり得ない設定だし、時に描かれ方が悪趣味にも見える。しかし、それこそがこの題材をアニメ映画として構築する意味であり、価値だと思う。
「飽食」という常態化している問題を、アニメーションならではのフィクション性と馬鹿らしさの中で描くことで、逆に問題の異常性が浮き立ってくる。

エゴイズムを全面に出し、溢れる食べ物を食べ漁りみるみる太っていく市長のキャラクターは、まさに現代人の権化であろう。
ラストカット、海の上で一人取り残された市長が「船まで食べちゃうなんて馬鹿だよね」という台詞は、まさに自らが生きる環境をも食い尽くそうとしている人間に対するある種直接的な批判だった。

そういう意外と真っ当なテーマ性を孕ませつつ、実際はひたすらに愉快にアニメーションが繰り広げられる。
随所にあらゆるエンターテイメント映画のオマージュ的な描写も見られ、どこまでも楽しませてくれる。
また敷かれている脚本は意外なほど緻密に構成されており、細かな伏線の確実な回収も含めて、物語的にも非常に良く出来ている。

表面的なイメージのみで観る映画の取捨選択をしてまいがちだが、それによって大いに損をしてしまっているかもしれないということを改めて感じさせる極めて秀逸なアニメ映画だった。
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-12-02デッドプール&ウルヴァリン95.71点
2024-11-25蜘蛛巣城67.55点
2024-11-16十一人の賊軍86.80点
2024-11-16モアナと伝説の海66.81点
2024-11-16ルックバック107.72点
2024-11-09ARGYLLE/アーガイル66.00点
2024-11-05猿の惑星/キングダム87.00点
2024-11-05ザ・クリエイター/創造者75.84点
2024-11-03ゴジラ×コング 新たなる帝国75.57点
2024-10-27がんばっていきまっしょい(2024)66.00点
くもりときどきミートボールのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS