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東のエデン 劇場版 I The King of Eden - 鉄腕麗人さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 東のエデン 劇場版 I The King of Eden
レビュワー 鉄腕麗人さん
点数 3点
投稿日時 2010-04-18 09:10:02
変更日時 2010-04-18 09:21:25
レビュー内容
TSUTAYAのアニメコーナーで、このテレビアニメのDVDのパッケージを一目見るなり、気になった。キャラクターデザインが、「ハチミツとクローバー」、「3月のライオン」の羽海野チカだったから。
ストーリーの概要を読んで、新鮮味のあるプロットに尚更興味を持ったが、テレビアニメはほとんど観ないので、二の足を踏んでいた。
そうこうしていたところに、この劇場版公開の報。それならばと、テレビアニメ版のDVDを続けてレンタルし、劇場版鑑賞に至る。

結論としての正直な感想としては、映画作品としての説得力と深みが、ストーリー展開に備わっていない。
深夜のテレビ放送枠としては許容範囲だった基本設定の稚拙さが、一つの映画となることで露呈しまっている。

謎の携帯電話を通じた陰謀の中で、記憶を無くした青年が繰り広げる破壊と救済。そのコンセプトは、非常に興味深い。
不安定な国の世情、インターネット、ニートと現代的な要素を絡ませた謎に満ちたストーリー展開も、ミステリアスとエンターテイメントに溢れている。

ただそこに、本質的な深みがない。興味をひく要素を並び立てたまでは良かったが、最も重要なテーマ性があまりに希薄だ。

荒れる社会情勢の中で膨れ上がった“ニート”という存在がこの作品では重要な要素として描かれるが、それを正当化し、安直に活躍させる様が、あまりに稚拙で説得力がないように感じる。現実的な世情を、表面的に面白がって、空想と妄想でくくり上げただけのように思ってしまった。

そしてこの劇場版を二部作に分ける必要はないと思う。まだ第二部は観ていないけど、第一部を観る限りでは、この程度の内容を区切って、わざわざ二部作にしたことは、劇場に足を運んだ人の反感を買うだけだと思う。

ここまで観てきたので、劇場版ⅡもDVDが出れば観るだろう。が、現時点の評としては、あと一歩も二歩も及第点には及ばず、羽海野チカのキャラクター造形に救われている作品だ。
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