みんなのシネマレビュー
終わらない週末 - 鉄腕麗人さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 終わらない週末
レビュワー 鉄腕麗人さん
点数 8点
投稿日時 2024-09-23 10:54:07
変更日時 2024-09-29 13:31:46
レビュー内容
今世界は、疑心暗鬼に満ちている。
自分以外の“他者”が、いつ、いかなる理由で「攻撃」をしてくるか分からない時代。人々は常にビクつき、防衛本能をフル稼働せざるを得ない。
どうしてこんな世界になってしまったのか。国家レベルから、一個人レベルに至るまで、私たちは息を詰まらせて苦悩している。

或る家族が急に思い立ったバカンスを過ごすためロングアイランドの別荘地に向かうところから本作は始まる。当然のことながら、何の危機感も感じていない普通の家族が、突如として「異変」に放り込まれる。
この唐突さこそが、今この世界に孕む危機の本質なのだろう。
災害にしても、パンデミックにしても、戦争にしても、テロにしても、一般市民に対する実害は、何の前触れも無く突然降りかかる。無論、適切なタイミングなど計ってくれるわけもなく、休日だろうが、深夜だろうが、徹夜明けだろうが、私たちは、今この瞬間にも命の危機を突きつけられてもおかしくないのだ。

いずれにしても、いざそういう状態になってしまったとき、人間はどのような対応を迫られるのか、そしてどのような対応ができるのか。
本作に登場する二つの家族の人間たちはみな善人であり、恐怖に包まれパニックに陥りながらも、人間らしい言動に努めているけれど、それでも発言や行動の端々にその人の本質が表れる。

自分や家族を守るための虚偽や卑怯や暴力は、一体どこまでが罪なのだろうか。
終盤、“隣人”の恐怖を象徴するような存在としてケビン・ベーコンが登場するけれど、果たして彼の言動を誰が断罪できるだろうか。彼にも娘がいて、守るべき家族があるのだ。

私自身、家を持ち、守るべき家族がいるけれど、本作で描き出されたような「分断」が本当に起きてしまったとき、どのような思考で、どう行動できるのか。自分自身に対して、それこそ疑心暗鬼になってしまう。


恐怖の正体が見えないとても居心地の悪い映画世界は、冷戦時代に製作された数々のスリラー映画を彷彿とさせた。
それは冷戦時代に世界に蔓延していた危機感、焦燥感が、今現在の世界と社会に重なることを雄弁に物語っている。

平穏な「週末」が、世界の「終末」に直結するかもしれない只中で、今私たちは生活している。
本作が、何十年か後、「こんな時代もあったね」という教訓や思い出話と共に“発掘良品”的に鑑賞される日が訪れることを心から願う。
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-11-16十一人の賊軍86.80点
モアナと伝説の海66.81点
ルックバック107.85点
2024-11-09ARGYLLE/アーガイル66.00点
2024-11-05猿の惑星/キングダム87.00点
2024-11-05ザ・クリエイター/創造者75.84点
2024-11-03ゴジラ×コング 新たなる帝国75.57点
2024-10-27がんばっていきまっしょい(2024)66.00点
2024-10-27インビジブル・ゲスト 悪魔の証明86.33点
2024-10-27ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ95.88点
終わらない週末のレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS