|
タイトル名 |
レッド・ワン |
レビュワー |
鉄腕麗人さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2024-12-26 22:36:49 |
変更日時 |
2024-12-26 22:36:49 |
レビュー内容 |
今年の12月は“クリスマス映画”をしっかり観ようキャンペーン第2弾。 先週末鑑賞した「バイオレント・ナイト」に続き、今宵のクリスマス映画も、強烈なサンタクロースが登場した。 本作の場合は、人知れず実在していて、正真正銘の唯一無二の存在であるサンタクロースが誘拐されてしまい、我らがザ・ロックとキャプテン・アメリカが共闘を組んで挑む救出劇。クリスマスシーズン向けのファミリー向け娯楽ムービーとして、申し分なく面白かった。
30年前だったら主人公役はアーノルド・シュワルツェネッガーが演じていたのだろうなと思いつつ、主演ドウェイン・ジョンソンのアクションスターぶりがまずもってエンターテイメント性に溢れ、安定している。 そのバディとなるのが、最近マーベル映画復帰も発表されたクリス・エヴァンス。キャプテン・アメリカ役の聖人君子像からの反動か、「エンドゲーム」以降の出演作は、意図的に“汚れ役”ばかりを演じているようにも思うが、元来この俳優はそういう役柄が合っているように思う。本作でも、“悪い子リスト”掲載必至の賞金稼ぎ+父親役を好演している。
サンタクロースの存在が、実は国際的な「機密事項」であり、彼とその“仕事”=“クリスマス”を徹底的に守る秘密機関と各国の協力体制があるという設定がユニーク。 米国大統領ばりに大勢のSPに守られ、戦闘機のエスコート付きで各国を飛び立てば、専用機(巨大なトナカイたち)の速度は超音速を凌駕する。 世界一有名な伝説のキャラクターを軸にした大空想が問答無用に楽しい。
主人公は、“ボス”であるサンタクロースを尊敬、崇拝し、彼を守る自らの職務に誇りを持ちながらも、プレゼントを送り届ける対象である人間自体に絶望している。そんな彼がこの救出劇を通じて、人間の性善説を再確認していくというストーリーテリングは、ベタで王道的だけれど、それがクリスマスらしく、率直に良いと思えた。
注文をつけるとするならば、サンタクロースの存在とその組織(国?)の功績を、世界中の国家機関が機密事項として認識しているという設定なのだから、もう少し“世界各国のクリスマス描写”があると良かったなと思う。 言語も歴史も宗教観も気候も季節も異なる中で、それぞれの国で異なるクリスマス文化があり、それでも共通して愛されるサンタクロースという絶対的な存在が、世界を一体にする。そういう描写があれば、本作の帰着である「性善説」にもっと説得力と、意義が備わったのではないかなとは思う。
今この瞬間も、世界のあちこちでは争乱が収まらず、子どもたちは泣き続けている。そのことを暗に言及し、“クリスマス”という行事の価値を高められることができていれば、本作はファミリームービーをの枠を超えた究極のクリスマスムービーにもなり得たと思える。 |
|
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
レッド・ワンのレビュー一覧を見る
|