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ハウルの動く城 - 鉄腕麗人さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ハウルの動く城
レビュワー 鉄腕麗人さん
点数 1点
投稿日時 2004-11-21 02:42:44
変更日時 2010-09-21 23:39:32
レビュー内容
エンドロールが流れ始めた瞬間、すべての思考が止まってしまった。

これが、あの宮崎映画なのか…。

渦巻く困惑と落胆。脳裏を振り絞って、映画を振り返り、納得のいく“感想”を導き出そうとしたけれど、結局何処にも辿り着けない。
「まさか、そんなことが…」と疑いを消し去れないが、一個人の結論とするならば、“この映画は成立していない”。

はっきり言って、支離滅裂も甚だしい。
圧倒的なビジュアル、美しくファンタジックな空気感、しかし、あるのはただそれだけだ。

それらしい雰囲気とイメージを幾重にも折り重ねただけに終始する。
一見魅力的なキャラクターは、躍動的に動き発言する。
しかし、その言動のあちこちで“根拠”と“理由”が欠如し、人格そのものが最終的に軽薄になってくる。つまりは、物語になっていないのである。

木村拓哉が声優をやることの是非、倍賞千恵子が少女の声を演じることの違和感、どうにも内容が伝わってこない予告編、公開前の不安要素はいろいろあった。

しかし本当の問題はそんなことではなかった。

「千と千尋の神隠し」で抱いた一寸の不審がいよいよ増幅する。
“もう宮崎駿に想像性に溢れた「物語」を紡ぎ構築する創造力は無いのではないか?””テーマ性のみをただ広げる「内容」を展開するだけで精一杯なのではないか?”

………………いや信じない。
なぜなら、宮崎映画によって映画を観るということの“快感”を育んだと言って過言でない者にとって、それ以上の悲劇は無いからだ。
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