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タイトル名 |
海猿 ウミザル |
レビュワー |
鉄腕麗人さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2005-07-25 00:02:54 |
変更日時 |
2012-07-18 13:19:54 |
レビュー内容 |
教え子たちの無事を確認し、藤竜也演じる鬼教官は自らの制帽を目深に引き唇を噛み締める。 描写として実にありふれたシーンではあるけれど、しっかりと感動を生んでいる。 それはこの映画が、「生還」という感動に対しての“裏付け”をちゃんと描いているからだ。 即ち「死」である。「生還」に対しての「死」をもらすこと無く描いているからこそ、ありふれたシーンやお決まりとも思える展開に感動できるのだと思う。
劇場版としては第4作目となる最新作が封切られたばかりなので観ていないが、第2作、第3作において明らかに不足していたのは、「生」と隣り合わせで存在する「死」の存在感だと、この第1作目を観て思い知った。 死と常に隣り合わせの仕事に従事する男たちの姿を描く上で、その死自体の存在性が希薄になってしまっていることが、後の2作品に今ひとつ説得力を感じない理由であり、映画全体が希薄になってしまっている最たる要因なのだろう。 ちなみに、今作の後のテレビシリーズ「海猿 UMIZARU EVOLUTION」では、仲村トオル演じる主要キャラクターの死を描き、現実の悲壮感を加味できていたと思う。
そんなわけで、劇場版第3作目「THE LAST MESSAGE 海猿」を観た直後に今作を鑑賞し直してみると、初見時よりも遥かに良い映画に思えた。 「王道」というよりも“ありきたり”な映画であるということは否定しないが、潜水士訓練生たちの青春劇が瑞々しく熱く描かれている。 「若さ」という熱気と未熟さをバランスよく配置し、その中に前述の通り厳しい現実感も含まれており、映画としての善し悪しは別として充分に“好きになれる”映画だと思えた。 |
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