|
タイトル名 |
イキガミ |
レビュワー |
Berettaさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2008-10-03 14:00:59 |
変更日時 |
2008-10-23 14:38:06 |
レビュー内容 |
期待して観に行ったのですが、設定とそれに伴う演出が緩くて、きっちりとした世界観が構築されないまま紋切り型の感動話がダラダラと続くので、辟易として鑑賞しました。 体制を批判したり、ナノカプセルの接種を拒んだだけで拉致され、思想を矯正されてしまうという恐ろしい世の中にあって、繁華街の真ん中で、路上ライブでのんきに青春を謳歌できてしまうという不思議。 小学校入学時から、宝くじに当たるより遥かに高い確率でイキガミが来るのが分かっているのにもかかわらず、人々の心に確実に根差しているはずの恐怖や怒り、来るかもしれない「その時」に対するそれぞれの覚悟の描写がないというのは足りないし、独自の制度の下はぐくまれてきた親子や家族の関係など、この設定ならではの描くべきことが沢山あるはずなのに、最早選ばれてしまった青年と家族の「可哀相なドラマ」にストーリーがシフトしてしまうので、設定を念頭に置いて丁寧に編みこまれた作品というよりは、ただ感動話を設定の器にはめ込んで、手っ取り早くプレスして作った「缶詰」のような作品なんだなと思いました。 あの強硬な体制における配達人のエモーショナルな立場も、何かちぐはぐでなじめないし、選挙制度のある世の中で、あの狂った法律がまかり通っている理由も説得力に欠けていました。 ・・・結局のところ単なる安いメロドラマとしか思えませんでした。 |
|
Beretta さんの 最近のクチコミ・感想
イキガミのレビュー一覧を見る
|