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タイトル名 |
コリーニ事件 |
レビュワー |
みんな嫌いさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2025-05-15 11:03:53 |
変更日時 |
2025-05-15 11:05:13 |
レビュー内容 |
とにかく、ひとり一人の役者の小さな演技にものすごい説得力があって楽しめた映画だった。
とはいえ、ストーリー全般にもやもやが残った。どうも納得感がないのだ。
それでちょっと考えたり調べたりした結果、こういうことではないかという結論に至った。
ドイツは、「第二次大戦後、ナチスの虐殺が政権崩壊から20年を経た65年に時効になることが問題になり、連邦議会は起算点を西ドイツ成立の49年に変更した。その後、諸外国の圧力から時効を30年に延長し、その期限となる79年に謀殺の時効を廃止した。」(wiki公訴時効より)という前提がある。
それに対して、日本では、そもそも「公訴時効は15年、2004年法改正で25年に延長、2010年に公訴時効は廃止され、現在殺人罪に公訴時効」であり、第二次大戦の戦争責任の関係で、関係諸国から圧力をかけられたこともない。小林某が、当時の国際法では、便衣兵戦術は「一般市民に多大な被害をもたらす為に国際法で禁止されていた」(wiki便衣兵)という理由で、中国人の虐殺を正当化していたりする。
つまり、「当時の法では有罪でないのであれば無罪。そもそも時効。」という理屈がまかり通っていて、私の頭もなんとなくそちらに傾いていたようなのである。
ドイツが戦後責任をあいまいにしたり隠そうとすることが皆無というわけではないだろう 主人公の弁護士にトルコ系を充てていることからも、そのことが透けて見える しかし、ドイツ人たちが、日本人とは次元が違うところに自覚をもっているということなんだろうとも思った
ところで、ファブリツィオ・コリーニが殺人後、なぜ固い沈黙を守ろうとしたんでしょうか? 自分の行為を正当化するつもりはないことは分かるのだけれど、正義に反する法制度や、非道なナチの行為を暴くためにも、いうべきことは言えばよかったのでは? これもモヤモヤの1つでしたね |
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