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タイトル名 |
戦場のピアニスト |
レビュワー |
アルメイダさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2006-02-28 08:45:29 |
変更日時 |
2006-02-28 08:45:29 |
レビュー内容 |
こういうヘタレ役は根本的には合いません。
これが事実を元にしているにせよ合わない。
時代に翻弄されるというよりも仲間の犠牲に生かされている設定。
「ロード・オブ・ザ・リング」のフロドとか、
「キングダム・ヘブン」のオーリーの役は苦手。
事実だから仕方ないにしても・・
逢引できた彼女は?それを仲介した仲間が罪をおわれることは?
家族は?目の前で殺されてゆく仲間たちは?
それらを景色のように描いてゆくので、
主人公がただ運がよくヘタレだということしか伝わらない。
心の葛藤があまり感じられない。
生き残っていることが罪ということでもなく、
生かされている自分に感謝をしている様子が感じられない。
ラストの延々と続く演奏シーンは、
「シャイン」を思い出しましたがシャインのほうがいい。
「シンドラーのリスト」の方がいいと思うのは、
金持ちドイツ人がユダヤ人を救うことが偽善であることと、
その時代にその偽善が全く結果的には正義であったということ。
その金持ちドイツ人も完璧な人間でもなかったこと。
ユダヤ人が生き残る方法を与えたシンドラーと、
生かされる権利を得た彼らが日本の戦時時代のように、
工場などで働くさまは彼らの器用さやアタマのよさが生きのる糧であったこと。
そしてドイツ軍人の個性がよく描けていた(レイフ・ファインズ)
敗れたドイツの敗者の美学と生き残った権利を得たユダヤ人の弱者の美学。 なぜ彼らは生かされたのか?
運と何かができるという糧があったから。
シンドラーのリストは糧が器用だとか頭がいいとかの理由で日本人にも理解できる。
運はシンドラーというドイツ人の最初は私欲から始まった偽善から。
ピアニストは糧はピアノがあの場面で弾けたこと。
運とはその場面まで生かされたこと・・
その違いなのです。
だから比べられるであろうこのふたつの作品は違います。
どちらかというと、
「戦場のピアニスト」は「太陽の帝国」なのです。
逃げ回る姿を客観的に描き、
周りの犠牲と自分の運で生かされ、
戦争が終わることで何も終わったわけではない・・
少年とピアニスト、ユダヤ人とイギリス人と全く違いますが、
なぜか共通点を感じたのでした。
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