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タイトル名 |
スリーパーズ |
レビュワー |
黒蜥蜴さん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2012-12-31 07:50:56 |
変更日時 |
2012-12-31 07:54:16 |
レビュー内容 |
話のモチーフは比較的おもしろいし、ものすごい有名どころを何人もキャスティングしているのに、中途半端な出来に終わってしまっている、きわめてもったいない一本だと思う。デ・ニーロとホフマンの初競演作品だというのに、両者の持ち味が半分も生かされていない(本人たち、ラッシュ見て怒らなかったのかな、と心配になるほど)。ブラッド・ピット、ジェイソン・パトリックの起用はどう考えてもミスキャスト。というか、彼らが演じなければならないという必然性がちっとも伝わってこない。このような、有名どころを使いこなせていないという事実は、脚本の人物描写の薄さやずさんな演出と大いに関係していると思う。キャラクター設定(各人の個性)も肝心なところがはっきりと輪郭付けられていないし、さらに問題だと思うのは、各主要人物の苦悩や葛藤がぜんぜん伝わってこないということ。虐待を受けた少年たちの苦悩しかり、デ・ニーロ扮する神父の、聖職者としての葛藤しかり。例外は、看守役のケビン・ベーコンのみ。キャスティングもぴったりだし、人物描写にもある程度の説得力があった。サディスティックな役柄は丁寧に描けているのに、苦悩する人物を描けないなんて、この映画の脚本家自身が本物のサディストなんじゃないかと疑いたくなってしまう。さておき、たぶん一番の問題は、こうした荒い人物描写や心理描写に加え、物語の核となるべき、少年院での虐待のエピソードを、丁寧に演出していないからだと思う。地下室へ向かう廊下を歩くシーンで、隔離された空間で行われる虐待の残虐さや少年たちの恐怖心理を象徴的に描いてみました、ということなんだろうけど、象徴的な描写というよりも、及び腰で取り組んだやっつけ仕事、みたいな仕上がりになっていたと私には思えた。というわけで、役者はいいし、物語のコアの部分も潜在的には十分面白かったにもかかわらず、それらが生かされない仕上がりになってしまった。本当に残念。 |
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