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タイトル名 |
白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々 |
レビュワー |
かわまりさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2010-10-15 13:39:34 |
変更日時 |
2010-10-15 13:40:17 |
レビュー内容 |
理屈っぽくて議論好きなドイツ人の取調官と収監された政治犯の迫真のやりとりには目を見張らされるものがあります。そして主人公ゾフィー・ショルの容疑者としての弱みを決して見せない堂々たる態度と取調官に代表されるヒトラー政権を相手取った理路整然とした議論が素晴らしかったです。どうせ死ぬなら戦場で敵の弾に撃たれるよりも、空襲で焼け死ぬよりも、正義と真実の主張によって断罪されるほうがいいというゾフィーとハンス兄妹の信念と二人を誇りに思うという年老いた両親の姿も感動的でした。翻って、日本について考えてみると、ショル兄妹のような良心の囚人はいたでしょうが、本作品の取調官のように冷静に論陣を張れる取調官はいたのかどうか・・・。同じような作品(例えば小林多喜二を描いたもの)なんて陰惨極まりない、バイオレンス映画か蟹工船を上回るホラー映画になってしまうでしょう。でも、野心のある脚本化と監督に是非挑戦してもらいたいと思います。検察特捜の失態が明らかになり、取調べの可視化が取りざたされている今、そういう観点からもこの作品を鑑賞することができます。 |
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