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タイトル名 |
蜂の旅人 |
レビュワー |
もっつぁれらさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2008-03-19 00:40:26 |
変更日時 |
2008-03-22 23:35:04 |
レビュー内容 |
普段は、登場人物に感情移入なんて滅多になかったのですが、ドップリと見入ってしまっている自分にビックリ! ・・・・・時々、生きていていやになる事がある。 自分は結婚もしてないし、子供を作ったこともない。人並みの幸せって、まだのような気がする。冗談抜きで死にたくなることってたまにあるけど、このままじゃ自分の人生終わらすことって出来ない。まだやり残した事があるうちは、まだまだ頑張ろうって思う。 しかし、普通に結婚して子供も二人くらい作って自分の家庭というものを築き、子供が自立できるくらい成長したら、その時の自分ってどうなんだろうって思う。人生のノルマを達成した瞬間、孤独感や虚脱感に襲われ生きるのが無意味に感じるようになるだろうって思う。命を絶つことに対する恐怖なんてなくなってしまうのではないかと感じることが、最近よくある。 この映画の主人公スピロは、知恵遅れの末娘を嫁に出し、周囲の意に介すことなく退職し、家庭とも決別し、蜂と共に放浪の旅に出る。スピロの心にあるのは一種の充実感と虚脱感だったのだろうと思う。 家族を捨て、導かれるように旅に出るスピロはただただ格好良い。今の自分にとって、彼は自分の理想ですらあるかもしれない。 アンゲロプロスの映画を観たのは、他に「旅芸人の記録」があり、そちらは将来の自身の成長を期待して敢えて低評価に抑えましたが、こちらは今の自分の境遇を考慮して若干甘めの採点。もし、ハッピーな日常を送っているときに観たならばたぶん4点とか5点くらいの評価にしかならないと思う。観た時の境遇によって評価は変わるものなんだなと、改めて実感。 |
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