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タイトル名 |
しあわせの雨傘 |
レビュワー |
もっつぁれらさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2011-01-09 17:38:46 |
変更日時 |
2011-01-10 02:27:34 |
レビュー内容 |
オゾンはいろんな風に期待を裏切ってくれる映画監督なのですが、今回のはどちらかと言えば良い意味の裏切りという感じではなかったです。 この映画は要するに、女性のサクセスストーリーを描いたものであって、フランス映画らしい控えめな演出になっているところもあるにせよ、言ってしまえば、そんじょそこらのアメリカ映画と大して変わらないような実にありきたりな作品になってしまっていると思います。特にラストなんかもう最悪で、単純・平凡・軽薄という言葉しか出てきませんですし、オゾンが過去の作品で何度も見せてきたような味わい深い余韻を残すラストショットとは程遠く、大変ガッカリしてしまいました。 さて、ドヌーヴ扮するスザンヌですが、ストーリーが進むにつれて何とまァいろいろと良からぬ過去が出てくるわけですが、このままいくと隠し子があと二人くらいは出てきちゃうんじゃないかという嫌な予感もしたのですが、それ以上は出てこなくて本当によかった。 オゾン作品では、毎回のように余計なセックスシーンが出てくるのが好きではなかったのですが、今回はストーリーの流れからいってもそのシーンを出すことの意味が出ていたので、この程度なら特に問題はないでしょう。 カトリーヌ・ドヌーヴと夫役のファブリス・ルキーニはまさにハマリ役というくらいに見事に役を演じ切っていましたが、ストーリー的にただ一つ言わせていただくと、スザンヌは専業主婦のときは詩人でもあったわけですから、会社の経営を立て直そうと立ち上がったときに労働者との交渉時にもう少し詩人っぽい台詞で喋ってくれてればより面白さが生まれていただろうと思います。“お友達”と“友愛”の2つくらいしか出てこなかったので、もっとビジネスとはかけ離れた詩的な台詞で“こんな世間知らずの脳内お花畑女に会社を任せて大丈夫か?”という雰囲気を出してその場のゴタゴタ感が増せば、より楽しいシーンになれたのではと思いました。 それと、家のソファーにドヌーヴが座るシーンがあるのですが、画面全体を同一系統の色で統一しているシーンがこの他にもいくつかあり、オゾンの「シェルブールの雨傘」に対するオマージュが(雨傘の他にも)感じられて良かったです。 |
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