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タイトル名 |
旅情(1955) |
レビュワー |
もっつぁれらさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2012-12-15 18:28:59 |
変更日時 |
2012-12-18 00:47:09 |
レビュー内容 |
始まって3分で観る気が失せる。汽車の中での女の厚かましい態度に、この女にあと100分付き合わされるのかと思い冒頭からゲンナリさせられてしまいます。 この時点で、この映画のどこかで馬鹿デカい声でわめき散らすシーンが出てくるだろうと想像はできていて、案の定ヴェネチアングラスの所でそんなシーンが出てきたものだから、だんだん観るのもバカバカしくなってきてしまいましたし、怒鳴り散らすとかするのではなく、もうちょっと洒落を効かせてウイットで返すとかすれば面白いと思うのにそういう事が出来ないのだからここは作り手のセンスの問題で諦めるしかなさそうです。 ホテルのテラスでの食事のシーンで一組ずつ去っていって最後に一人取り残された時や運河沿いの段差に座っている時もあからさまに悲しげな顔ですし、サンマルコ広場のオープンカフェで飲んでいる時もこれまた分かり易くニコニコしていたりと、要は演出が全て大味で登場人物の心情を描く力量に欠けているのがありありと分かってしまいます。 また、「空腹ならそこにあるものを食え」なんてとてもじゃないけど品があるなんて言えないですし、「失望」と「ショック」を入れ替えての掛け合いなんかいかにも作り話の中にしか出てこないようなリアリティを欠く台詞回しで、脚本にも問題ありでしょう。 おまけに、ラブシーンと花火のクロスカッティングなんて露骨の極み。ここまで来ると、もう失笑しか出てこない。 とどのつまり、このデヴィッド・リーンという人はやはり「アラビアのロレンス」「戦場にかける橋」のような大作にこそ本領を発揮する人であって、どう逆立ちしても男女の細やかな心情を描く人ではないと思いました。 唯一、恐らくオールロケで撮ったであろうヴェネチアの風景がその場の空気感や臨場感を感じさせてくれて良かったのですが、一方で、序盤で駅舎を出ようとした時と部屋の窓を開けて女主人と会話をしている時の2か所で人物にほとんど光が当たっていない状態が出来てしまっていて、折角の「旅情」を感じさせるオールロケの撮影スタイルがかえって仇となっていたように思えます。 普通、背景の方が明るい場合は手前から光を補うか、もしくは主観ショット&風景パンとかで話を進めるなど、アイディアで切り抜けたりも出来そうな所でそういう工夫を凝らさないわけですから、これはもう力量と言うより手抜きと言うべきかもしれません。 |
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