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タイトル名 |
袋小路(1965) |
レビュワー |
もっつぁれらさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2014-01-13 23:10:23 |
変更日時 |
2014-01-14 01:15:24 |
レビュー内容 |
主人公は、ジョージとか言うあの弱っちい男でしょう。 映画の中に流れる不条理感は良いけども、人物設定や状況の描き方が悪い。 悪漢が現れて脅すつもりで描くならば、腕を怪我しているから夫婦で連携してスキを見て警察に突き出せそうと感じさせてはダメだし、銃に弾を込める姿をまず先に見せるとかもしないため、さほど怖さが伝わってこない・・・と思いましたが、こう感じさせるのが狙いなのかも。 悪漢に対し何も出来なかった男は、最後まで何もできず終いで映画は終了。 最後、一人岩に佇む男。これがポランスキーの描きたかった事なのでは、と解釈しました。タイトルの「袋小路」は原題の直訳のようですが、ラストシーンの絵の通りどこにも行く事が出来ずにいる彼の姿、人間関係に行き詰まった心理状態の事でしょうか。一人の男の悲哀を描いた映画。 ここまでは、ポランスキーが映画を撮る才能とテクニックがある事を前提にした解釈。 細かな部分をあたると、ハッキリ言って描き方が余り上手でない箇所ばかり。 冒頭、悪漢が草の陰から上半身裸のカップルがイチャつく姿を覗き見るシーンは無用だし(後のその若い男の人物像もハッキリしない)、序盤からやたらと人物のクローズアップを多用するのも意図が見えず。車を懸命に押す悪漢の姿を捉えるカメラの動かし方もハンディーで撮ったような安っぽさが出ていますし、子供が銃を撃った時の客人の表情の細かなショットを連続で瞬時に見せるのもストーリーを勘案するとセンスのなさを感じます(子供が劇的な変化を生む訳ではない)。 冒頭で主人公に女装をさせるシーンも彼の情けなさを見せるのと、動けなくなった男の視点で彼を画面に出したかっただけでしょうし、また、後半で客が4,5人訪ねてきた時、カメラが最後を歩く男に注目していたので、この男がキーパーソンなんだろうと思い車で戻ってきた時に期待したのですが、女を連れ去るのみで特に驚くようなこともせず退散。これが一番酷かった。 いろいろとトータルで考えて、ポランスキーは映画を撮る才能やテクニックはこの時点ではなかったと判断。この映画は非常につまらないと考えるのが妥当だと思います。 |
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