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タイトル名 |
まぼろし |
レビュワー |
もっつぁれらさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2004-11-05 00:17:03 |
変更日時 |
2009-12-30 15:15:43 |
レビュー内容 |
「あなたには重みがないのよ!」で、後ろに座ってたバカな男があのセリフを鼻で笑っていたんですが、ホント最低ですよ。あのセリフはあくまでも“重み”であって、物理的な“重さ”ではないです(多少はあるかもしれませんが)。その少し前のベッドシーンの時には「だって、あなたって軽すぎるんだもの」と、まだ笑うこともできるくらいだったのかもしれませんが、時が経つにつれてだんだんと夫をなくしたという、事の大きさを認識し始めたということでしょうか。 最後の、マリーが夫に向かって駆けていくラストはいろいろな解釈が可能だと思いますが、私はあのシーンで目を疑いましたよ。私にはマリーは夫よりも先の方まで走っていってしまったように見えました。つまり、あのときマリーは夫が見えていなかった、マリーにはもう夫のまぼろしさえも見えなくなってしまった、と解釈しました。気分が晴れることによってまぼろしを見なくなるのではなく、見えなくなってしまったのではないでしょうか。 おすぎがこの映画を絶賛してたらしいのですが、「ラストがも~スゴイ!」のようなことを言ってたそうで、おすぎのラストシーンの解釈をぜひとも聞いてみたいものであります。 しかし、このフランソワ・オゾンという監督は最後の“締め”が非常にうまい。私はこの監督の作品を見るのはこれで3作目なのですが、この人はエンディングを考え出すことにおいては明らかに特異な才能を持っている。特にラストのエンドロールに移るワンカットを選ぶセンスが素晴らしい。 全体の流れとして終始単調なリズムだったのと、ベッドシーンでの露骨な描写(スイミング・プールのアレとは違いこの映画ではヌードをさらす必要性が全くない)をもう少し抑えればもっと良い作品になったと思います。 |
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