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タイトル名 |
少年と自転車 |
レビュワー |
とらやさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2015-10-03 15:57:37 |
変更日時 |
2015-10-03 15:59:22 |
レビュー内容 |
父親に捨てられ施設に預けられたシリル少年。彼が負った心の傷、その深さ。 そんな彼の心の内を思うと、途中は見ているのがとても辛い作品。 里親のサマンサについては謎も多い。冒頭で少年の自転車を買い戻し、少年から頼まれ里親になることを引き受けます。 その決断には彼女のこれまでの人生とも無関係ではないと思いますが、彼女の人生についてはほとんど語られません。 この部分についても少し言及があっても良かったのではないかと思います。 自ら里親になって欲しいと希望したサマンサに対するシリル少年の態度にイラッとくる部分があるのも事実。 しかし子供心にそう簡単に現実を受け入れ、割り切れるものではない。そんな少年のやるせない思いが終始伝わってくるし、 少年の全てを受け入れ、彼と接する彼女の描写の1つ1つがとても良かった。
子どもが主人公の映画や青春映画と自転車はやはりよく似合います。 クルマやバイクと違って、自分の足でペダルを漕いで走る。子どもや若者の力強さを感じる。 本作で最も温かみを感じさせる、サマンサとシリルがお弁当のサンドイッチを持って出掛けるサイクリング。 それに続く、突然訪れるラストシーン。少年は倒れた自転車を起こし、再び自転車を漕ぎ出していく。作品は彼のその姿が見えなくなるまで見送る。 シリル少年には力強くペダルを漕いでこれからの人生を進んでいって欲しい。サマンサと共に。そう願わずにいられないラストでした。 |
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