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タイトル名 |
カールじいさんの空飛ぶ家 |
レビュワー |
目隠シストさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2014-12-23 15:25:16 |
変更日時 |
2014-12-23 15:25:16 |
レビュー内容 |
風船で家が空を飛ぶ(一応浮力はあるからアリなのかな)簡単に目的地に着いちゃいました(もしかして『キング・コング』方式ですか)犬が喋ったよ(バウリンガルですな。懐かしい)飛行機まで操縦しちゃった!(キャシャーンのフレンダーみたい、ってオイ!)。ファンタジーにおける世界観の設定は、実に繊細です。一体何処までを“許可する”のか。作り手のセンスが問われます。例えば、和製人気ネコキャラはペットでネコを飼っているそうですし、アンパン○ンは、生物・非生物の人格設定がノールールです。前者は「どうかしている」と思いますし、後者は「どうかしているを通り越して何かスゲぇ」と感じます。本作の場合は、明らかに遣り過ぎでした。というより、ファンタジーというカテゴリー分けが誤りなのかもしれません。“じいさんは夢をみた”が常識的な解。冒険ブックに貼られていた夫婦の写真(一体誰が撮影したの?)がその証拠です。カールじいさんは、夢を見ながらひっそりと息を引き取ったと考えるのが自然な気がします。しかし本作のメインターゲット=子供たちは、そんな風に思うはずがありません。夢が叶って良かったね!という理解でしょう(ちなみに我が家の場合、9歳の娘はストーリーに違和感を抱いたようですし、5歳児は純粋に冒険譚として楽しんでいました)。では、現実的な解釈が正しくて、ミラクルな物語は嘘っぱちなのでしょうか?いいえ、違います。カールの人生を“結局叶わぬ夢を追いかけた虚しい一生だった”と捉えるか“日々の生活そのものが、秘境探検に負けぬ冒険だった”と受け止めるか。それを決めるのはカール自身に他なりません。ですからこの物語も、観客それぞれの受け止め方で、間違っていないと思うのです。そんな大らかさを持った物語でした。一つだけ断言出来るとすれば、自分の人生を肯定出来たのなら、それに勝る幸せは無いということ。カールじいさんは幸せ者です。きっとおデブの少年は天使だったんじゃないかなあ。 |
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