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タイトル名 |
マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ |
レビュワー |
目隠シストさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2007-06-07 18:11:41 |
変更日時 |
2016-05-11 23:09:02 |
レビュー内容 |
不幸なライカ犬を引き合いにして、自分はマシだと思うこと。それが少年のストレス対処法でした。なかなか有効な手段かと。かくいう自分も昔はよくやりました。でも根本的な解決策ではありません。ちんちんがビンから抜けなくなったこと。小火騒ぎ。女の裸を見ようと窓ガラスを割ってしまったこと。誰もが子供の頃に経験するような些細な出来事です。少年も薄笑いを浮かべて平静を装います。でも自尊心は深く傷ついたはずです。いくらライカ犬と比べれば幸せだとしても、です。それは元少年として実感できますとも。少年の心を揺さぶる環境の変化、性への戸惑い、そして母の死。負荷を処理しきれなくなった彼の心は、思わぬ行動を命じます。犬の真似。鳥肌が立ちました。胸に刺さりました。上手く説明できませんが、凄く分かるのです。彼は自分自身だと思えました(もっとも自分は全然モテませんでしたが泣)。たぶん少年とはそういう生き物です。彼は一度壊れる必要があったのだと思います。そして泣く必要も。このとき、少年はすこし大人になったのだと思います。やがてライカ犬に想いを巡らすことも無くなっていくでしょう。自身の成長と性を受け入れ、ワンピースに袖を通した少女にしても同じこと。子供たちはちょっとずつ、そしてある日突然に、大人になっていくのです。ラスト、泥にまみれて少年と少女は笑います。汚れるのは怖いし嫌なことです。でも気にしたって仕方がありません。ぐちゃぐちゃに汚れながら成長していけばいいのです。疲れたら寝ればいいですしね。エンドロールでは、ひたすら屋根を修理する男の姿がありました。規則的なクギを打つ音が響きます。その音色もまた、人生を表しているようで。 |
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