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タイトル名 |
ぼくは怖くない |
レビュワー |
θさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2011-02-18 01:35:10 |
変更日時 |
2011-07-26 23:38:37 |
レビュー内容 |
ストーリーそのものは極めて予想できるものにもかかわらず、心に響いてくるタイプの作品。「囚われた子供」というミステリー性はあまり生かされていないが、その「非日常性」は利いてきているように思う。
■「なぜあの子は閉じ込められているのか」については、ミケーレが夜に考えていたようなストーリー(映画「鬼畜」や劇場版「TRICK」とかそんな感じ)の方が面白いと思う。そこら辺はちょっともったいない気も。実際、設定が「誘拐」であることのメリットはほとんど利いてないわけで、だとしたら「村における秘密の掟or差別的偏見」みたいな方が。
■この映画を「大人」と「子供」と切っている人は多いけど、それは必ずしも当たっていないと思う。例えば、子供たちの中でも「罰ゲーム」と称して女の子を脱がせようとしたり、落ちたら大怪我しそうな梁の上を歩かせたりはしているわけだし、ミケーレも秘密を話した友人にあっさり裏切られる。しかも裏切った理由は「車を運転してみたいから」というしょうもない動機。
■だからこの村は「強いものがのさばる社会/正直者がばかを見る社会」であり、子供たちはまたその縮図の中にいると見た方がいいだろう。そしてミケーレの父はまさにその中における「負け組」に位置している。くじ引きにおける二度の「負けを引く」という演出が彼の「運の悪さ=負け」を象徴している。両親は負けたレースにおいて損な役回りをさせられ、結局犯罪に転落して社会からもはじかれる存在になっていく。そしてそれはミケーレ自身も引き継いでおり、だから母は「村から出ろ」というのであろう。 |
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