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タイトル名 |
何者 |
レビュワー |
ちゃじじさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2017-08-15 18:55:55 |
変更日時 |
2017-08-15 18:55:55 |
レビュー内容 |
閉塞された空間に捉われ続ける若者たち。それはアパート、面接会場、大学の喫煙室、電車(さらには窓に映った拓人と瑞月は窓枠にも捉えられる)、タクシー、直接的描写はないが履歴書の証明写真など。 そんなあらゆる閉塞性の中で、ツイッターという特権的な立場から、他者を批評し俯瞰した視点を保つ事で、何者でもない自分のアイデンティティを何とか維持する拓人。 物語の終盤。他者を見ていた、批評していた者(拓人、映画の観客)が、見られる、批評される者になる瞬間。客観性が崩れる瞬間。抽象的なものが視覚化されていく。 それは劇場(演劇)となり、面接となり、ツイートを受け取る側のダイレクトな反応(理香)となる。 拓人のアイデンティティは崩壊し、面接の中で彼の本音が溢れ出す。 その時、それまで正面から客観的に拓人を捉えていたカメラは、彼の背中を押すような主観的なものとなり、拓人自身は閉塞されたビルから、光輝く解放的な外へと踏み出していく。 |
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