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タイトル名 |
息子(1991) |
レビュワー |
丹羽飄逸さん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2007-01-19 16:29:22 |
変更日時 |
2007-01-19 18:16:56 |
レビュー内容 |
悪くはないんだけど、セリフが定型かつ説明的で、題材の割にリアリティを欠く。
例えば田中邦衛にしたって、饒舌な愚痴を吐かせるより、もっと言葉少なに厭世観が 表せないものかと。苦節を数十年も味わえば、わざわざ力んで口に出すのも嫌になる と思うが、サーフボードの車に八つ当たりする場面には首を傾げる。 新入りが来たんで、ついつい気持ちの全てを吐露したと云えば腑に落ちなくもないが、 チトやりすぎに映った。
あと、惚れた女性の聾唖であると、他人に教えられるまで全く気付かなかったって、 少々鈍感過ぎないだろうか。 女性が手話をする機会がないうち恋愛熱が沸騰したというなら詮無いことだけど、 あまりに絵に描いたような「田舎者=純情(単純)」の図式に古めかしさを感じずには いられなかった。他にも挙げればキリがないほど細かな難はある。
それでも父親に女性を紹介する場面は心温まる。みんな芸達者ばかりだし、長さんを始め、 レオナルド熊、ケーシー高峰、松村達雄、浜村純など、私のツボにくるキャスティング。 とかく傑作の呼び声高い作品だけど、私としては色んな面で惜しい作品だった。 |
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