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ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 - トントさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ある映画監督の生涯 溝口健二の記録
レビュワー トントさん
点数 7点
投稿日時 2021-07-18 22:43:22
変更日時 2021-07-18 23:03:46
レビュー内容
興味深い!
あらゆる名監督のこういうドキュメンタリーが残っていたら、
後世、その監督の映画を観直すとき、かなり分かりやすく勉強になる。
今、活躍中の監督たちのドキュメンタリーも、後世の映画ファンのために残すべきではないだろうか?

それにしても何と喜々と映画について話すのだろう。
溝口の痴情のもつれから、背中をカミソリで切られるとこから、
晩年の田中絹代との噂の真相まで、実に興味深い。
田中はこう言ってる。
「(溝口は)田中絹代に自分の惚れてる女性像を演じさせて、その「女性」に惚れてる」

何より女性映画の名手が、溝口の上司の村田実が男性映画の名手だったため、
会社側から女性映画を撮るように言われてから始めたという出発点は驚きである。
「楊貴妃」では、自分の分からぬ異国の上流階級の女性を描くにあたり、
イライラが募り、美術や女優にあたっていたというのは、とても今では問題になる話である。

しかし「雨月物語」を筆頭(私はそう思っているが)に、名作を数々生み出した
巨匠の実情は、凡人の自分にはホッと一息つけてしまうのであった(笑)

追伸)伊藤大輔ファンの自分には、おお!これが伊藤監督か!という映像があるのに感激♪
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