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人間の條件 第六部 曠野の彷徨 - トントさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 人間の條件 第六部 曠野の彷徨
レビュワー トントさん
点数 8点
投稿日時 2020-07-24 20:25:11
変更日時 2020-07-24 21:01:02
レビュー内容
敗戦後、日本では進駐軍がきて、ジャズやらアメリカ文化が日本で湧きたってた。
その頃、大陸では敗残兵がこんな目にあってたとは・・

あの梶が、投降するのは、大陸に残った日本人女性たちのロシア兵慰安婦村で、であった。
ロシア兵に抱かれて、戦争を理解できなくなった感情的な女を高峰秀子が好演している。
遊びに来たロシア兵と日本敗残兵の打ち合いが始まる直前に、この女性が飛び出し、あの梶も投降するしか
もう道はなかったのである。

それからが運命の皮肉だろうか。
梶と対極のキャラのキリハラ(第5部で日本人女性を暴行した彼)が、ロシアに取り入り、
日本人捕虜の監視役になっていたのだ。
レミゼラブルにも同じような、立ち回りの巧いキャラがいたが・・
梶はキリハラを殺して、捕虜収容所を脱走、大陸をさまよううちに凍死する。

最愛の妻、ミチコの気の狂ったような甲高い笑いの中で、彼は絶命するのだ。
ニューシネマ全盛の映画界だから、通った企画だろう。

「人間らしさ」とは勝った国にしか通らぬ理想なのかもしれない。
寂しい気持ちになった。
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