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タイトル名 |
魁!!クロマティ高校 THE MOVIE |
レビュワー |
にしきのさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2018-09-16 00:44:49 |
変更日時 |
2018-10-05 00:43:17 |
レビュー内容 |
板尾はこういうノスタルジックなサプライズが好きなんだろう。こうした次々と押し寄せるマシンガン不条理モノは俺も好きだし喜べる。喜べるけど本作、特に後半は笑いには繋がらなかった。本来クロ高は不条理ではなくシュールが主役であるはずだ。不条理は弓矢で言う所の弓であり、異常者達による不条理に直面した正常な判断力を持つ常人達が額に汗を流し脳内で静かに突っ込みを入れて初めてシュールという名の矢が放たれる。それが笑いに繋がるのだ。「それはひょっとしてギャグで言ってるのか!?」に代表されるアレである。学園に突然半裸のミュージシャンが現れても、ゴリラがいても、簡素なデザインのロボットが鎮座ましましていても、それはあくまで笑いの準備段階、食材である。読者も神山と同じく頭の上に「?」マークが浮かび、その後の「なんだこいつら…どうしたらいいんだ」な反応で読者は大いに神山に共感し、安心し、初めて料理として完成する。それこそがクロ高のギャグのレシピなのである。一旦非現実に叩き込んでおいて、再び現実に引き戻すという面倒な段階を丁寧に踏まなければならない。前半は十分その様式美が発揮されていたが、後半地球防衛軍云々のくだりから神山達まで不条理の住民と化してしまい、脳内で静かに突っ込みを入れるのがプータンの視聴者だけになってしまった。原作の神山他常人はシュールさを引き立てるために終始同じ角度で難しい表情を保っている。本作でも出来れば神山達にはやや煽り気味の斜めからの角度で脳内突っ込みを入れて欲しかった。こうした原作者の、意図的に作り上げたであろう「クロ高ならではの型」の普遍性・重要性に制作陣が気付いていれば、アニメ版の様な高い評価が得られたのではないかと思う。受ける漫画というのはそこにしかない個性があり、魅力となっている。それが何なのか気付いてしっかりと再現する事も、映像化する側の重要な使命ではないだろうか。 |
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