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タイトル名 |
君たちはどう生きるか(2023) |
レビュワー |
にしきのさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2023-07-14 19:20:52 |
変更日時 |
2023-07-15 04:10:29 |
レビュー内容 |
公開初日に見たジブリは初です。せっかく前情報ゼロという「博打」公開なので乗ってみようと、あらゆるネタバレを見ずに速攻鑑賞してみました。
ではまず個人的な感想を述べる前に、明かして良さげな情報をば。 ・謎だらけの中で唯一公開されていた鳥のようなキャラは実際作中に登場する。主役ではないがそこそこ重要な脇役。これまでの宮崎キャラらしい、謎めいていてコミカルで特殊な能力を持っている。 ・鈴木敏夫プロデューサーによると、一切宣伝しなかったのは、宣伝すると莫大が予算がかかり、採算を考えたらそれが出来なかったというのが現実らしい。 ・宮崎監督はこれまでは「陽」の主人公を描いてきたが、本作では「陰」だった自身の少年期をモデルにしている。 ・「君たちはどう生きるか」というタイトルはスタッフの発案。同名小説を宮崎監督が少年期に愛読しており、作中にも登場する。しかし原作ではない。 ・鈴木敏夫Pはもう引退したかったので、宮崎監督が絵コンテを見てくれと言ってきた時(実質の復帰宣言)断ろうと思っていたが、宮崎監督の本気を察して断れなかった。 ・今までのように宮崎監督が全作画に手を入れるやり方は年齢的に終わらなくなるので、若くて上手い作画監督を鈴木Pが推薦した。その時は宮崎監督は難色を示したが、一年後に監督自身がシラッとその人物を推薦してきた。
で、どんな映画なのかというと。 新しい環境に馴染めず、優しい大人達に対し愛想のない態度を取ってしまう少年が、何だか訳の分からん世界に飛ばされ、その中で苦難を乗り越え人を救い、人間的に成長していく物語…といった所。こうして見ると宮崎監督らしい作品と言える。 限りなくオカルトに近いファンタジー。風合いとしては千と千尋、ハウル、ポニョに近い。そこから少々「子供向け」を外し、おどろおどろしい雰囲気が強くなっている印象。 鈴木P曰く「宮さんより絵が上手い」という作画監督だけあって、確かに上手いしよく動きます。自分で絵を描かなくなった分、監督はかなり難しい注文を絵コンテに詰め込んだらしいですが、それを全部こなしたそうで。立派です。
また、これも宮崎監督らしいと言えばらしいのですが、謎めいた台詞や設定が多いんですよ。なんでこの世界にはこんな法則が?あの人の言っていたあれはどんな意味?色々と分からないまま終わる。これは自分で考えろって事なんでしょうけど、自分は考察が苦手なので、得意な方々にお任せしたい。 だからなのか分からんのですが、自分はジブリ作品に関しては初見ではポカーンとなってしまう事が多く、一発目の採点は5点か6点くらいになる。それが2度目3度目の視聴になって、他者様の考察なども伺ってみたりして、だんだん意味が分かってきて、7点8点9点と上がっていきます。千と千尋に至っては10点満点の傑作。この「君たちはどう生きるか」も例に洩れず6点です。今の所。 ただ、加点ポイントがあります。ヒロインのヒミちゃんが可愛いんです。残念ながら終盤にしか活躍しないのですが、登場が多ければもっと大きく加点したでしょう。それと大量に発生するぽよぽよした生き物達がまた可愛くてええです。ワラワラとかいったかな。これだけ完璧に可愛いマスコットキャラは宮崎監督には珍しいので、きっとろくでもない目に遭うんだろうなと思って見ていたら案の定でした。可哀想です。皆さんぜひご自身の目で。 それと、これも宮崎作品に顕著なんですが、最初は異世界の連中がイヤな奴に見えるんですよ。それが物語終盤になるとみんないい人達に見えてくるという不思議な現象。これも宮崎監督のテクニックなのでしょう。お見事。後味はとてもいい映画です。 そんな訳で6+1で7点。2度目以降の鑑賞で変わるかも知れません。 |
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