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タイトル名 |
つみきのいえ |
レビュワー |
よしのぶさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2010-03-04 12:16:17 |
変更日時 |
2010-03-04 12:16:17 |
レビュー内容 |
町全体が海に沈んでおり、海面がどんどん上昇しているようです。船で物資が届けられるので、人間社会は崩壊してなさそう。おじいさんは家族との思い出を大切にしながら余生を送りたいので、あの家を敢えて離れないのですね。というか町全体に愛着があるようです。子供時代から住んでいるふるさとだから。そして愛する妻との恋愛の思い出もある。幼馴染というところが泣かせますね。生涯一度の恋を貫いた理想的な人生だったのですが、老後は悲劇的です。それにしてもまあ、奇妙な生活ぶりで、悪くいえば偏執的傾向のあるご老人ですね。これは言い過ぎでしょうか。長年の孤独がご老人をそうさせたと解釈しましょう。■海面が上昇するに従って、上階に改築を重ねていったのでしょうか?であれば床下にドアがある奇妙な構造の説明がつきますが。しかし階下には家族の思い出が詰まっています。海面上昇に遭いながらも、何十年かは一緒に住んでいたのかもしれません。家族が水禍で亡くなってしまったと考えれば、老人の気持ちもさらに理解できようというものです。ご老人はあの家で死を迎えるつもりですね。心は家族との思い出に水没しながら。思い出にふけること以外に何の楽しみもないご老体を見るのはつらいです。最後は前向きに生きる姿を見たかったのは無いものねだりでしょうか。希望がないアニメに思えてしかたありません。■地球温暖化へのメッセージが込められいるという意見があります。たぶんそうでしょう。町全体が徐々に海底に沈むことは歴史上稀有なことですから。老人は人類を恨んでいるのかもしれません。それでさらに孤独が増した考えれば、よけい同情しますよ。■「汚れなき子供」向けのアニメを「汚れある大人」が鑑賞すればこんな感想が出てきます。ああ、わが心の中の汚れの海面も上昇しているようです。子供のときに観たかった。 |
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