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タイトル名 |
ガフールの伝説 |
レビュワー |
よしのぶさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2013-05-13 13:06:10 |
変更日時 |
2013-05-13 14:19:23 |
レビュー内容 |
ふくろうが高度な文明を営むという世界観だが、鉄器文化を持つことに大いに違和感があった。飛躍しすぎていないか。 鉄剣、鉄兜、鉄面蓋などで武装していては、人間の古代戦士と変わりなく、ふくろうである必然性がなくなる。各種ふくろうの特性を生かした肉体同士での戦闘場面が見たかった。 悪の王国の最終兵器である、砂嚢をしびれさせて動けなくするという「特殊金属」は説明不足の誹りを免れないだろう。何のことやらわからない。砂嚢は鳥類の胃の一部で、食物を砂で細かく砕くものであるので、「砂嚢を麻痺させる」とか「頭ではなく砂嚢で感じろ」といわれてもぴんとこない。心眼のようなものと察しはつくが、すっきりしない。極め付けは「月光麻痺」。月の光を真正面で受けると麻痺してマインド・コントロールされるという安直な設定にはげんなりさせられる。 物語は善悪の王国の対立を軸に、「ガフールの勇者たち」という伝説を盛り込んだ冒険戦記もので、これといった目新しい要素は見当たらない。何より不満なのは、前の戦争の契機と経緯、勇者伝説の詳細が語られないことだ。なので最終決戦場面でも感情移入できない。唯一意表を突くのが、兄がダークサイドに堕ちるという展開だが、どうしてそうなるのかが描写不足だ。弟とそりが合わないだけで、両親の愛情を得られており、心に傷を持つわけではない。妹を攫い、弟を殺そうとする心の闇が見えないので説得力がない。補助的登場人物の扱いもぞんさい。両親は途中で居なくなるし、弟と行動を共にする家政婦の蛇は大した活躍を見せない。旅の仲間はかろうじて合格点。ジルフィーは小さすぎて恋人役には不足。大臣ふくろうのみえみえの裏切りと、時を移さぬ退場は、急ぎ過ぎ。主人の成長物語としても不満が残る。危機はそこそこ描かれているが、幸運に助けられている面が大きい。兄殺しの葛藤が薄い。もっと子供らしい知恵を発揮しての活躍をみたかった。美点はCGの華麗さとアクションの優雅さに尽きる。感動することはないが、CG技術の発展には唸らされる。美術を見るような鑑賞法が最適だろう。 |
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