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タイトル名 |
スター・トレック/イントゥ・ダークネス |
レビュワー |
よしのぶさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2014-04-19 22:14:52 |
変更日時 |
2014-04-19 22:14:52 |
レビュー内容 |
旧作は内容が哲学的で退屈するところがあった。新シリーズはアクションと男の友情に重点を置き、息をつかせぬ展開で、清新躍如たるものがある。CG特撮が精彩を放ち、エンタープライズ号が海底から飛び出す場面や雲海から浮上する場面など壮麗で観ていて飽きない。手抜きの無い未来都市の様子、未来テクノロジーの描写など、それだけでも見る価値がある。見所たっぷり。とりわけ、前半が極上だ。いきなり未開惑星で、未開人に追いかけられるカークらと火山爆発という二つの危機が提示される導入部分。未開人から逃れられたと思ったら、スポックが火口に取り残されるという新たな危機。間一髪のところでスポックは救出され、火山活動は新テクノロジーで抑止される。場面転じて、地球。難病の娘を抱えた父親に見知らぬ男Aが声を掛け、娘を救えるという。父親はAの血を娘に輸血すると、所属の軍事基地に入り、躊躇せず爆弾を起爆させる。その対策ため緊急召集のかかった連合本部がヘリに乗ったAに急襲され、カークの上司パイクが死ぬ。Aは地球連合と敵対するクリンゴン帝国の惑星に逃げ込む。カークは提督から新兵器光子魚雷を撃ちこんでAを抹殺せよとの命令を受け、惑星に乗り込む。運悪くクリンゴン人に包囲され、交戦状態になるが、Aが現れ、瞬く間にクリンゴン人をなぎ倒す。そしてカークに魚雷の数を訊ね、72と聞くと、即時に降伏する。謎が謎を呼ぶ展開で、画面に釘付けだ。後半は更にアクション色が強くなり、山場に継ぐ山場で退屈はしないが、ちりばめられた謎は万人が納得できるように回収できていない。Aはカーンという名の、遺伝子操作によって造られた優等人間で、事情により300年間冷凍睡眠していたが、マーカス提督によって目覚めさせられ、残りのクルーを人質に、光子魚雷の開発に従事させられていたが、魚雷に仲間を隠し、一人逃げ出した。マーカスの目的はクリンゴンとの戦争だという。このあたりの事情がすっきりしない。カーンとマーカスの動機が読めないのだ。カーンは仲間のためには涙を流すが、他人には残虐だ。スポックは論理と規則を重んじ沈着冷静だが、感情が高ぶることがある。カークは友情を重んじる熱血漢だが、時折愚かな行動をし、艦長らしくない。人物の描き方に統一を持たせた方が良いのではないか。悪は悪らしく、知は知らしく、艦長は艦長らしく。ところで、カーンの命の血を人類の為に役立たせないの? |
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