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タイトル名 |
ニューオーリンズ |
レビュワー |
よしのぶさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2015-02-01 18:12:58 |
変更日時 |
2015-02-01 18:12:58 |
レビュー内容 |
初めてジャズのレコードが作成された1917年をジャズ元年とし、ジャズがニューオーリンズで発生し、やがて全米中に浸透していく様子を描く。実録ではなく、登場人物は架空で、完全な創作物語だ。ただ架空といってもルイ・アームストロング、ビリー・ホリディ、ウディ・ハーマンらが本人役で登場しているのだからややこしい。ジャズの語源は「Jass It Up」としている。Jassは性交を意味する俗語だ。それまではラグタイムとかブルースと呼ばれ、黒人の卑俗な音楽とされ、白人からは忌避されていた。 ジャズ物語なのに主人公は白人のカジノ経営者のニックとオペラ歌手のミラリーで、とってつけたような恋愛を演じる。黒人が主人公では興行が危ういと考えたのだろうか。製作当時の複雑な事情を想像させられる。 ニックの店の地下のバーでは毎夜ラグタイムが演奏されていたが、そこを訪れたミラリーが聞きなれない音楽とニックを気に入る。二人は恋に落ちるが、ある交通事故の責任を取らされニックは町を追放される。町を出る時、ニックはミラニーの将来を思い、わざと嫌われる行為をし、彼女は失意のうちにヨーロッパに旅立つ。ニックはシカゴで音楽専門の店を出し、サッチモらの活躍で大成功する。やがてジャズと名付けられたその音楽は浸透していき、ヒットチャートを賑わし、白人の楽団も出来て、全米を席捲するまでになる。ヨーロッパから凱旋帰国を果たしたミラリーの演奏会で二人は再会し、最後の演目はオーケストラとジャズのビックバンドの共演によるジャズ演奏となって大団円を迎える。ところがビッグバンドは全員白人で、サッチモやビリーは登場しない。これは黒人差別法が存在した時代、同じステージで白人と黒人が共演するのは禁忌だったからだ。中途半端は否めないが、声がまだかすれていない、若きビリー・ホリディーが観れるだけでも儲けものだろう。彼女の唯一の主演作である。 |
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