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タイトル名 |
フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン) |
レビュワー |
よしのぶさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2012-02-24 14:58:41 |
変更日時 |
2012-02-24 14:58:41 |
レビュー内容 |
【ストーリー】フランケンシュタインの不死の心臓、Uボート、死なない兵士の研究、広島原爆投下、放射能研究と被曝少女、急速に巨大化するフランケン、謎の地底怪獣、動き回る手、生命の謎に挑む博士等々、コンテンツがてんこ盛りで興味深い。しかし各々がぶつぎりで存在し、有機的につながっていない。被曝少女の悲劇は小さな扱いだし、放射能とフランケンとの関係も不明のまま、どうも中心となるテーマがないのだ。いっそのことフランケン研究をしていていたドイツのマッド・サイエンティストを日本に連れてくればよかった。そうすれば一本の流れができた。フランケンが心優しき怪人で自己犠牲により地底怪獣と共に地底に沈む。それにより生命の謎も永遠に分らなくなる、こういう大筋にすれば良くなったのではないだろうか。フランケンが沈む時に感情移入できるように作るのが肝要だ。 【演出】被曝少女が博士にプレゼントする刺繍、 水野久美の心尽くしの料理、博士が手に取るこけし、フランケンが手に取る水野のネックレスの宝石、博士の作るバーベキューなど、観客が見たり部分、当然アップで映すべきところを映していない。演出上のきめ細かさがない。監督失格。 【特撮】事故を起こす警察車両、怪獣に襲われる馬、疾走する猪など、本物を使えばよい場面までミニチュア撮影している。特技監督の趣味が出てしまった場面で、子供が見ても本物には見えない。 【フランケン】フランケンかどうか手足を切断しなければ真偽は不明という論議が馬鹿らしい。細胞を調べれば普通の人間と違うのは明白だ。フランケンが猪罠を掘るが、あれだけ大きくて素早いのだから猪は手で楽に捕獲できると思う。もっと知性をもたせるべき。 【怪獣対決】フランケンは心優しき正義の怪人、地底怪獣は人類の敵という図式にしたかったようだ。だがフランケンは顔が気持ちが悪い上に筋肉が貧相で弱そうだ。一方地底怪獣は顔がキュートすぎると思う。家畜や人間を襲うのだが、残虐シーンはカットしてあるので凶暴には見えない。結局美術が失敗している。最大の見せ場である決闘シーンだが、臨場感、巨大感、重量感が不足し、コミカルなプロセスごっこに終始した感がある。せっかくの「火を吐く大怪獣」が台無しである。森林火災だけは存在感があった。蛇足だが、広島原爆爆発シーンは哀れにも美しく、印象的だ。 |
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